- 組織名
- 沖縄諮詢会
- 開催日
- 1946年02月25日
(昭和21年)
- 会議名
- 軍民協議会 1946年2月25日
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- 議事録
- 軍民協議会 〔酒造・農務・資材〕
二月二十五日(月)午后二時。
出席 志喜屋、又吉、松岡、仲宗根、護得久、糸数、前門、安谷屋、仲村、平田、比嘉、當山、山城の諸委員。
公用他出 大宜見委員(名護病院落成式へ)。
病欠 知花委員。
軍政府 ワッキンス少佐。
諮詢事項及協議事項
軍政府
刑務所の敷地は如何なったか。
松岡委員
仲村委員提出の地図により説明す。
場所は美里村字知花イチント屋取。
敷地は約二万五千坪程。
軍政府
仲村委員から諮詢会の希望地である事を憲兵司令官に話して貰いたい。
目下修理の諮詢会々議室は何時頃から出来るか。
松岡委員
来週月曜日から出来ると思ふ。
軍政府
今朝石川のブレーザー隊長が来て居たが石川市から建築資材を諮詢会が貰って来た様だが不快の様子であったから今後可然事の無き様注意す。
軍政府としては今の所住宅資材は十軒程しかないが。
松岡委員
天願に軍本部の資材があって建築用切込をしているが軍政府から御願ひして貰ったら出来るだらうと思ふが。
軍政府
東恩納に移動する小委員会は出来ましたか。
志喜屋委員長
出来て居ます。
軍政府
役職員の通行券は如何なったか。
仲村委員
提出してあるが未だ出来て居ませぬ。
山城委員
文教部の編纂部員の住宅は如何なりますか。
軍政府
東恩納に移動できます。
本日午后から軍政府では主脳部の会合があります。
問題は酒の件である。
酒を造る事は禁止されて居る。
酒造禁止の理由は材料が米であり米は食糧であるからである。
酒は誰が作って居るか酒造者を調べて居る。
諮詢委員から現在酒造して居る者に警告を発し軍政府から調べの時は酒造者が居ない様にして置いたら如何。
酒造者及其協力者が見付かる時は相当の問題を惹起するが。
米国中央政府として酒造に反対して居る理由は米を以て造って居るからである。
米を以て酒造すると其だけの食料を減じなければならないと。
禁酒法を徹底させて貰いたい。
上述の件は公式であって私(ワッキンス少佐)が非公式に伝へたのである。
全部政治的なもので非公式に伝へたのである。
之に対し委員の意見を聴したい。
護得久委員
酒造は米のみでなく、若し米なら腐敗米である。
可働者には最低度の量を別へるのは翌日の仕事の能力を挙げるに影響を及ぼすものと思ふ。
材料は糖密、トーモロコシ、芋、蘇鉄、甘庶等で製造して居る。
最低量を許せば可働者の可働に能率を挙げる事になり、中央官庁が許されば酒造税は大きなものである。
米軍上陸前酒一升五・二〇円であったが其内酒税三・二八円を含んで居た。
他物価からすると高い値段ではない。
酒造の統一が行はれないと悪酒が出来る。
統制を以て酒造を許して貰いたい。現に私(護得久財政部長)から其件につき上申しつゝあります。
若し酒を禁止した場合は如何なる形勢が起るかと云ふと、密造が出来る。
沖縄酒は簡単に出来る。
例せば、瓶の中に醗酵菌を入れて出来る程である。
米やトーモロコシで酒造する心配は当分要らない。
沖縄製糖高嶺工場には多大の廃物がある凡そ(一万石、護得久委員)(八百石、比嘉委員)八百石以上の製造高の材料があるが現に之を持出す者が居る。
又他面には甘蔗の残存があるが今之を採取する事を禁じて居る。
軍政府及び仲村保安部長の御配慮により持出を禁止して居る。
現在の所で此の程度で禁止して置いて、将来は貿易等をやって行きたい。
芋粕でも相当の酒が出来る。
