- 組織名
- 琉球臨時中央政府立法院
- 開催日
- 1951年09月22日
(昭和26年)
- 会議名
- 立法院参議公選特別委員会 1951年9月22日
- 議事録
- 立法院参議公選特別委員会速記録
一九五一年九月二十二日(土曜日)午前九時二十分開議
○委員長(城間盛善君) 引続き特別委員会を始めます。今日は昨日に続いて供託金と分担金の問題になっていますが前に残っている届出とどっちが条文は先になりますか。
○嘉陽安春君 供託金制度は届出制の一つでしょう。
○委員長(城間盛善君) 届出と供託金は前の委員会で話はありましたが最後的段階までいってはいません。届出の期限は十日前ということにしてありますが後で選挙公報の締切りの関係ということで再検討するということになっています。これはどうしますか。
○田畑守雄君 十五日前までとしたらどうか。
○吉元榮光君 締切りさえ十五日にしておけばこれはこのままでいいと思う。これは分担金との関係もあるが…。
○嘉陽安春君 公営制度は全体としての制度だから分担金は負担にはならないと思う。しかしその恩恵を受けるかどうかは本人の立候補の期間次第だ。
○委員長(城間盛善君) 締切りを十五日前とした場合と十日前とした場合は。
○與儀達敏君 十五日前がいいよ。二十日前は早すぎる。
○委員長(城間盛善君) 締切り期日もこの前は十五日ないし二十日として最後的決定は保留してありましたが選挙区があの範囲なら十五日ぐらいで出来ないか。
○嘉陽安春君 公報の配布を選挙期日の三日前とすると間に合わん所もあるな。
○委員長(城間盛善君) 沖縄で一応考えられるのは大東だね。
○吉元榮光君 あれは間に合わんかも知れない。繰上げ投票せんといかんな。
○委員長(城間盛善君) そうですね。…十五日前でいきましょうか。
○與儀達敏君 届出は十日前として公報締切りは十五日前とする訳だ。締切り後届出た人は権利を放棄したものと見なす。
○委員長(城間盛善君) そんならそれはそのままでいいですね。次の連署だがこれは前に廃止することに決めたですね。供託金制度もあるし、それから事前運動を禁止するという意味で…。
○嘉陽安春君 理由まで書きますか。
○委員長(城間盛善君) 書いた方がいいでしょう。アメリカはわからないはずですよ。連署廃止の理由としては合法選挙運動期間前の運動の禁止を徹底させたい。さらに候補者の乱立は下記の供託金制度によって防止し得るとするわけですね。その供託金だがいくらにしますか。
○田畑守雄君 二千円がいい。
(「賛成」を叫ぶ者あり)
○委員長(城間盛善君) 日本の衆議院が三万、県会議員一万、市長は一万五千、市会議員五千、琉球は二千円。いいですね。供託事務はどこにしますか。
○嘉陽安春君 当該の地区選挙管理委員会がいいですよ。
○委員長(城間盛善君) そこに供託して法定得票数に達しない時は琉球臨時中央政府に帰属することになる。次は分担金にいきましょう。
○嘉陽安春君 これは公営の所にもっていった方がいいじゃないか。問題は公営の費用をあげてそれはこういうふうに分担させるのだとやらないと…。
○委員長(城間盛善君) これは今すぐ金額は決定出来ないでしょう
○田畑守雄君 費用の点もあるしどの程度公営が出来るかも考えねばならないし…。
○委員長(城間盛善君) これは保留しておきましょうや。
○嘉陽安春君 法定得票のことを入れてないがどこに入れるか。当選人の決定の所ですかな。
○委員長(城間盛善君) それを抜かしては大変だ。
○吉元榮光君 日本に準じて法定得票数を四分の一、供託金没収を五分の一とするか。
○委員長(城間盛善君) そんなら第四十四条に「当該選挙区の議員の定数を以て有効投票の総数を除して得た数の四分の一以上の得票がなければならない」旨の但し書をつけるんですね。次に少し返って第四十二条第一項第二号の百二十日以上職務を果たすことが出来ない時というのを削除したいという希望がありましたが…。
