戦後初期会議録

組織名
沖縄諮詢会
開催日
1945年09月06日 
(昭和20年)
会議名
諮詢会協議会 1945年9月6日 目録詳細 画像を見る
議事録
諮詢会協議会 〔地方行政緊急措置要項〕

   九月六日(木)午前八時半開会
   全委員出席
協議事項
 一、地方行政緊急措置要項案に対する審議
  又吉委員
   行政案を読揚ぐ。
   第一条より逐条審議に入る。
   中途より軍政府側来会。
 ○軍政府
   一、大浦崎は近き将来に於て本部半島に異動せしむ。
    臨時処置として瀬嵩・久志の地区に各自に移動せしむる様に。
   二、久志の東海岸に希望する者は移動し本部半島希望者は暫時待つこと。
   三、本部半島へ移動の方針では或は変更又は移動を長引くかも知れない。
   四、源原地区迄は移動してもよいが人口を調査して司令官と相談の上軍政府に於て決定す。
   五、本部、今帰仁は元の地元に帰へる可能性はあるが伊江島は其の可能性がないから他地区に移動させる。
   六、久志のフィズ中尉の話によると久志方面に収容地があるから伊江島の人民を久志に移したら如何と。
   七、島尻、中頭に移動地区が決定した時、何処の地区から移動せしめるかを考慮し置くこと。
   仲宗根委員
    各地区の希望者及其移動先の土地の住民を調査して置く。
   八、軍政府
    先日の質問の紙幣価値については住民が各地に落着いて後効力発生することにする。
   九、米国としては日本攻略は来年の三月と予想して居たが而し日本が早く降伏したので移動が早くなり為めに混雑を来す。
  一〇、戦争終局の結果自動車其他の資材が日本に移動される。よって沖縄は困る。
    沖縄へ向けて輸送されてゐた住民の被服類も日本へ回送される。其結果沖縄の復興計画も思ふ通り行かず。日本に材料送った為めである。

前日の協議を続行す。
  又吉委員
   仲宗根、大宜見両委員の中間を採って行ひたい。
    註・仲宗根委員は女子参政権に賛成であり、大宜見委員は女子参政権に不賛成である。
  市会議員の選挙は二十五才以上の男子及所帯主の投票によるものとす。
  女子参政権は未だ意を尽くしてゐないから全員に計る。
 軍政府
  一、小選挙区に分つ必要なきや。
  二、連記投票か。
  答・単記投票である。
 軍政府
  三、候補者の推薦は如何。(選挙法を早く作制せよ)
  四、立候補につき戦前の通り可なりや否や。
  五、自己立候補と推薦立候補との当選率は如何。
  答・近来は推薦候補の方当選率大なり。
  六、同点の場合は如何。
  答・年長者を以てす。
  七、市長市会の監督は諮詢会之をなすとあるのは如何。
  答・諮詢会は軍政府の意を体すの意である。
  八、米軍の編成に於て幕僚は師団、連隊を経て行く。其の幕僚は命令を下す権はない。
   沖縄の幕僚は相談役になることになる。
 前門委員
  諮詢委員会は相談役にして下級官吏を指導監督する権力無きや否や。
 軍政府
  米幕僚は専門機関となる。
  諮詢委員が市に施行させ、其れを施行しあるや否やを監督する権利あり(はっきりはしない)。
  警察署長とは如何。
 前門委員
  各市に署長を置き署長の権限は市長と隔離す。
 軍政府
  日本に於ては警察は中央機関であったか。
  警察は地方に委任したら如何。
 仲村委員
  現在の警察は未経験者及び警察の事情に無知なる者が居て却而住民に不安を与へてゐる。
 軍政府
  仲村委員に聞くと、
   一、中央から署長を任命する時、若し地方の民意を得んとする時に如何なる方法があるか。
   2、或程度は民意を得ることが出来ることが出来ないや否や。
   3、折衷案を採ることが出来ないか。
   4、仲村氏は係将校と早く会って欲しい。
   5、諮詢会は方針を立てゝ上申し、任命権はないと思ふ。
   6、係の将校と会って決定す。
    明日は午前九時半より開会。
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