- 組織名
- 沖縄諮詢会
- 開催日
- 1945年11月26日
(昭和20年)
- 会議名
- 諮詢会協議会 1945年11月26日
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- 議事録
- 諮詢会協議会 〔食糧・産業・教育・他〕
十一月二十六日(月)午前九時。
出席 志喜屋、又吉、當山、仲宗根、平田、山城、仲村、前門、大宜見、糸数、安谷屋、比嘉、松岡、仲村の諸委員。
公用他出 護得久委員(知念行)。
協議事項
松岡委員
他地区から人を呼寄せるには軍政本部を通し軍政本部は地区隊長の了解を得、許可を得た後呼出す事が出来る説明をなす。
大宜見委員
辺土名の事情調査のため本日仲宗根部長の書記を遣る積りであったが取止めにした。食糧問題は車六台を以て運んで居るとの事である。
松岡委員
三〇人を水産機関の養成に廻したい。
安谷屋部長の所に家具科等を置いて工業学校在学生徒を救はれたら如何?
比嘉委員
トラクターの運転手を松岡部長の所で養成して貰いたい。
松岡委員
運転手の中から体格のよい者を選んで三日間講習をしたい。
糸数委員
1、軍政府から二十四隻を払下げ直ちに漁業に従事することになってゐる。
三〇馬力程の船である。
2、エンジンボートと同じ様な船。
3、綱は約四〇〇〇箱来るが其中四〇〇箱は来てゐる。
其外漁具も来てゐる。
物品の配給は軍政府から下士官へ下士官から部長が受け取って配給する事になってゐる。
4、造船は本島松を以て造ると同時に座礁舟や山原舟を修理せんとす。
5、造船の設計もやる。
仲宗根委員
耕地少なきため水産業を盛んにしたい。水温や風向等の関係から沖縄近海に魚の集る所を研究して置かれたい。
(糸数委員公用他出)
知花委員
労務部につきて報告。
軍政府から又家庭工業についても調べよとのことである。
職業調べは移動後でなければならないとのことで課長会議で決まり十二月中に調べることになってゐる。
本島の可働者は十一、二万人で其中病人、妊産婦等も居る。
大宜見委員
保育所を社会事業部と連絡を取ってやる考へで居る。
松岡委員
工務課長会議での話だが大工にして名乗る者は1/10程であると。
それで期日を以て大工の登録をなし、若し其時登録せざる者は、賃金制度が行はれた時、申出でをなしても其者は三等賃銀を支払ふとの案を持ってゐる(又吉委員賛成)。
知花委員
大工の件は労務部でも調べる。
大宜見委員
本島に医者は六四人、歯科医一九人居る。
元の町村に還元す。適性なる医師の配慮をやる考へである。
病院の計画だが、宜野座、田井等に患者一〇〇人の収容。
コザには五〇〇人の収容病院を計画してゐる。
病院の医師は院内患者のみの診療に当り、外来患者に対しては医者を別個にしやうと考へてゐる。
當山委員
病院は院内の患者のみにして、外来患者は外来患者の医師と別個に別けると医師は間に合ふか。
大宜見委員
間に合ふやうである。
前門委員
簡易裁判の機構についての説明をなす。
仲村委員
警察幹部養成の細目につき報告をなす。
山城委員
学校職員任免の件。
移動の関係から学校職員の任免は市長と地区隊長とでやって置いたら如何でせう。
又吉・仲宗根両委員
当分已むを得ないでせう。
山城委員
男女共学の件につき。
初等科は共学でやり、ハイスクールも方針としては共学にしたい。
仲村委員
戦前の道義と戦後の道義とは異ってゐるが男女共学は如何でせうか。
當山委員
男女共学に賛成を説く。
山城委員
校舎は一線の建物を使用したい。
学童の被服を要求されてゐるが其案を仲宗根部長にお願ひしたい。
平田委員
車は月水金の外に本部半島に火木(古知屋―名護―田井等―本部へと)。
乗車申込みは記入の上されたい。
松岡委員
ストリート少佐に呼ばれて海上輸送はどうなってゐるかと問はれたがハセ中尉が帰へって来たら平田委員から話されて貰いたい。
北緯30度以内は沖縄軍政府の管轄に入ってゐることになってゐる。
仲宗根委員
大島、先島に見舞として品物を送ることになって居る。
今日まで各市に贈った品物のトラック台数を報告す。
