戦後初期会議録

組織名
沖縄諮詢会
開催日
1946年02月18日 
(昭和21年)
会議名
軍民協議会 1946年2月18日 目録詳細 画像を見る
議事録
軍民協議会 〔土地調査・諮詢会移転・屋我地・慶良間〕

  二月十八日(月)午后二時。
  出席  志喜屋、又吉、仲宗根、平田、仲村、糸数、安谷屋、前門、比嘉、當山、護得久、松岡、大宜見、山城の諸委員。
  病欠 知花委員。
  軍政府 ワッキンス少佐。
諮詢及協議事項
 軍政府
  明日村の件につき打合せたいが何時頃がよいか。
 又吉委員
  午前十時頃がよい。
 軍政府
  白石氏とも話したいが又吉委員の所で会ひませう。
  仲宗根委員から提出した配給機構をなくしたから今一度提出して貰いたい。
 仲宗根委員
  来る金曜日に提出します。
 軍政府
  仲村部長の写真が新聞(英字沖縄新聞)に出て居るが記事も豊富で仲村部長には都合がよい。
  中央土地調停委員は村と村との公有地、又は村有と私有との間に起る係争のための委員か。
 又吉委員
  官有地、県有地の時の調停委員である。
 軍政府
  中央調停委員の議長は誰を以て推すか。
 又吉委員
  執行機関が出来た時誰かゞ其れに当ればよい。
 比嘉委員
  又吉委員と同意。
 軍政府
  何故政府から議長を出さなければならないか。
 比嘉委員
  委員を招集して纒めるに便利である。
  官有地や県有地は各村に跨って居る故。
 軍政府
  今朝コールドウエル少佐、私(ワッキンス少佐)志喜屋、又吉両委員と相談したがテント小屋は西側に持って来て纒めたら如何。
 當山委員
  其テントは何をするか。
 軍政府
  委員及職員の住家にしたい。
  家を建てるまで当分テントで構へて置いたら如何ですか。
  家屋の小委員会を設けて白石氏も共に家屋の配置等を研究して貰いたい。
  石川地区の東恩納の住民を帰へしたいが諮詢会が此所に居る間は困難ではないか。
 又吉委員
  北側の方に移動させたら如何なるものか。
 軍政府
  石川としては両方にやりたい。
  諮詢会が早く運ばないと石川としては未練が残るから早く諮詢会は移動したら如何。
  目下修理しつゝある事務所を見たがなかなかよい所である。コールドウエル少佐も賞して居た。
  クワンハッツも暴風の対策をやって置く必要があるのではないか。
  最高指揮官の話によれば路傍が汚れて居るが如何にしたらよいか。
  警察の方でよい方法はないか。
  或は仲村部長に属する事ではないかも知れないが又委員の方でも意見はないか。
 仲村委員
  私の方で公衆衛生と協力してやればよいが。
  各地区に命じてさせたら如何。其れにはトラックが要る。
 護得久委員
  C・Pを乗せて公衆衛生でやったら如何。
 當山委員
  市町村長に責任を持たしたら如何。
  村の出来て居ない所は警察と公衆衛生と協力してやったら如何。
 軍政府
  仲村部長から各村長に注意を促したら如何。
 仲村委員
  明日署長の会合があるから諮って見ます。
 軍政府
  村の出来て居ない所は如何にするか。
 當山委員
  警察と公衆衛生と協力してやったら如何。
 又吉委員
  軍地区は軍政府の責任である筈だが。
 軍政府
  住民の責任は民地区のみである。軍地区は責任を持たないでよい。
 仲宗根委員
  村の出来て居ない所は総務部長に責任を持たしてやらせたら如何。
 軍政府
  輸送部の方の運転手を軍政府総務部(ワッキンス少佐)で責任を以て免状を与へんと思ふが平田委員は責任を負ふ事が出来るや否や。
 平田委員
  責任を以てやります。大抵十年以上の経験家ですから。
 軍政府
  平田委員の方でクラッチの入れ方を練習させたら如何。
  練習させて軍政本部の工務にやったら如何。
  練習を積んだらワッキンス少佐の所で証明をして免状を与へる。
  昨日海軍の最高指揮官にムーレー大佐を留任させて貰いたいと願ったら大佐は副司令官として留任する事になった。