軍政府
正式の許可の来るまでは現在の酒造は禁止す。
護得久委員
私の御願ひして居るのは財政の関係等で御願ひして居る。
又吉委員
西洋、支那、日本、米国でも歴史上に照らして禁酒は失敗に終って居る。
適当な時期に許可を得たい。
仲宗根委員
麹(酵母)菌は沖縄特有で将来沖縄の海外貿易には有望である。
米国のメチールは殆んど無害まで行くさうだから之の製法も伝援されたい。
慰安と可働者の体力増身を計りたい。
比嘉委員
農務で研究の結果、砂糖は一人宛一ヶ年に五十斤の自給、酒は本島内使用量一万五千石、移出用十万石計十一万五千石製造する考へである。
従来の甘蔗を1/4に減じて約半分は砂糖、約半分は酒を造りたい。
専売にして税金は中央財源にしたい。
護得久委員
今日まで沖縄の酒造税は一千万余りであった。
軍政府
上司に話します。
志喜屋委員長
仲村委員の方から酒造したら罰になると云って各地に発するのが穏当ではないか。
護得久委員
各地区では地区隊長と内所で了解の上だから諮詢会からは云ひ難い。
志喜屋委員長
吾々の友人知人に酒造者が居たら注意を促す事にしませう。
又吉委員
私から各総務に私的に注意を発します。
仲村委員
私の方から各地区に禁止(酒造)する様に発します。
軍政府
酒造禁止令は軍政府から発せらるゝから早く禁止する事を知らして置いた方がよい。
地区隊長から内所の許可があっても之は不法行為であるから之を知らしめて置く。
地区隊長から許可を得ても其人(酒造者)を保護する分でもない。
安谷屋委員
先日私の知己に酒造禁止の事を話したら彼曰く「地区隊長の許可を得て居る」との事であった。
原料は腐ったジャガ芋を使用して居るとの事であった。
仲村委員
諮詢会から地方長に厚意的に酒造禁止の事を発したら如何。
志喜屋委員長
又吉総務と私(委員長)と二人で発しませう。
軍政府
山田真山氏は石川に来るや否や。
當山委員
住宅があれば石川に来る事になって居る。山田氏の住宅を東恩納に作って貰いたい。
軍政府
住宅の小委員会で山田氏の住宅も計画して貰いたい。
東恩納に作るや否やは諮詢会に委す。
経済機構が出来ると賃銀のない者は救済しなければならないが仲宗根委員の部で此の救済機構を作って出して貰いたい。
仲宗根委員
目下準備しつゝある。一応諮詢会に諮って提出します。殆ど九分通り出来て居る。
軍政府
救済部の組織は発動でなく計画を諮詢会にかけなさい。機構は後でよい。
護得久委員
地方に出かけると通貨の実施は三月一日からとよく訊かれるが如何なるものですか。
軍政府
米国政府に報告して居るが未だ回答もない。
或は三月一日から出来るかも知れないが判然とは分らない。此事はローレンス少佐がよく知って居る。
又吉委員
具志川村(中頭郡)及勝連村両村長の人事につき説明す。
比嘉委員
石川市に恩納村山田住民が五五〇人程居るが石川から通勤して生産事業に従事したいと云って居るが許可して貰いたい。
軍政府
農務の係将校と話合った方がよい。
比嘉委員
係将校と話合ひます。
軍政府
私(ワッキンス少佐)は現在五部を担当して忙しいから通信部の係将校を置きたい。
彼は現在コザ市に居る。
當山委員
山田、真栄田の件(石川から通勤して生産従事)は石川でブレザー隊長にもお願ひしたが一線部隊の許可の来るまで待って居よとの事である。
志喜屋委員長
材木解禁につき御礼申上ぐ。
軍政府
現在沖縄に在る資材は使用してよいとの事で輸出解禁ではない。
(ワッキンス少佐帰府)
志喜屋委員長
東恩納に於ける諮詢委員及職員の住宅の件を諮る。
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