戦後初期会議録

組織名
沖縄諮詢会
開催日
1945年09月20日 
(昭和20年)
会議名
諮詢会協議会 1945年9月20日 目録詳細 画像を見る
議事録
諮詢会協議会 〔県庁及執行機関〕

 九月二十日(木)
国頭郡、東西両海岸地区方面視察
 糸数、知花、志喜屋、三委員。
南部地区方面視察
 護得久、大宜見、両委員。
  公用他出 山城、當山、両委員。
  出席 又吉、松岡、仲村、安谷屋、前門、仲宗根、比嘉、平田。
協議事項
 県庁及執行機関につき。
 執行機関の機構。
 比嘉委員
  1、市長選挙の如く候補者を選定するや。
  2、一人の知事にするか数名の委員にするか。
   私としては知事一人にした方が執行機関として仕事がやりよいと思ふ。
   部課は今日のやうであったら多いから減じたいと思ふ。
  3、知事の権限を広くして貰いたい。
  4、沖縄の建設に米国が経済上の援助を充分にやるや否や。
  (3)、(4)はデリケートな問題である。
 仲宗根委員
  一人の知事にするか委員制にするかを審議したい。
 仲村委員
  一人の知事制にして参与を置いて補佐させたい。
  一人知事が仕事は迅速に捗る。
 前門委員
  知事の権限及仕事と財政問題との関係は如何になるか。
 仲宗根委員
  其件については米国も文化を高めんとする筈だから心配はないと思ふ。
 松岡委員
  米国の宗教団体及其外の団体が沖縄に来て現状を視て行って国内に於て与論に訴へるから心配はないと思ふ。
 前門委員
  司法について裁判の判決も米国の干渉にされたら困る。
 又吉委員
  米国全体に影響しないものは大抵与へると思ふ。
 仲宗根委員
  前門委員に研究して貰いたいことは米国人が将来沖縄入国の場合住民と悶着等及家宅侵入等の行為ありたる場合如何にするか。
 又吉委員
  米国の憲法を調べて沖縄の自由についても憲法を作りたい。
 前門委員
  米国の憲法の骨子を松岡委員に翻訳して貰いたい。
 松岡委員
  布哇に於ける判検事は日本人にして公平にやってゐるから沖縄に於ても心配はいらないと思ふ。
 前門委員
  執行機関及自治行政は現状か将来を見通してやるか否か。
 又吉委員
  米国の状況は改善々々と来て居るから心配はいらないと思ふ。
 仲宗根委員
  知事、副知事を置き、委員を置いたら如何なるものかと思ふ。委員数も多数はいらないと思ふ。
 又吉委員
  内容を委員制度にして決定権は委員長に与へること。
 比嘉委員
  今日まで日本の知事は浮草生活で転々とし其後の責任は野となれ山となれで無責任であった。
  吾々の今度の知事は然るものでなく辞めて後も責任を持たすやうにしたい。
 委員の選び方。
 又吉委員
  知事は複選にしたら如何。
 委員候補者の選挙。
 前門委員
  選挙人は人口比例にしたら如何。
 又吉委員
  人口比例にすると不公平の恐れあり。
 前門委員
  県会議員に知事選挙を与へるか外に選挙する機関を置くか。
 仲宗根委員
  市長、市会正副議長、県会正副議長と一般は人口率にしてそれと同数の候補者を選び委員十五人の連記投票にし五人も連記投票にして一般に投票させる。

 午后二時開会。
  出席 又吉、松岡、仲村、平田、仲宗根、安谷屋、比嘉、前門の諸委員。
協議事項・午前の引続き。
  又吉委員
   県会議員の数は何人にするか。
  仲宗根委員
   従来の二、三倍程度は如何。
  仲村委員
   従来の三〇人では如何。
  安谷屋委員
   多いと運用上は如何になるか。
  前門委員
   上院の如きものを置いたら如何。
  仲宗根委員
   下院は一般投票、上院は市議県議の選挙。
   仮称 議政院(上院)
      代議院(下院)
   代議員の選び方。
    選挙区―地区と人口によって分ける。
    人口五〇〇〇人につき一人の代表者とし五〇〇〇人未満の地区は一人を選出すること。
    (現在の人口では六十五人)。
   議政院は学識経験の老練家、専門的知識を以て政治を議し得る人。
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