戦後初期会議録

組織名
沖縄諮詢会
開催日
1945年09月17日 
(昭和20年)
会議名
軍民協議会 1945年9月17日 目録詳細 画像を見る
議事録
軍民協議会 〔行政機構〕

 九月十七日(月)午前八時。
  出席 又吉、仲村、平田、護得久、松岡、志喜屋、糸数、安谷屋、當山の諸委員。
  公用他出 山城、仲宗根、比嘉、知花、大宜見、前門の諸委員。
  軍政府側 モードック中佐、丸本中尉。
 軍政府
  従来の府県政につき説明を乞ふ。
 糸数委員
  県庁の組織について説明す。
    知事
       _内政部
       _経済部
       _学務部
       _警察部
   各部の下に課を置く。
   外に知事官房。
  県会議員及其機能につき。
 軍政府
  1、知事に相当する役員を如何にして選出するか。
   任命にするか、県議の選定か、一般投票にするか。
  2、議会の議長を以て首宰とするか。
  3、此に対する回答は今希まない。重大だから。
  4、之に対し意見があれば聞きたい。
  5、代表機関と執行機関が必要である。
  6、執行に重きを置くのは色々の事を執行するに重要なことである故代表機関も過去の沖縄の県会よりも広範囲に亘る。
  7、代表機関及執行機関が出来たら諮詢会は消滅す。
  8、問題は立法機関・代表機関に執行機関を与へるか、別に与へるか。
 護得久委員
  知事の上に軍政府があって軍から知事になると色々の議決権に都合が悪いと思ふ。
 軍政府
  軍政府に責任を持つべき一人を置くか、委員を置くかの問題である。
  故に立法・執権両機関を設くること。
  米国の制度にすれば知事は一般投票である。
  英国の制度は議員が一人の責任者を出す。
  ロシアは一人の責でなく数名の責任になる。
  英米の差は、米国は立法と執行とは別々になってゐる。
  英国は立法と執行とが一つである。
  沖縄の風習に鑑みて立案して見よ。
 仲宗根委員
  先島列島・大島は沖縄になるか。
 軍政府
  それについては全然見当がつかない。
  知事を選ぶには一般投票にするか、代議委員の選挙にするかを考慮せよ。
  本日来た目的は確実的の回答を得る為でなく、只委員の意見を徴したい為である。
 仲宗根委員
  政党を解消したいが、解消しても年が経つと又政党が出来ると思ふ。
  其故に米大統領の如き制度を採るや否やを考へて見たい。
  日本の政治は政党政治であった為め短命で、事実上仕事の実行が出来なかった。故に大統領の如き制度を採りたいと考へてゐる。
 軍政府
  米国の経験からすると非常時は一致するが、之がなくなると不一致になる。政治上には然る傾向がある。
 前門委員
  裁判は如何になるか。
 軍政府
  県政が構成された後司法も決ることになるだらう。
  此の点に対しては纒ったことを聞くことでなく委員の大体の意見を聞きたいのである。
  軍政府下に於て中佐の予想では段々と出来るだけ委員が先になるやうにして貰いたい。
  故に中佐の予想として委員の考案するものが最後に整理することになるからそれに有効的に考案して欲しい。
 軍政府との協議会二十二日(土)午前九時。
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