戦後初期会議録

組織名
沖縄諮詢会
開催日
1945年12月19日 
(昭和20年)
会議名
諮詢会協議会 1945年12月19日 目録詳細 画像を見る
議事録
諮詢会協議会 〔青年団・バス・選挙権・他〕

  十二月十九日(水)午前十時。
  出席  志喜屋、山城、仲村、平田、仲宗根、糸数、又吉、護得久の諸委員。
  公用他出 松岡、比嘉、前門、大宜見、當山の五委員。
  知花、安谷屋の両委員病欠。
協議事項
 志喜屋委員長
  松岡、大宜見両委員より一月の行事を少くしたら如何との御意見がありましたが、軍政府に本日お話すべき事項。
  (1)、青年団の件。(2)、役職員の被服請求書粉失の件。
 仲宗根委員
  ワッキンス少佐の来るまで中央倉庫と相談して来るから其結果を見てから話す事にしませう。
 山城委員
  ハナ大尉のお話によると来る一月一日から文教部は文教部長に総ての権限を委譲する旨を話されて居た(秘密にする事)。
  而して其案を(英文)和訳しつゝ読む。
 志喜屋委員長
  本日軍政府(ワッキンス少佐)に説明及びお願ひすべき件。
  1、従来の青年団の得失及将来之を組織するや否やの件。
  2、警察学校生徒と諮詢会委員との座談会開催の件。
  3、通信運輸運行規定の件。
  4、知花委員転地療養の件。
  5、役職員被服請求書粉失の件(粉失は中央倉庫に於て該庫係員が失ふ)。
 當山委員
  古謝氏を文化部書記として紹介す。