○田畑守雄君 有名無実だから廃止しましょうや。
○吉元榮光君 しかし廃止するにしては理由がなければ困るからそのままでいいでしょう。
○委員長(城間盛善君) この第四十二条の第二項の四十五日は…。
○與儀達敏君 これも二十五日に書き替えたいが…。
○委員長(城間盛善君) 次は第四十条に地区管理委員会は選挙会を開き当選者を決定するという文句を挿入しなければならないね。
○嘉陽安春君 これは責任者は地区管理委員会であるという意味でしょう。そうなれば当選人の決定の所で地区管理委員会に於て選挙会を開きこれを決定すると入れますか。
○委員長(城間盛善君) 次は第四十八条に問題が残っています。繰上げ当選の期日の延長だがこの期間が現在は十日以内となっていますがこれを延長しなければいかんという意見があった訳です。○與儀達敏君 二十日に延長したら…。
○委員長(城間盛善君) そう致しますか。次の争訟だが本章に規定する争訟の判決は事件を受理した六十日以内にこれをするように努めなければならないというように決めてありますがこの旨の規定を新に設けて貰いたいということになりますね。次に第五十条の第三項だが決定に不服あるものはの次に「決定の通知を受けた日から十四日以内に」を挿入して下さい。原文にはあったかも知れませんが英文を調べてあれば棄てればいい訳です。それから第五十二条にも誤りがあるですね。
○嘉陽安春君 第五十条と第五十二条は重複していると思う。又第七十四条の場合の規定が欠けているから誤りではないかというようないい方なんですがどのように表現したらいいかな。
○吉元榮光君 英文を見てから口頭で軽くいった方がいいじゃないかな。
○委員長(城間盛善君) そうしましょう。次は第五十五条の事務所の問題ですが五個所でいいですね。どうですかこの選挙運動は公営とも関連するからそれとくっつけて後にまわしましょうな。
○嘉陽安春君 選挙運動と公務員の問題は…。
○委員長(城間盛善君) そうだね。その意味の進言をするということはこの前の委員会で決っていますがそれだけを選挙運動の所で取上げて後は公営の所でやることにしましょう。新しいプリントの選挙運動の第一条は…。
○田畑守雄君 当日の運動はどうなりますか。
○委員長(城間盛善君) これは後ではっきりさせましょう。第二条は…。
○嘉陽安春君 第二条の第三項さえ認めれば後は現行通りでいい訳だ。
○田畑守雄君 五個所では少い。絶対出来ないよ。しかし一人一個所と限定するなら賛成だ。
○吉元榮光君 そのままがいいじゃないか。
○委員長(城間盛善君) 次の第三条はこの前にもありましたね。次は第四条。
○田畑守雄君 厚生委員というのは現在の何ですか。
○與儀達敏君 これは削除々々。
○委員長(城間盛善君) 公安委員はどうですか。
○與儀達敏君 禁じた方がいい。
○委員長(城間盛善君) 第五条、これは…。
○與儀達敏君 現行通り…。
○委員長(城間盛善君) 第六条の戸別訪問の禁止は。
○大濱國浩君 これでは範囲が狭いから群島選挙法通りがいい。
○委員長(城間盛善君) 第七条の飲食物の提供はどうですか。
○嘉陽安春君 これは群島選挙法にはなかったね。
○委員長(城間盛善君) これは少し範囲が広すぎはしませんか。買収の禁止だけでいいじゃないか。
○田畑守雄君 それでいいですよ。
○委員長(城間盛善君) 第八条はどうですか。気勢を張る行為の禁止は警察当局からも禁止の要望がありましたね。
○與儀達敏君 当局も識別が難しいからだろう。
○委員長(城間盛善君) 実際取締るとなれば判定は難しいからな。
○田畑守雄君 しかし一応は入れておかんとならんだろう。
○吉元榮光君 これはこのまましておいて警察の判定にまかそうか。
