- 組織名
- 沖縄諮詢会
- 開催日
- 1946年04月19日
(昭和21年)
- 会議名
- 諮詢会協議会 1946年4月19日
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- 議事録
- 諮詢会協議会 〔俸給表・事務分掌・県会・軍民協議〕
四月十九日(金)午前九時。
出席 志喜屋、松岡、又吉、比嘉、仲宗根、護得久、山城、糸数、大宜見、平田、當山仲村、前門、安谷屋の諸委員。
玉城、當銘両部長。
協議事項
當銘部長
俸給に対する説明。
護得久委員
最高級を二段に分けるのはいけない。
部長級。
銀行関係だが頭取は部長より一級下げて貰いたい。
大宜見委員
部長が七〇〇円になった理由は。
西平書記
古参、新参があるから。課長から部長に昇進する時等がある理由で。
大宜見委員
委員が部長になったからとて七〇〇円になるのはいけない。
護得久委員
大宜見委員の説明通り当分の所元通り如何ですか。
一部の委員
賛成々々。
志喜屋委員長
俸給は暫定的に元通りにして置きますか。
全委員
賛成す。
護得久委員
知事は一〇〇〇円に決定すと。
全委員
賛成す。
松岡委員
戦前の知事と部長との俸給の開きはどうなって居たかと軍政府から聞かれた時は如何?
大宜見委員
知事は俸給外に収入が多かったから。
山城委員
専門学校長及専門学校の専門を消す。
全委員
賛成。
護得久委員
銀行副長の級に支店長を入れる。
全委員
賛成。
比嘉委員
組合長は十一級から九級までおく。
全委員
賛成。
前門委員
五〇〇円と六〇〇円との間に五五〇円を入れて刻みたい。
仲宗根委員
安谷屋委員から男女老若の賃銀に差別をつけたいと軍政府に云ったら当分だから一様にせよとの事であった。
仲村委員
警視、地方警察署長を一段上げて貰いたい。
仲宗根委員
此案は之で承認したい。
志喜屋委員長
さうしませう。
安谷屋委員
社長も入れて貰いたい。
志喜屋委員長
社長を入れてよいか。
全委員
異議なし。
志喜屋委員長
此案でやりませう。
全委員
異議なし。
糸数委員
事務分掌の件。
元の県庁の事務分掌で行かうと思ふ。
松岡委員
住宅建設は工務部でやり、修理救済は社会事業でやりたいと思ふ。
各市町村に工務課があって莫大な人員が居るが之は町村の負担か、軍政府の負担であるかをワッキンス少佐に相談したい。
復興資金として町村にやるか又軍直属としてやるか之を諮りたい。
護得久委員
消極的と(一般会計)積極的との二本立にして、建築のものは軍政府に願ひたい。
それから行くと松岡委員の話は解決するのではないか。
只金額の問題である。
糸数委員
護得久委員の説に賛成。
復興部門を設ける程の重要なものである。
比嘉委員
農務部も莫大な金が入るので復興局や部を設けてやりたい。
護得久、糸数両委員の説に賛成である。
銀行のみでなく外資までも入れたい。
志喜屋委員長
各部共人件費を極小にしたいと思ひたい。
各部から提出してやるか、又は人員を決定してやるか。
大宜見委員
各部から提出してやりたい。
護得久委員
最小限度の人員を以て各部でやる。
部長が全責を以てやる。
大宜見委員
医師会に於て軍政府から人員を減ぜよと云はれた。
糸数委員
此際復興部を設くる必要はないか。若し出来なければ工務部を復興部と改名したら如何。
之は名義ばかりでなく、予算を取るにも必要であると思ふ。
参考にまで申上げて置く。
仲宗根委員
各部に復興があるから各部から復興委員会を設けたら如何。
安谷屋委員
糸数委員の説に賛成。
各地まちまちにやって居るから復興局の設立を必要と思ふ。
志喜屋委員長
護得久委員は平常費と臨時費とを分けると云って居るが。
護得久委員
各部から復興に関する予算を提出して貰いたい。
一応案を出して後話を進めたい。
安谷屋委員
総合的計画を立てる必要があるため復興局を置きたい。
當山委員
各部復興があるから別に復興局を置かなくてよいと思ふ。
沖縄復興とは云はずに建設と云ひたい。
志喜屋委員長
松岡委員の質問に対しては直営にすると決まった。
糸数委員
一、県会議員を各部に委員制を設けては如何との意見もあったが如何?
