戦後初期会議録

組織名
沖縄諮詢会
開催日
1945年09月21日 
(昭和20年)
会議名
諮詢会協議会 1945年9月21日 目録詳細 画像を見る
議事録
諮詢会協議会 〔選挙〕

 九月二十一日(金)午前八時。
 出席 志喜屋、松岡、當山、平田、知花、糸数、安谷屋、仲宗根、又吉、比嘉、大宜見、仲村、前門の諸委員。
 公用他出 山城、護得久、両委員。

協議事項
 選挙用紙は二十二日国頭方面より配布すること。
 二十日の選挙視察報告。
 知花委員
  瀬嵩方面では重病人を担架に乗せて行きをった。
  ポスターが投票場近くに貼られてゐた。
  女子も元気よく投票してゐた。
  各地区とも殆んど棄権者は少かった。
 糸数委員
  惣慶では投票場を開放(隣りとのし切りなし)してゐた。従来の場合なら違反である。
  事務指導の必要あり。
  投票所の近くに候補者の貼札があった。
  古知屋は狭い所に投票所があった。
  投票所の門札が一定されてゐなかった。
  代筆をさせた為めに活気を呈してゐた。
  モードック中佐は担架担ひの四人は親類か班の人か候補者が出したかとの質問があった。
 大宜見委員
  前原は二十五人の定員に対し候補者三十人。
  投票場は活気を呈してゐた。
  女子が隣りの人の書くのを見て居た。
  知念は有権者割当の形跡があった又配給停止の干渉があったと。
  現職員は立候補して居なかった。
 當山委員
  石川市に於ては一人代筆者が二、三人ものの代筆をして本人の意志に反した件があった。
  市長選挙の時注意すべき点。
   1、投票場門札の一定。
     石川市市長選挙投票所
          第一分会場
          第二分会場
   2、ポスターは
      市長候補者 何 某
         責任者 何 某 検印
   3、三人の候補者氏名は抽選又は「イロハ」順にするか。
   4、開票所は一ヶ所にすること。
   5、ポスターは投票所より一町以内には張らないこと。
   6、一定のポスターにする事。
モードック中佐、丸本中尉来会。
 選挙視察報告。
  1、ポスターが選挙場に近かった。候補者のポスターは投票所より一町以上離れた所に張る。
  2、投票所の門札が不定であった。故に之を一定すること。
  3、候補者のポスターを一定したい。
  4、瀬嵩は数個所で開票してゐたが市長選挙の時は一ヶ所ですることにした。
  5、女子参政権を実行したため活気を呈し代筆者ある為め棄権者が少かった而し代筆者ある為め疑点が起った。之を防止せんとしてゐる。
 軍政府
  巡査にさせるよりも投票の秘密はなくなるから立会人にさせよ。代筆は自分の子供にさせたら如何。
  瀬嵩方面では担架の病人が投票したが歩行の出来る者の以外は棄権をさせたら如何。
 軍政府
  投票は自由意志によるから自由意志なら担いでもよいから自由意志を尊重せよ。
  投票所の区切りがなかった所があった。今後は之を注意した。
  投票箱を立会人が開けたが今後は之を注意す。
 軍政府
  以上の感想を聞いて感謝した。
 軍政府
  福山、惣慶では長時間を取ってゐた。投票所を数ヶ所設くること。
 大宜見委員
  1、ポスターが投票所に近い。
  2、投票所が少ない。
  3、投票所の受付が少ない。
  4、警察員が選挙に対し一般に無知識である。故に警察機構の整備を早くやって欲しい。
  5、女子の棄権者が多いと思ったが予想外に好成績であった。
 委員長
  期間が短かった為め準備が行届かなかったと住民は云ってゐた。
 軍政府
  同感であった。
 委員長
  従来に比し真摯で乱暴等のこともなかった。
 糸数委員
  軍より地区の隊長に開票所を一ヶ所に設けよと通知して貰いたい。
 軍政府
  投票用紙配布の時伝へる。
明二十二日(土)午前八時半開会。
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