- 組織名
- 沖縄諮詢会
- 開催日
- 1946年04月05日
(昭和21年)
- 会議名
- 諮詢会協議会 1946年4月5日
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- 議事録
- 諮詢会協議会 〔執行機関・部長辞令交付・市長〕
四月五日(金)午前九時。
出席 志喜屋、又吉、松岡、仲宗根、安谷屋、糸数、平田、大宜見、前門、比嘉、護得久、山城、當山の諸委員。
公用他出 仲村委員。
協議事項
又吉委員
社会事業部の座安氏が数回首里に行って穏やかならぬ事を云って居る。
高嶺朝光氏にも書面を以て石川に集まる様にとの事である。
田井等市でも青年層を動かさうとするのを平良辰雄氏に止めさせられたとの事である。
斯る事をされては将来憂慮に堪へない。
之を処分なり、どうにかしないと諮詢会の将来、沖縄の将来のためどうかと思ふ。皆様の冷静なる御判断を願ひたい。
護得久委員
執行機関に移る重要な時期である。
一座安氏の問題でなく他にもあるかも知れない。
諮詢会職員が水をさすようではいけないと思ふ。
松岡委員
未執行機関の部門は機構を作って至急提出する様にとの事である。
平田委員
運輸は如何なるか。
松岡委員
運輸は独立しないで、海運は商務が持ち、陸上は工務が持ち、通信部は郵便物を運搬する目的をもつ車両のみに限る事になるが如何?
全委員
異議なし。
又吉委員
首里市長仲吉氏が首里市拡張につき願って来たが軍政府としては不快であると又ムーレー大佐としても不快に居るとの事である。
仲吉氏は個人の資格で云ったかも知れないが市長の肩書を有って居るから注意した方がよいと。考へはよいが結果はよくないと。
護得久委員
座安氏の件は小委員会を設けてやったら如何。
志喜屋委員長
座安氏の件につき小委員会を設ける事にして、小委員会に前門委員、仲村委員、私(委員長)三人で調査します。
(午后二時)
全委員 出席。
軍政府 カールドエル少佐、ローレンス少佐、ハナ少佐、ワッキンス少佐、外二名。
文教、財務、農務、工業、水産、労務、商務七部長の辞令交付式を挙ぐ。
志喜屋委員の挨拶の辞。
ワッキンス少佐の祝辞を述ぶ。
山城文教部長から感謝の辞を述ぶ。
文教部長 山城篤男
財務部長 護得久朝章
農務部長 比嘉永元
工業部長 安谷屋正量
商務部長 糸数昌保
労務部長 當銘由伸
水産部長 玉城 瑩
以上任命さる。
(辞令交付式後、カールエル、ローレンス、ハナの三少佐及外一名帰府)
諮詢事項
軍政府(ワッキンス少佐)
只今の辞令交付式は沖縄の出発の様にある。
山田真山氏の絵はどうなって居るか。
志喜屋委員長
目下進捗しつゝあります。
軍政府
糸満及前原の両市長は如何なったか。
當銘労務部長(前前原市長)
現助役を昇進させたい。
玉城水産部長(前糸満市長)
現助役を昇進させたい。
又吉委員
前原市長に現助役、糸満市長に現助役を各市長に推したら如何ですかと全委員に諮る。
全委員
異議なし。
軍政府
糸満市長に瀬長亀次郎。
前原市長に与世里虔治。
糸満、前原の地区隊長は、玉城、當銘両部長を奪はれて軍政府に抗議もあったが軍政府では斯る人物を小さい所に置くよりはもっと沖縄全島のためになる様働かした方がよいと云ったので地区隊長も了解が出来た。
軍政府
比嘉秀平氏から読谷山に耕作隊を入れるべく願ったが露天に弾薬があって危険であるから望みがない。
仲村委員
北谷も耕作が出来る様にお願ひしたい。
軍政府
弾薬集積所であるから出来ない。
兎に角地図を明細に書いて提出して見なさい。
軍政府
首里市長仲吉良光氏に忠告の方法はないか。
又吉委員
私が来る日曜日に行って忠告します。中学時代の同級生であります。
軍政府
又吉委員が行くと面倒ではないか。
ムーリー大佐から公職(諮詢会各部職員)に就いて居る人々の履歴書を提出する様にとの事であるが、之は又吉総務部長でやって貰いたい。
職員を増員してもよい。
通訳学校卒業者はどうなるか。
比嘉秀平氏、山城、仲村両委員
吾々の所で採用したい。
