- 組織名
- 琉球臨時中央政府立法院
- 開催日
- 1951年09月11日
(昭和26年)
- 会議名
- 立法院参議公選特別委員会 1951年9月11日[1]
- 議事録
- 立法院参議公選特別委員会議事録
一九五一年九月十一日(火曜日)
午前九時開議
○委員長(城間盛善君) これから立法院参議公選特別委員会を開催致します。
本日はこの特別委員会がルイス准将から指示されました立法院の参議公選の計画案これをまとめるために郵政当局に伺わなければいけない問題がありましたので御足労をお願いした訳であります。
この特別委員会と申しますのは今度の立法院参議公選の計画案を作るための起草委員みたようなものでありますが、色々の参考資料を集めましてそれによって答申案を起草して最後的決定のうえ、ルイス准将に提出することになっております。既に御承知のことでありませうが指令第五号にあります。証人をお喚びして証言を求め得るという規定がありますので本日御足労をお願いした訳であります。
お伺いしたいのは選挙運動に於きまして色々候補者から有権者に対し文書の発送、若くはこれが公営になりました場合に選挙管理委員会なりからの選挙関係文書の送付、こういった面をこれを直接扱っておられます郵政局ではどういう風にお考であるかということをお聴きしたいのであります。これは戦前も行っておりましたし、現に日本でも行っているようでありますが、文書の発送にも二通りある。一つは選挙公営という意味での選挙に関する色々な文書、例えば候補者の氏名、履歴、政見、そういったものをまとめて選挙人に知らせるところの選挙公報の発送或は又挨拶状の発送、こういったことが実際面に於ても戦前も行われておったし、日本に於ても現在やっているが今の琉球としてはこれをどういう風に考えているか、又どの程度に出来るかということをお伺いしたいと思います。
○郵政局長(平川先次郎君) 国家的な大きな立場から考えましてどうしてもやるべきものだと考えておりますが、ただ然し執行面に於て現在のままでは非常に困難がある訳です。というのは住所が-私達も極力市町村に連絡をとってお願いしておりますが-雑然として誰が何処にいるか分らない、門札を掲げるように勧めるけれどもなかなか出さない。それでやるにしても私の方は相当骨を折って、又これにはどうしても予算が伴う。どうしても現在員では出来ないのです。一時に郵便物が殺到して来ますから、日本でもそういう場合には別個に臨時費を認めて貰って臨時傭人というものを使って、又内部の仕事をするにも臨時雇員を使って処理して来たが、そういった場合にはどうしても予算の承認ということをしていただかなければ折角やっても不徹底になり、間違いだらけになったりして何にもなりませんのでね。やるとして、私の方の希望は予算が伴うということを申上げたいと思います。それから選挙区がどういう風になるか分りませんが、その発送の範囲によっても予算が違って来るのではないかと考えますが田舎の方は割合いいのですが、一番困っているのは那覇です。僅かしかない郵便でも一日中かかって探し廻っている状態で非常に困っておりますが、果してやるにしてもスムースに行くかどうか懸念しております。
○委員長(城間盛善君) 今おっしゃる予算、これは当然でありまして、郵便物が無料ということになりますと、当然予算が伴っての話であると思いますが、又予算がなければ出来るものではないと思います。必要な予算を伴うものということを前提にして考えております。
○郵政局長(平川先次郎君) それは制限はない訳ですか。例えば一回だけとか、二回とか…。
○委員長(城間盛善君) 何らかの制限は設けなければいかんと思います。例えば日本では選挙公報を送る、葉書の挨拶状は一回という風になっているが、そういう制限は設けなければいかんでせう。第一予算と関係がありますから、ところで予算は必要な分はあるものと考えまして、今おっしゃるように住所が非常に分りにくくて困るという、その方面は何か解決するいい方法はありませんか。例えば公報の場合ですと、日本の場合は世帯単位に配布しておりますね、各世帯に一部という形でやっているらしいのですが…。
○郵政局長(平川先次郎君) そうなれば市町村と協力して、例えば区長とか班長そういう人の協力を得て出来るだろうと私は考えております。相当骨は折れるのですが、どうしてもそういうことにでもせんと、自分の班にいる人の名簿を班長に作って貰えば出来ると思う。