一、右の委員制がなった時県会議員の待遇をして貰いたい。
其の待遇を諮詢会と同一にしたいと。
仲村委員
県会議員を各部に委員としてやる事はよい考へと思ふ。
民衆の声を正しく聞くと云ふことはよいと思ふ。
警察でも其案を持って居た。
護得久委員
委員制に賛成である。常住にして援助やる。待遇も安定する様にしたい。
糸数、仲村委員の説に賛成である。
中央集権よりも地方分権も共に行きたい。
機関としては判然としたい。
部長は執行機関であり県会議員は議決機関である事を判然としたい。
大宜見委員
公衆衛生では既に此の委員制は作って居る。
ワッキンス少佐の話によると県会議員は議決機関でないと云って居るが、其点をよく考へたい。
仲宗根委員
先日県会議員で決めた事を委員長を通じてワッキンス少佐に提出せよとの事であった。それが殆ど承認された様である。
各部門に常置委員を置いて協力して貰いたい。
実現して貰いたい。
大宜見委員
県会議員の常置委員に対して若し待遇をよくして進言して貰いたい、委員制を置かず。
仲宗根委員
時折部長と会って進言相談したい。
大宜見委員
常置でなくてもよい。
仲宗根委員
常置でなく、只委員である。
大宜見委員
県議よりも却而専門委員が居る。却而専門部委員がよい。
松岡委員
米国の上院議員を見ると委員制になって居て常住して居る。
議会でも円滑に行って居る。
諮詢委員の意向として軍政府に進言したら如何。
大宜見委員
県議の以前より其熱のあるべき責任者であると思ふ。
今になってやるのが不思議である。
護得久委員
大宜見の趣意も同じだから此件は之で打切りませう。
仲宗根委員
委員を辞して県議に帰へりたい。
今後共よろしくお願ひします。
護得久委員
之から建設する時機である。仲宗根委員が自分の理由から辞めたい事は己人的意識から来たので八月十五日以来歴史を作った委員である仲宗根委員は己人的意識を弱らして公的意識を以てやりたい。
糸数委員
諮詢委員は八月十五日選出されて来た。仲宗根委員は仕事を軌道に乗せつゝあると云ふが然うではない。県議が各部に協力する事なら部長に居ても県のためである。此十五人は連帯責任を以て建設されたい。
現職に留りたい。
當山委員
仲宗根委員の辞表は軍政府は許可すると思ふか。
仲宗根委員
許すと思ふ。
當山委員
軍政府が許可するなら私も賛成である。
ワッキンス少佐の話に猫と鼠の言に一夜考へさせられた人道問題であるから私も辞めたい気になった。
ワッキンス少佐の言は仲宗根委員に留任を言ったと思ふ。
比嘉委員
県議兼務は委員では各自の自由意志に任す事であった。私も始めは辞める積りであったが而し仕事が軌道に乗って居ないために留る事にした。
仲宗根委員は昨日辞意が出たが、ワッキンス少佐の昨日の話によると夏までだと云った。延びても平和会議の終るまでと思ふ。其時までは仲宗根委員も辛抱して貰った方がよいと思ふ。
大宜見委員
仲宗根委員の云ふ事は仲宗根委員らしくないと思ふ。
県議も昔の様にない事を聞ひた。
諮詢会の解散しない中は委員である。留任して貰いたい。
仲宗根委員
軍政府が命令で動かす事が出来なければ留りますが而し自分の信念を以て進む事にします。
何卒枉げて私の考へを考察されたい。
前門委員
仲宗根委員が執行機関と議決機関と別なる事を主張された事を感謝す。
吾々の仕事は軌道に乗せてないのである。今の所辞める事は如何と思ふ。
日本では言論の自由を与へて居る。モードック中佐時代は将来もあると考へたが、ワッキンス少佐の話によると沖縄の将来は如何と案ぜらる。故にもー留任を勧める必要もないと思ふ。
護得久委員