  (午后二時)
  出席  志喜屋、又吉、山城、平田、當山、仲宗根、仲村、護得久、糸数諸委員。
  公用他出 松岡、大宜見、比嘉、前門、安谷屋、諸委員。知花委員(病欠)。
  軍政府 ワッキンス少佐。
協議事項
 志喜屋委員長
  欠席委員六名の欠席せし理由を述ぶ。
 軍政府
  一週間三回の会合は多くはないか。
 志喜屋委員長
  多くはありませぬ。
 軍政府
  六名も欠席して居るが。
 志喜屋委員長
  知花委員が転地療養するため彼の仕事は仲宗根委員が見ては如何ですか。
 軍政府
  よろしい。
 軍政府
  平田委員にバス運行につきお話します。
  運転手、順路、事務は平田委員に任す。
  軍政府に於ける責任者は私(ワッキンス少佐)である。
  三台の車は将来石川に置き其責任者は平田委員であり、平田委員の責任者は私(ワッキンス少佐)である。
  此事業は軍政府から平田委員に渡したい。
  平田委員の推薦する運転手には軍政府から免状を渡したい。
  市民も軍政府の運転手は皆免状制にする。
  免状なき者はM・Pに捕はれる。
  免状に加はり通行券が必要である。
  M・Pがはっきり分る様に英文で記す。
  運転手の氏名、年齢、通行する順路を書いて提出して貰いたい。
  平田委員はバス運行案を提出して貰いたい。
 平田委員
  以前に二人の運転手に推薦したが之等は許可になり従事して居るが、先日推薦した二人は未許可である。之等が許可なれば月、水、金は三人に運行させ、火、木の日は残り一人に運転させたいと思ふが。
 軍政府
  来る月曜日から三台に当てゝやるが運転手の割当は平田委員に任す。カールドウェル氏とも話し合ったが以前東京に於て一台に二人宛乗って居たが結構な事と考へたが。
 平田委員
  一台に二人宛乗せる考へである(運転手と助手)。
 軍政府
  1、平田委員で一切の計画をやって貰いたい。
   車の手入れや油を入れたりすること等は軍政府でやる。
   車は石川に置く。
   車の係将校に会って手配する。
   運転手には日本語・英語両文字で記した腕章を付けさせて貰いたい。
   運転手も巡査の様に分り易い帽子を被らしたい。
  2、タイプライターについてはもー一度奮闘してみます。
  3、選挙権は二十五才であったか。
   之を二十一歳に引下げたら如何。
 又吉委員
  日本は従来二十五年であったから。
 軍政府
  日本もマッカーサーにより二十一年に引下げられた。
 又吉委員
  二十五歳にしたのは只一時的であったから之を引下げてもよい。
 軍政府
  マッカーサーも神でないから総てを知って居ると云ふ事ではない。私(ワッキンス少佐)の調によると世界各国大抵二十一歳になってゐる。
  カールドウェル氏とも話したが二十一歳に引下げたら如何。
 又吉委員
  研究して金曜日に御返事します。
 軍政府
  中央倉庫についてであるが、プールマン氏と話し会ったが倉庫から役職員(諮詢会)の配給物は出さないと。何故なれば、石川市からと二重配給になるから。
 仲宗根委員
  諮詢会の役職員は軍政府直属との事で石川市からは配給を受けて居りませぬ。
  (此の時、比嘉、前門両委員出席)
 軍政府
  私(ワッキンス少佐)はプールマン氏と前の約束を果したい。
 志喜屋委員長
  軍政府直属となって居る松岡委員の役職員は軍政府から貰って居ると。
 軍政府
  明日何時に品物を受取りに行くか。
  プールマン氏が行って品物を渡すのを見たい。
  十一時にプールマン氏は倉庫に行く様にする。
 山城委員
  文教部長ハンナ大尉を通して中央倉庫から品物を出し得るや否や。
 軍政府
  ハンナ氏を通して貰ふ様にしてよい。
  比嘉委員の豆を入れる倉庫は作ったか。
  諮詢会で立案したものは私が(ワッキンス少佐)纒め、私は軍政府に相談する。
  私は豆について一週間かゝって聴いたが返事をしない。私が許可します。
  私(ワッキンス少佐)の方針であるが軍政府でも部門が分れ又入れ代り立ち替りして容易でないから諮詢会から提出された案を軍政府に相談して、若軍政府から返事がなければ諮詢会の案を取って行きたい。
  大豆の案についてはヒル氏に従った方がよい。
  ヒル氏は農具の配給は一所でやりたいと云って居た。
 比嘉委員
  私も其れに賛成である。
 軍政府
  土地所有権証認案については目下軍政府で研究中である。
  慶良間行の船があるから該島行の郵便物を用意して置く事。
  松岡委員の質問した技術学校については何等返事がなかった。
 志喜屋委員長
  来週月曜日より開校すると松岡委員は話して居たが。
 軍政府
  山城委員の聴いた学校警備の件はマジャ将校と連絡を取った方がよい。
  役職員の家族呼寄は纒めてやって貰いたい。
  ムーレー大佐は山田真山氏に屏風の絵を画いて貰いたいとの事だが其大きさは何程で良いか。
 護得久委員
  之に対し応答す。
  (此時、松岡、大宜見両委員出席)
 軍政府
  博物館の庭を見られた方は批判をして貰いたい。
 護得久・山城・當山の三委員外郭の批判をなす。
 仲村委員
  警察学校生徒の希望により来る土曜午前中該学生と諮詢会委員と研究会を開きたいと思ひますが如何でせうか。
 軍政府
  此会を開かん方がよいだらう。
  学校の基礎の固まる迄は開かん方がよい。
  又吉委員が講師となって講義もして居るから。
 當山委員
  青年団についてお話しますか。
 軍政府
  金曜日にしませう。
  農学校は文教部に属して名護に設置する事になって居たが名護の試験場は田井等地区に属する事になって当分学校は見合わす事になって居る。
 志喜屋委員長
  田井等地区の食糧配給のよくなった事をお礼申述べる。
 又吉委員
  元の市町村制に還元しつゝある事を明日の庶務課長会議に話してよいでせうか。
 軍政府
  明日会議前に返事する。
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