○郵政局(中地弘英君) もう一つ参考になるのは、眞和志には以前の二中前と今の二中前の二つがある。樋川も二つありますし、行政的に那覇近郊を直して貰えば、こういう混同はいくらか緩和出来ると思います。
○委員長(城間盛善君) 住所の問題が一番配布の場合に困ると思うが、結局門札を掲げないはっきり標識がないというのが一つと、それからもう一つは戦後の落着かない社会情勢のために絶えず転々としているということがある訳ですね。
○郵政局長(平川先次郎君) そうです。
○委員長(城間盛善君) 今おっしゃるように市町村当局殊に区関係の色々の機構を利用するとか隣組を利用するとかいったような方法でもとれば兔に角出来るという見通しがつけられる訳ですね。
○郵政局長(平川先次郎君) 相当骨は折れると思いますがやれます。
○大濱國浩君 この仕事に手をつけられるとすれば大体臨時にどの位の予算がいるのでせうか。
○郵政局長(平川先次郎君) 有権者はどの位おりますか。選挙区によっても発送する部数そういうものから割出して見んと…。
○田畑守雄君 班長、区長に協力をお願いするということはどういう風な面ですか。
○郵政局長(平川先次郎君) 郵便局があらかじめその班の中の地図を作って貰って、この番地に誰々がいるということを作って貰う、こういう風な協力を求めてやらんと郵便局が自分で探し廻って配達するということは到底出来んだろうと思う。それから出来れば各個人の門札を出して貰う。門札さえ出して貰えば随分楽になるのです。聞いて配達するとなると聞くだけでも大変ですよ。
○與儀達敏君 離島はどういう風になっておりますか、連絡は、離島航路に補助か何かやって定期的に…。
○郵政局長(平川先次郎君) 今の所は各離島の船と運送契約をしてやっております。今度群島政府が補助金を出すという話でありますが、私の方では補助金を出す条件としてそれには必ず郵便を積むというような条項を入れて貰いたいという申入れをしておりますが、まだ実施はしていないようです。
○與儀達敏君 一週に一回位は行きますか。
○郵政局(中地弘英君) 各離島は平均月四回位行っております。
○與儀達敏君(ママ) 従来の経験から申しますと、あの選挙人名簿と対照して-一人に二通あってはいけないので-確実に確めてから出すのですから、引受の場合手数がかかります。
○與儀達敏君 そこは選挙管理委員会で責任を持つはずですから。
○郵政局(中地弘英君) 恐らく今までの何十倍かになる筈ですから、それ相当に人間を雇えば…それにしても三日では恐らく出来んでせうね。
○委員長(城間盛善君) 予算についてでありますが、これがどの程度の文書を発送し配布するかという予想がつけば一つ面倒でもおよその予算の見積はお願い出来ますか。
○郵政局長(平川先次郎君) それは出来ませう。一応計算して…。
○嘉陽安春君 それと同時に候補者自体でも区分をして持って来ませうし、そういう事務的な面は候補者自体にも整理させてやってもいい訳でせう。
○委員長(城間盛善君) 離島で心配になるのは大東島ですがあれは沖縄群島に属しているが、選挙期間が仮に二十日とした場合うまく出来ますか。
○郵政局長(平川先次郎君) 私の方から船を傭うことは出来ませんが--現在の郵便の運行を利用するというだけであって--そのために船を私の方から出すということは考えられません。そこは難しい問題ですね。
○委員長(城間盛善君) 現在は大体どの位…。
○郵政局長(平川先次郎君) 一ヶ月に一回位あるかないかの程度でせう。そういう時には政府の方で特別に船を出すとかいうことをやって貰えばいい訳ですね、選挙費用に織込んで…。
○委員長(城間盛善君) 費用は選挙区の大小によっても変りがありませうか。
○郵政局長(平川先次郎君) 大した違いはないでせうね。
○委員長(城間盛善君) 沖縄の場合、沖縄一円の選挙区とした場合と、中南北部と分けた場合…大体同じ位じゃないですか。
○郵政局長(平川先次郎君) 臨時に人を雇う場合、国頭では安く使えるのだが、那覇では安く使えんということが起って来る、多少そういう違いは出て来る訳です。
○委員長(城間盛善君) お忙しいところを有難うございました。予算の見通しにつきましては計画案が出来ましてからお願いするかも分りませんのでよろしくお願い致します。
(午前九時三十分閉会)
出席者
委員長 城間 盛善君
委 員 與儀 達敏君
〃 大濱 國浩君
〃 田畑 守雄君
〃 嘉陽 安春君
(証人)
郵政局長 平川先次郎君
郵政局 中地 弘英君
上へ戻る