  ワインコーフ大佐(ムーレー大佐の後任として)其人も分らなかったが而しよい指導者たる事を発見した。
  ワインコーフ大佐は沖縄が好きで軍政府の直面せる問題にも関心を持ち之を遂行せんとする精神を有って居る。
  沖縄としては幸であった。最高指揮官も代り、又副司令官も代ると云ふ事は如何と思って居たが、幸にムーレー大佐が留任する事になった。
  ワシントン政府でムーレー大佐の留任を認めたのは大佐が今日まで沖縄に居て沖縄の事情をよく知って居るから沖縄再建の問題を解決するによいと思ふからである。
  最高指揮官が赴任して事情も知らないのをムーレー大佐が助けて行くと沖縄の諸問題を解決するに都合がよい。
  先刻はムーレー大佐がワインコーフ大佐を伴ふて博物館を見に来られた。
  ワインコーフ大佐は或は明日頃沖縄を去るかも知れない。
  ムーレー大佐の留任を私(ワッキンス少佐)は喜んで居ます。沖縄の再建に働き又将来も計画をなして行く上にも好都合である。
 志喜屋委員長
  只今ワッキンス少佐殿のお話を承り諮詢会委員一同は喜んで居ます。
  二人を訪問して御挨拶を申上ぐべき筈だが風俗習慣上ワッキンス少佐殿を通じてよろしくお願ひします。
  去る土曜日沖縄総務長会議でのお話によれば今度ワッキンス少佐殿は軍政府総務部長となり、コールドエル少佐は指揮官の顧問となられたとの事で御二人の御指導をお願ひします。
  (プライス少将の後任はバックマスト少将)
 軍政府
  コールドウエル氏から日本の事情を語るべく一晩集りたいと。
 又吉委員
  木曜日は如何。
 全委員
  異議なし。
  土地調停に特殊地区とは如何。
 軍政府
  村長から特別に委員に問はれる土地である。
  民有地を公有地にしたいとかの時。
  屋我地の医師は。
 當山委員
  早田ヒロシ氏である。偉い人である。
  トラブルが起って居るが事情を聴取したい。
 軍政府
  米軍上陸の時の医者は。
 當山委員
  早田ヒロシ氏である。
 大宜見委員
  誠心誠意沖縄のために働く人で宗教的で云はれないのである。
 仲村委員
  学者でよい人であるが戦後レプラを故意に食糧を得んがために逃がしたのではないかと思はれる。
  軍政府は彼氏を信頼して居るかも知れないが斯る事は注意して貰いたい。
 大宜見委員
  レプラは大食で純配給しかない故逃げ出すのである。
  可成軍政府直属にしてレプラに食糧を与へて貰いたい。
  現に病院の建築は準備中である。
 仲村委員
  薬は軍政府から貰って高価を徴取して居るとの事である。
 軍政府
  此問題は當山委員調査の上小委員会を開く事にしませう。
 仲村委員
  久米島で役職員は薄給で生活に困ると話したら憲兵司令官は物資を以て俸給に替へよと命令を発した。
  (ワッキンス少佐帰へる)
 平田委員
  浜川順清書記を紹介す。
 仲宗根委員
  慶良間の状況を説明す。
  結論として要するに戦前五、二〇〇人の人口に伊江島から二、一〇〇人程移動して来ったため現在六千人余り居る。
  生活困難なる故諮詢会の御援助を願ひたい、伊江島住民の移動が出来なければ、那覇其他の住民三〇〇人余りを移動させて貰いたい。
  食糧は二月半でなくなる。
  陳情者は住民から死ぬまで努力やって来る様に云はれたとの事である。
  出来るだけ他地区の人を早く移動させて貰いたい。
  如何にしたらよいか委員皆様の御意見を伺ひたい。
 又吉委員
  仲宗根委員の御説明の陳情を私(又吉)の所にも来たが私は斯々答へて置いた。諸君(陳情者)の陳情が最初のものであったらよかったがワッキンス少佐(軍政府)と諮詢会との話合が伊江島住民は移動が出来ないとの事になった。
  故に慶良間と伊江島住民の代表を呼んで事情を聞くと云ふ結論になった。
 護得久委員
  小委員会を設けて対策を講ぜられたら如何。
 委員長
  比嘉、仲村、仲宗根、又吉の諸委員を小委員にお願ひします。
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