ワッキンス少佐から必ず此件を諮詢すると思ふ。
若し此問に対し委員が意見を述べると却而仲宗根委員を疑問に陥る事になる。故に非常時に重大な事になるから返へす返へすも仲宗根委員の信念も考慮して此執行機関に移したいと思ふ。
山城委員
仲宗根委員は志を翻して留任して貰いたい。
十五人は合流するのが却而吾々の立場と思ふ。
吾々の出発点を救ふ意味で留任をして貰いたい。
志喜屋委員長
仲宗根委員が突然言はれたので一言も言はずにやった事を考へさせられた。
比嘉委員が時期到来まで待つ様にと云ったとの事で安心した。
今朝来て辞意を漏したのであるが此執行機関が発足する時留任を願ひたいと申した。
仲宗根委員ももー一度考へ置きを願ひます。
委員の皆様にも慎重な態度で考へて貰いたい。
當山委員
ローレンス少佐から台湾の事情を聴きたい。
志喜屋委員長
布哇からの慰問品に対する御礼状を軍政府を通じて出す事にしませう。
(午后二時)
出席 志喜屋、又吉、松岡、比嘉、仲宗根、仲村、前門、護得久、大宜見、糸数、平田安谷屋、當山、山城の諸委員。
當銘、玉城両部長。
軍政府 ワッキンス少佐。
諮詢事項
軍政府
カールドウェル少佐からの諮詢であるが、来週木曜日に沖縄の民政府機構の式を挙行し得るや否や。
木曜日に決めたのは車の関係からである。
全委員
来週木曜日二十五日に知事以下各部長の任命式に異議なし。
軍政府
式に関し委員会を組織して出来あがったら報告して貰いたい。
式場は石川。
選挙の時と人員は同じと見て居るが車の都合によっては地方の有志も招待してよい。特別に車を仕立てゝよい。
コザ、前原、宜野座方面は其日で往復し遠い所は前日に呼び出す。
場所は石川にして準備は準備委員に委す。
当日は祝日にす。
志喜屋委員長
式の準備委員は月曜日まで報告してよいでせうか。
軍政府
月曜日までよい。
軍政府
首里のトラック六台は責任者が居ないとの事で係隊長は不快に居たが。
市長の責任でやったか。
護得久委員
協力して間違いのない様にします。
十人の運転手の免許状は有難う存じました。
軍政府
十人の免許状は私(ワッキンス少佐)の責任でやった。
護得久委員
間違いなき様注意します。
軍政府
此前勝連半島にあるヂープ、機械類を支那に持って行くと云ふ話であったから調査に行ったが、之は米国に持って行き、使へないものは此所に置く事になって居る、支那に持って行くのではない。
古金物を沖縄に残して貰いたい事は未回答である、回答あれば報告す。
陸軍は相当のヂープや機械を持って居るから与へられる可能性はあるから軍政府も期待して居る。
ムーレー大佐及びカールドウェル少佐は今朝東京から帰へって来た。
ローレンス少佐も台湾から帰へって来た。
ペンス氏も二、三日中に帰へる予定である。
司法部の執行機関は係隊長が知って居るが而しカールドウェル少佐と相談の上二十五日まで決定す。
台湾に沖縄人が八千人程居る様だが其中一千人程は残留したいとの事である。
日本には七万九千人程と云って居るが或は十一万人程居るのではないか。
現在の状況から見ると此人を沖縄に入れ得る余裕はないだらう。
故に沖縄には他所から人を入れない様に決定した。
私の意見としては日本台湾に居る人が沖縄に来たら沖縄は苦しいだらう。又移動して来る彼等も苦しいだらう。
台湾からの一万五千人を入れては大した困難はすまい、而し日本からの人を入れると困るだらう。
軍政府としては入れない事に決定した。諮詢会は如何に思ふか。
一、全然日本台湾から人を受け入れない。
二、台湾のみを受け入れたら如何?
護得久委員
疎開者には夫婦別々にして居るものがある之を日本及台湾から入れたら如何?
