- 組織名
- 沖縄諮詢会
- 開催日
- 1946年03月02日
(昭和21年)
- 会議名
- 諮詢会協議会 1946年3月2日
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- 議事録
- 諮詢会協議会 〔行政機構・官営事業・水道・水産〕
三月二日(土)午前九時。
出席 志喜屋、松岡、仲宗根、前門、比嘉、糸数、安谷屋、平田、護得久、山城、當山の諸委員。仲村委員中途より出席。
公用他出 又吉、大宜見両委員(国頭方面へ)
病欠 知花委員。
協議事項
仲宗根委員
一、総務部改名の件。
元県庁に在った部の名称を説明す(総務部、警察部、経済部等につき)。
軍政府が民政部に改称された。
現在の総務部は元県庁の総務部に同似して一般民衆から誤られ易い。
今後民政に移す時は仕事の上から混乱に陥らない様にしたい。
私の案としては地方行政部の名称にしたら如何。
従来の名称を使用するために混乱をする憂がある。
二、社会事業部も去る月曜日に執行機関に移すべく機構を作れと命ぜられた。
若し社会事業部長を推薦又は任命されるとすると如何にするか。
委員外より任命されるや否やにつきて考慮して居る。
今後任命さるべき総務、農務、社会事業部等委員外より部長を採用したら如何と思って居る。
若し各部長の半分でも委員外より採用するとすれば却而明朗になるのではないかと思ふ。
當山委員
諮詢会委員の任期は何時迄ですか。
志喜屋委員長
任期はない。
當山委員
全沖縄の代議機関を作ると云ふ事であったが如何なったか。
志喜屋委員長
其れは分りませぬ。
當山委員
軍政府に代議機関を作ると云ふ事であったが如何なったかを伺ふではないか。
沖縄県政を委員で私した様に民衆から思はれたら大きな問題である。
殊に民主政治を確立すると云ふ点から斯く思ふ。
来る月曜日に軍政府に伺ひたい。
志喜屋委員長
ストリート少佐、コールドウエル少佐、ワッキンス少佐にも代議員選挙につき聞ひたが軍政府としては、目下の忙しい時に選挙々々では却而有効ではないと云って居る。
比嘉委員
仲宗根委員の説明に付加したい。
モードック中佐が全沖縄の総意により沖縄の建設が出来ると云って居た。
最近になって最初の行き方が正反対である事を思はれる。
具体的に云ふと金武に於ける山田庁長を任命した後比嘉氏を持って来て総務長にしたりして居る。
久志及辺土名地区に於ても然りである。
近頃又辺土名地区が復活せよとの事であったが辺土名地区は之に肯ぜず田井等地区に統制を願って現在田井等地区になって居る。
昨日ワッキンス少佐の諮詢会に於ける話によると諮詢会に諮る時もあるし又直接任命する時もある。
諮詢会に諮らなくともよい、之は軍政府専政でよいと思って居るのか。
當山委員
総務部で各村長を推薦して居る様であるが。
志喜屋委員長
地区隊長が地方総務に聴くと地方総務では又吉部長に聴く様にして居る。
仲宗根委員
何時此の提案に対し研究会を開きますか。
糸数委員
来る水曜日午前九時から開かれたら如何ですか。
全委員
異議なし。
比嘉委員
将来の事業を官営にするか民営にするかを決定して貰いたい。
従来やらんと思った事を此際やってみたい人々がある。
過渡期に於ては官営にして将来は民営にするかを判然と決定したい。
最初から官営か民営かの方針を決定したい。
當山委員
日本政府に対し県民の既得権を、米政府を通して日本政府に賠償させて貰いたい。
ウルマ新聞に日本銀行券の切替へるとの事であるが三月七日の期限を過せば無効になる。
其他債権、戦時保険等も然りである。
以上米政府に陳情したい。
護得久委員
當山委員の質問に対し、日本と沖縄とは金融機関は分離すると思ふ。
戦争資金の膨張は半強制的に預金させられた。
膨張資金の或部分は民間に在る。
物資は少なく連合国の治外法権等により物価騰貴の止まる所を知らない。
大蔵省が此の日本銀行券の切替は賞すべき案で、当然であると思ふ。
一人百円を切替へて残りは預金せよとの事であると想像する。
沖縄に於ては上陸当時、一億二千万円の通貨であると金融界では見て居た。
物と通貨の比例を以て行きたい。
志喜屋委員長
日本政府に於ける既得権を回復し得るや否や。
護得久委員
徐々に要求すべきものは要求してよいと思ふ。
當山委員
日本銀行券の影響が沖縄にも及ぶや否や。
仲村委員
日本の行政権が沖縄に及ばないから関係がないと思ふ。
山城委員
恩給の件も考慮したい。
ハイスクールの経営、定員、場所につき。
護得久委員
酒造の件につき。
酒造は専売にするとの事であったが、財政の関係から見て明瞭にしたい。
酒造は工業部面であるが而し各国の酒造は税金を重にして居る事から考へて従来日本政府も然りである。
酒造が工業に属するか財政に属するかゞ問題である。
安谷屋委員
民間に造らしての専売か又は官営の専売か。
護得久委員
酒造連合会を作って専売にしたいと思ふ。
軍政府は財政の官営にした方がよいと云って居る。
比嘉委員
酒造の原料は農務に関するが其原料は如何に見透すか。
仲宗根委員
護得久委員の月曜日の回答を延期して各委員で研究して本日は之で閉会したい。
當山委員
酒造の原料は将来輸入品で作る考へから酒造は工・農にさせたい。
仲宗根委員
酒造は財政に置きたい。
松岡委員
事業を官営にするか民営にするか、又半官半民にするか。
部によっては将来官営か民営に移し難いものがあり、他の部に於ては民営に移し易い部がある。
例、郵便は布哇に於ては官営になって行政機構と離れて居る。
バス問題の財政は従来黒字であったと思ふ。何故なれば民間から将来のバス経営参加の陳情が来て居る。故に此の問題を何処の部に置くや否や、之を提案す。
護得久委員
事業の官営、民営は事業によって違ふから一律に官営民営に決定する事は出来ないと思ふ。
松岡委員
米陸軍の将校が来て沖縄全島に水道を敷設したいが水源地は何処にするや否や、国頭にするか比謝橋にするかとの意見である。
私としては国頭は水力電気に使用し出来得れば比謝橋に水源地をやりたい。
二十四時間に二百万ガロンの湧出量ださうです。
糸数委員
(1)移動の落ち付いた部落には水産組合を拡張したい。
水産連合組合長を民選にしたら如何と改正条文を持って来たが諮詢会に諮りませうと回答して来たから御了解を乞ふ。
(2)各部の仕事を何部がやるや否やの庶務細則を作りたい。
水曜日まで総務部で案を提出して貰いたい。
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