軍政府
先島方面に居る技術者、通訳者の名簿を提出して貰いたい。
諮詢会の職員に種痘をする様に。
護得久委員
銀行機構の件であるが、後四、五日待ってくれる様ワイズ氏にお伝へを乞ふ。
糸数委員
渡久地工場長に川平朝惟氏を諮詢会で承認して貰ったから許可をお願ひします。
軍政府
よろしい。
志喜屋委員長
知花委員に辞任許可(四月一日付)の通知を上げました。
軍政府
軍政府からも諮詢会を通して出す事にする。
軍政府
市町村には財産所有権及売買権もあったのか。
又吉委員
有りました。
軍政府
財産の監督は県と関連があったか。
仲村委員
村会の議決を経て知事の認可を得た。
買ふ時も知事の認可を得た。
軍政府
知事から売買の命令もあったか。
仲宗根委員
なかった。
軍政府
村長は税金を課す権限があったか。
當山委員
村会に諮って課税の権限があった。
之は知事の承認を得る事になって居た。
軍政府
例へば村が物を買入れる時知事が税金を増す事を許可しない時如何なったか。
又吉委員
買ふ事は出来なかった。
當山委員
村が事業をやる時内務省の認可を得て起債した。
軍政府
銀行の機構を見ると株は村の人口比例に配分になる事を聞いた。
當山委員
村の起債は知事を経て内務省の認可を得た。
軍政府
布告によると従来の法律習慣によってよろしいと。
従来の法令慣習は効力発生する事になる。
唯従来の法令・慣習は寝て居た様な形であった。
護得久委員
戦争による統制及其法令は総て死す事になる。
軍政府
総ての法令で軍政府から指示のないものは効力あるが而し軍政府でも其法令は知らない。
軍政府としても従来の法令に対しては知らないから各部門で自分に関係のあるものは調査し、加除訂正をしたきものは軍政府に出して貰いたい。
日本ではどの程度の修正法令が出たか知らんが取寄せて調査して見たいと思ふ。
未執行機関の部は早く機構を提出して貰いたい。
松岡委員
月曜日午后二時に提出します。
又吉委員
粟国、渡名喜、具志川(久米島)の村長に辞令を交付したいが。
軍政府
よろしい。
労務の引継ぎは何時するか(ローレンス少佐からの話)。
仲宗根委員及當銘部長
火曜日九時から引継ぎします。
軍政府
諮詢委員の住宅瓦運搬は月曜日からトラックを出す事にする。
(ワッキンス少佐帰府)
松岡委員
ウルマ新報の大宜味氏が諮詢会内に控室を持ちたいと云って居ますが如何するか。
護得久委員
当分の中諮詢会に関係のない人の出入は遠慮して貰いたい。
横に話が拡がり過ぎる惧がある。
材料は委員長、幹事長を通してやってよい。
又吉委員
護得久委員の意見に同意である。当分遠慮した方がよいと思ふ。
大宜見委員
賛成。
仲宗根委員
執行に移された部門を巡った如何。
志喜屋委員長
軍政府に訊きませう。
松岡委員
軍政府に話して見てから回答すると云ひませうか。
護得久委員
当分であるから待つようにと云ったら如何です。
軍政府に話す必要はないではないか。
全委員
異議なし。
當山委員
新聞は文化部に所属するか又は総務部に所属するか。
又吉委員
新聞は或はワッキンス少佐に移るかも知れない。
私に非公式に監督する様にとの事であった。
暫く此の件は待たうではないか。
仲村委員
日本では新聞を検閲しないとの事だが警察としては関係がないと思ふが新聞紙法を総務で加除訂正するか。
仲宗根委員
新聞が指導的立場にある点から見ると文化でやる方がよいと思ふ。
松岡委員
自動車検査・免許は工務部でやり、取締は警察でやる。之は工務隊長の話である。
仲村委員
それで結構です。
志喜屋委員長
仲吉・豊平・高嶺氏等から新聞発刊の陳情が来て居るが仲吉氏の事情は今朝話した通りだから時期を見て上申しませう。
大宜見委員陳情書を朗読す。
護得久委員
陳情をこのまゝ握り潰さないで一応陳情とは云はず軍政府に話して見たら如何です。
仲宗根委員
来週軍政府に話したら如何。
全委員
異議なし。
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