又吉委員
他地区から正式でなく石川市に来た者を救済する方法はないか。
仲宗根委員
市の社会事業課長と話をして見ませう。
(午后二時より)
軍民協議会
軍政府 コールドエル大尉臨席。
軍政府
伊平屋から三週間前に二三人の視察員が石川市に来て居るが知らないか。
明日の市長会は何々の件で集るか。
誰の催しか。
志喜屋委員長
多分推察するに移動の件だらう。
バークマン石川市隊長と石川市長の催し。
軍政府
コザ市が前原地区から隊長の許可なく教員を招聘したことがあるが。
村行政の件だが之はコールドエル大尉の腹案で一時的である。
此案は暫定的なもので諮詢会以外には漏さゞる様に。
現在の市組織は村の組織に移す中間の暫定的な組織である。
元の通り村を希望をするや否や。
(全委員、希望す)
暫定的で外には漏すな。
此の指令の目的は地区隊長をし移動の期間中住民の政治をなさしめ、同時に戦前の地方行政の基本単位として準備をなしつゝある。
村行政の再建設に向ひ地区隊長は次の如き方法を以て進むものとす。
a、村が正確に再建設された場合には其行政は次のものによってなされる。
1、軍政府の命ずる前村吏員を再び任命す。
2、新らしき村の吏員を任命す。
之等の役員は軍政府が新らしき選挙を見るまで。
b、一つの村の単位として認められない程の人民しか見られない時は其村は隣村に組入れらる。
上に述べたa、b、に該当しない場合は地方隊長は出来るだけ速に建設が出来ることを念頭に於て必要な地方行政をなすものである。
例へば漢那、宜野座、古知屋の三市は元の金武村を念頭に於て村を作る。
知念市は数個村からなってゐるが元の村になる様に地方行政を行ふ。
c、結局全地区隊長は現在の市を村行政に固めて行く様な行政を持つか或は地方の事情に即応する様変更修正する権限を与ふ。
d、村其他の選挙は軍政府から明かの命のあるまでは施行されない。
結局移動しても選挙は行はれず全部移動してから選挙を行はしむ。
此の暫定的な村行政に於て現在の吏員は元の村に還元した時の吏員になることを得。
地区隊長の任命の心得として。
任命に当りては戦前及現在の社会的地位を考慮すること。
詳細な指示は一九四六年一月一日後に於て一般的に実施されるであらう。
地方行政の機構の指示事項を出す。
次に示す村行政の輪郭は暫定機構の手引きとなすものである。
A、村の役員は村長、助役、主任、書記を以て構成す。
其人員は村長一人、助役一人、主任及書記は地方行政に必要だけ。
B、各村は更に字に分割し其境界は成るだけ従前の境界を以てす。
軍政府(コールドゥエル大尉)
之に対し皆様の御意見を伺ひたい。
當山委員
読谷山、北谷、浦添等はどうなるか。
軍政府
出来るまでは現在のまゝにして置く。
糸数委員
現在の市会議員は移動したらどうなるか。
軍政府
移動して行く時は辞めて行く。
仲宗根委員
大浦崎や田井等から本部半島に住民と共に移動した市会議員はどうなるか。
軍政府
役について来た者は移動先の地区隊長の任命によるものである。
比嘉委員
那覇の住民が那覇近くに移動したい希望をもってゐるが出来るや否や。
軍政府
那覇は出来ない。第二次計画でなければ分らない。
元村長を任命する建前だが而し軍政府の命ずるものでなければならない。
此の暫定機構は村会の必要を認めない。
選挙が実施さるれば効を奏することになる。
村会議員は兼務することを得。村会の日のみ協議して後は別の仕事が出来る。
此案は計画中だから絶対秘密にして貰いたい。
(全委員、以上の案に賛成す)
軍政府
何故臨時処置をしなければならないかと云ふと、地区隊長から現在の市が散って統制が取れなくなるため如何にすればよいかとのヒントを得たため此案を計画中である。
又吉委員
美里村は前原と石川に亘って居るが元の村に還へすや否や。
軍政府
市があるから然なって居るのであって市がなくなると元の村に当然還へす。
村の境界線も出来るだけ元の通りしたいが出来ざる所は御了承したい。
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