戦後初期会議録

組織名
沖縄諮詢会
開催日
1945年10月24日 
(昭和20年)
会議名
諮詢会協議会 1945年10月24日 目録詳細 画像を見る
議事録
諮詢会協議会 〔移動問題・他〕

  十月二十四日(水)午前九時。
  出席  志喜屋、又吉、松岡、仲宗根、糸数、平田、前門、護得久、大宜見、知花、安谷屋、當山、比嘉。
  公用他出  山城。 病欠 仲村。
協議事項
 護得久委員
  一、会議内容が漏洩する恐があるから会議室を別個に作って貰いたい。
  二、会議中は訪問客を断ること。
 大宜見委員
  衛生部の書記として又吉氏を紹介す。
 委員長
  各部の書記を採用する時は事前に諮詢会の承認を得るや否やにつき三日後に決定す。
 委員長
  チャカ大尉の話及ストリート少佐の話を総合し、又昨日の市長会議に於てハセ中尉の話を聞くと中央行政府構成の進捗は早急に出来兼ぬる事と思ふが如何?
  若し進捗が急速でなければ各部の仕事のやり方、方向を変へるや否や。
 松岡委員
  内所であるが産業から先にして生活する様にせよ。
  働かすには如何にすればよいか。
  中央機関は今の所先にする必要はない。
  ストリート少佐も現状の生活を知ってゐる。
  本日其れにつき話してやることになってゐる。
 當山委員
  各部落に帰へって生産したら如何。
 又吉委員
  ストリート少佐が産業を興してやることが最もなことゝ思はる。
 當山委員
  ストリート少佐の話は賃金なくとも如何に働すかと云ふことにある。
 比嘉委員
  衣食と云ふことを解決しなければ何事も出来ない。
 前門委員
  自治を与へて呉れと希望し、而して米国の補助を受けながら或程度のものは自治で出来ると思ふが。
 糸数委員
  行政を運用することは許された方がよい。沖縄の事情を知ってゐるのは其の地の人である。軍政府下に許されるなら行政的観点から統制を必要とす。
 又吉委員
  ストリート少佐の話は生産方面を先にするとのことゝ聞ひた。
 仲宗根委員
  現在のまゝで通貨を持って来たら大変なことになると思ふ。
  先づ移動を先にした後でなければならぬ。移動をして住民を落着かす。
 委員長
  移動を先にして各部が如何に活動するかを考へることである。
  (例せば移動に伴ふ時医師の配置は如何にすべきか等の如く)。
  之に全力を挙げることにしやう。
 護得久委員
  元住所に移動できぬ所の住民の居所も考慮したら如何。
  (例せば中城村の一部の如き)
 仲宗根委員
  今帰仁・本部の移動先の協定につき説明す。
 護得久委員
  例せば移転先の見通しのつかぬ首里那覇の住民を如何に落付かすか、之を如何なる方法でやるか。
 仲宗根委員
  設営隊をして準備させ希望者をやり而して能働力のある自活性のある人を先にす。
 護得久委員
  首里那覇の移動は如何。
 仲宗根委員
  其所は考へて居ない。
  元住民を先にすること。
 松岡委員
  モードック中佐も元住所の住民より先にするとの事であった。
 安谷屋委員
  真和志、壺屋、糸満、兼城方面は出来るやうに聞ひたが。
此の時、ストリート少佐、コールドエル大尉、ハセ中尉臨席。
 軍政府
  質問はありませぬか。
 委員長
  少佐殿から斯くせよとお話を承って後に質問しませう。
 軍政府
  衣服の材料(糸、綿、敷布等)の民間のものを軍政府本部から地区隊長に配給す。
  焼物、バケツ、カナダラヒを地区隊長を廻はして配給す。
  最も必要を感じるものより配給す。
  地区隊長から市長に行くと。
  昨日の隊長会議で捕虜について各地区で引取人の名簿を作って来週から引渡す。出来るだけ早く名簿を作る事。
  軍政府の将校が経済について詳細に作る。将来の案を作りたい。当分の中通貨は物がないから危ない。
  沖縄で産出する物価を決める(当分の中必要なし)。
  産業が一番です。産業を先にして下さい。
  経済・工業が統一しなければならない。
  金銭をやる前に住民に如何にして希望をやる事ができるか。
 仲宗根委員
  住民が落付くべき所に落付いて始めて働く事が出来る。然すると現状の配給でも働く事が出来ると思ふ。
  通貨は物が出た後に必要と思ふ。
 軍政府
  働いても賃銀がなく、今日までの仕事は米等と交換して居る。若し物がなければ金銭がだめである。
  大切なことは物を作ることです。其時金が必要である。
 護得久委員
  働くには目標がなければならない(目標は金銭)。
 軍政府
  来春まで通貨は出さない。
 當山委員
  労務者の働き方は出欠により将来は賃銀が得らるゝとの希望で居るやうだ。
  軍政府では如何なる計画があるや否や。
 軍政府
  何所で約束したか。
 當山委員
  各地区の隊長が賃銀をやるから出席記入し置けとの所もあるので労務者は将来貰へるものと考へてゐる。
 軍政府
  今明日より全島に亘り元通り食糧を配給す。
  移動を明後日から開始す。
  遠方は車を用ひ、近い所は歩行す(病人の外)。
  知念から始める。
  戦闘部隊の許可を得る事である。軍本部で監督す。
  地区の隊長が物を監督し、命令しなければならない。
 護得久委員
  知念方面の移動につき首里那覇の住民は知念に住居させる事にしたい。
 仲宗根委員
  将来首里那覇は帰へる事が出来るか。
 軍政府
  未決定である。今の人口は首里那覇の人口は元の約40%でせう。
 仲宗根委員
  本部・今帰仁は新しい地区になるや否や。
 軍政府
  田井等地区になる。
 仲宗根委員
  市長会議でお願ひがあった事には配給物は数量が分り、及早く配給してくれと。
 軍政府
  係将校に話す。
 委員長
  例せば百の品物を送ったら百届かない事があると注意する様お願したい。
 委員長
  テントでも借りて協議所を作りたい。何故なれば秘密の漏れない様にしたい。
 軍政府
  今の事務所は会議室とし書記の為めに事務室をテントで作る。
 當山委員
  各地に行く労務者の話によると一線部隊では、テントや其外のものを焼いていると。焼かさない様にしたい。
 軍政府
  陸海軍の係の人と会って話した。
 仲宗根委員
  これから北風が強くなって来て荷揚が困難になるから食糧の準備をお願ひします。
 軍政府
  食糧係に話します。
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