軍政府
今の答へは前の問とは別問題である。
特別の人を入れるとしたら日本政府としては皆帰へしたがるから困るだらう。
調査はするが未定である。
山城委員
学童が父兄の手を離れて行って居るが、之等を入れるに特別の取計ひは出来ないでせうか。
軍政府
護得久委員の答へと同じ事である。
志喜屋委員長
日本に行きたい者を調査して其等と交換は出来ないか。
軍政府
陸軍では沖縄に居る他県人を帰へすには秋頃でせう、輸送の関係かも知れない。
仲村委員
疎開者は台湾合せて六万人程で又一部家族の者は五万人足らずと思ふ家族が帰国出来ない事になると捨鉢になるのではないか親、兄弟は、万難を排して帰へして貰いたい。
軍政府
直ぐ帰へらないと云ふ事であるが、之は日本の方針か、マッカーサーの方針か知らないが将来は全部帰へらなければならない。
沖縄は現在でも人口が多いが日本から帰へる又過密になるのではないか。
沖縄として彼等を入れる衣食住はないと思ふが。
仲村委員
食物は心配だが、住衣は心配ないと思ふ。
軍政府
当面の問題として振別けは出来ないだらう。
軍政府としては其事情は感じても居ないし考へても居ない。
日本が困らうが考慮に入れない。
台湾から日本に三十万人、支那から二百万人帰へった。
支那は未還であるが。
仲村委員から話した事情は問題にして居ない。
其国の有利になる様にするのである。
志喜屋委員長
十二万人も他所から帰還すると沖縄は人口過密になるので困るからどうにかして将来は南米等への移民をお願ひしたい。
軍政府
戦争の結果日本人は悪い状態に置かれる様になって居るから六ヶ敷いことだ。米国、カナダは日本人に対する移民法で赤札を立てられて居る。
日本としては数百万円の金銭を使って移民政策をしたが成功して居ない。
一九二五年からの統計を見ると百万人の人口が増して移民政策を取ったが移民は僅かでなかった。
日本は移民を希望して居る筈だが恐らく行けないだらう。
皆様の御希望はマッカーサーなら出来るが私としては出来ない。
仲村委員
上述の意見のある事をマッカーサーに伝へて貰いたい。
軍政府
マッカーサーの顧問をして居る人は斯る小さい事を考へて居ない。
軍政府が云ふと皆帰へせと云ふだらう。
當山委員
人道的に同情ある政策を立てゝ貰いたい。
疎開者を帰へして貰いたい。
軍政府
私としては人道的に扱ふ事は知って居る。
総ての物事が人道的に良心的にして、政策的には行かないとすれば円満に行くだらう。
台湾に居る人を入れるか否やを委員に諮りたい。
志喜屋委員長
入れる事に希望しませうか。
全委員
異議なし。
軍政府
マリヤナから二万四、五千人帰へった。台湾から八千人入れた時生活はどうなるか。
志喜屋委員長
五十万人として計画して居ますが。
比嘉委員
五十万と計画したが、而しイングリエントを設備しないと生活は出来ない。
仲宗根委員
三月十五日の調査で三十六万人である。
軍政府
比嘉委員の云ふ事は食事関係のみだが木材衣服も考へて居るか。
比嘉委員
食衣は見込あるが住は出来ない。
牛五万頭馬五千頭、土地整理、肥料が完備した時の事である。
軍政府
イングリエントを与へるか否かは分らない。
又吉委員
農業のみでなく工業もしなければならないと思ふ
軍政府
沖縄人全部帰へした時と帰さない時との結論は如何なるか。
五十万の人口を入れるのは難問題である。
仲宗根委員
今は人口が増加すると危険と思ふ。米国から物資は船で来るし、賃銀制になって来る時如何なるものか心配して居る。人情のみ以てしては如何がと思ふ。数ヶ月経験した後考へたら如何?
軍政府
今沖縄に入れない事に決定して居るが。
台湾には沖縄人会があるが今の中は船もあるから出来る。将来はどうなるか分らない。
問を発したのである。
日本には日本人として居たから仲も良いし台湾に居る人は台湾人との仲が悪いと思ふが如何。
故之を早急にした。
之は再検討し後に回答して貰いたい。
之は完全に保証は出来ないが只諮詢会が其意向なら努力して見る。
比嘉委員
人口が増加すると食糧問題である。之に肥料の関係だが、大東島と、センカク列島に窒素肥料がしるから之を採取する事をお願ひしたい。
軍政府
肥料に関する研究が出て居るから進められるのではないか。
比嘉委員
大東島とグァムから採取を願ひたい。
軍政府
県会議員の方は来ましたか。
私(ワッキンス少佐)は何時列席すればよいか。
志喜屋委員長又吉委員も列席されたい。
志喜屋委員長
布哇からの慰問品に対し御礼状を出したいが布哇の知事にでも軍政府を通して出来ないでせうか。
六月一日から通信可能の事は準備はして居ますが。
軍政府
文章を提出すれば副長官からでも托送させます。
松岡委員
新聞社設立の陳情書が来て居ますが。
軍政府
当分総務部で預って知事が出来て知事が適当と思った時、軍政府に進言されたい。
紙等の必要もあるし。
新らしい新聞を発行するには民営になるから之等も研究されたい。
玉城部長
水産組合理事、監事、承認の件。
組合長 山城東栄、副会長 比嘉宇太郎、監事 仲宗根源栄、新垣金造、上原良順、の諸氏を推薦します。
全委員
異議なし。
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