○嘉陽安春君 群島選挙法の第八十六条でいくかこの第八条でいくかの二つだ。
○委員長(城間盛善君) このままにしておきましょう。選挙運動の所ですが選挙当日の運動の禁止を明示して貰いたい。
○吉元榮光君 時間の制限はどうなりますか。午後十一時から午前六時までは禁止した方がいい。
○委員長(城間盛善君) その間は候補者の氏名を連呼を禁ずる規定を設けてほしい。次に公安委員の選挙運動を禁ずる規定を加えて貰いたい。これはいいですね。次に公務員法を制定して公務員の身分を保障し…。
○與儀達敏君 ちょっと待って下さい。この問題は公選後に譲った方がいいじゃないか。
○大濱國浩君 私も公選後が賛成だ。
○嘉陽安春君 しかし示唆しておく必要はあるでしょう。
○與儀達敏君 公選された議員が出て来て基本法と関連して公務員法をつくった方がいいと思うね。
○委員長(城間盛善君) 公務員の選挙運動に一定の限度を設ける必要があると思うという程度は…。
○田畑守雄君 今度の答申は選挙に関することだからそんな事はやらない方がいいじゃないか。
○與儀達敏君 僕達が進言すればすぐ布告で来ると思うな。なるべく布告は避けたいよ。
○委員長(城間盛善君) そんな事はないでしょう。
○與儀達敏君 今では各群島ばらばらのものしか出来ないからそれよりは恒久政府が出来てから一本に纏めてつくった方がいい。
○嘉陽安春君 この問題は立法院で取上げねばならない時期に来ているんじゃないかな。
○田畑守雄君 次の議会で公務員法を制定してほしいという進言はしたくないね。結局触れるか触れないかという問題を解決した方がいい。
○與儀達敏君 統合した後に全琉のものを考えようじゃないか。
○嘉陽安春君 公務員の性格について根本的な規定がないものだからいろいろな問題が出てくる。
○田畑守雄君 それは確かにある。
○嘉陽安春君 だからその意味でそろそろこの辺でぴちっとした方がいいと思うな…。
○委員長(城間盛善君) 今制定して悪いという理由があるか。
○與儀達敏君 公選議会でやっても遅くないと思うな。
○委員長(城間盛善君) 行政府では今やろうとしている。この検討は公選議員でなければ出来ないとなれば我々は出来ないという事になる。
○與儀達敏君 我々がやって悪いという事はないが公選議員が出てからその時慎重にさせた方がいいという訳だ。
○委員長(城間盛善君) 我々は公務員法は制定しないという訳か。
○與儀達敏君 そう早急な問題ではない。
○委員長(城間盛善君) それには反対だ。例えば中央政府の職員にしても何の規定もなく採用される事になる訳だ。
○嘉陽安春君 公務員法についてこれを出すか出さないかという問題だがもうそろそろ整理してもいい時期だ。市町村選挙法、群島選挙法、参議選挙法とあるが公務員と選挙との関連の原理が一貫していない。それをそのまま不問に附する訳ですか。
○與儀達敏君 不問に附するという訳ではないが後半年ぐらい待てば出来るようになるよ。
○大濱國浩君 公務員法を作るのはいいが実施の時期が問題だ。
○吉元榮光君 だからメッセージが来たら中央政府に適応したものを作ってそれを群島政府にまで及ぼす恐れがあるかないかという事が問題になる訳だ。
○委員長(城間盛善君) 民間側からの或る運動によってひょっとしたら群島職員の身分保障なしに選挙運動だけを禁ずるという指令、布告が出ないとも限らないという事だけをはっきり申上げておきます。ではこれで午前中の会議は終りたいと思います。
(午後零時五十分閉議)
本日の出席者
委員長 城間 盛善君
委 員 嘉陽 安春君
〃 大濱 國浩君
〃 吉元 榮光君
〃 田畑 守雄君
〃 與儀 達敏君
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