- 組織名
- 沖縄諮詢会
- 開催日
- 1945年12月14日
(昭和20年)
- 会議名
- 諮詢会協議会 1945年12月14日
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- 議事録
- 諮詢会協議会 〔移動・食糧・青年団・他〕
十二月十四日(金)午前九時。
出席 志喜屋、又吉、仲村、前門、仲宗根、糸数、當山、安谷屋、知花、大宜見、護得久、平田、松岡の諸委員。
公用他出 比嘉委員、知花委員(病欠)。
協議事項
大宜見委員
久志・瀬嵩方面の移動を先にし、いくらか食糧の有る石川方面の移動を後廻はしにしたらと思ひますが。
志喜屋委員長
知花委員は病気のため辞職を願ひ出られて居ますが。
大宜見委員
知花委員を辞職させず無任所大臣の様にして置き仕事の処理は誰かにさせて置かれては如何。
而して転地療養を勧められては如何でせう。
(志喜屋委員長以下全委員賛成)
志喜屋委員長
外の委員が事務分担をして上げますから無任所大臣の形として暫く静養されたらと委員皆様が希望して居ますが。
(此時知花委員出席)
平田委員
軍政府(ワッキンス少佐)と相談の上沖縄出身の運転手を二人採用したい。
護得久委員
岡崎運転手の本日の行動を語り而して該運転手を交代さすべく取計方を述ぶ。
岡崎運転手の行動(車係名嘉山氏が十五人乗せたとして乗者人名簿を名嘉山氏より奪ひ取り乗せるべき人を乗せずに却而他人を乗せ人員も十五人以上であったこと)。
荷物は手荷物のみに限り大きな荷物を乗せないこと。
志喜屋委員長
軍政府にどう話しますか。
平田・當山・護得久の三委員
今朝の岡崎氏の行動につき有体に話した方がよいと思ふ。
松岡委員
呼出状に食券を添付しようと思ふが。
(全委員賛成)
志喜屋委員長
離島への通信は如何なるか。
平田委員
本日軍政府へお願ひする事にします。
(午后二時再会)
公用他出 比嘉委員(名護行)、病欠・知花委員。
外十三名出席。
軍政府 ワッキンス少佐臨席。
協議事項
軍政府
土地認定方法案はプライス大尉に届けてあるが暫く研究す。
辺土名・田井等の食糧配給について。
一隻の船が食糧を運搬して行く途中暗礁に破損したので当分トラックで運ぶがトラックも不足であるため小さい舟を海軍にお願ひして居るがまだ許可は得て居ない。
仲宗根委員の衣食住の研究会は、軍と民政部で相談して見たが、此研究会は部で研究し、人を集めて研究することはよして貰いたい。
料理、被服、住居等に関しては石川市に於て研究し其結果がよければウルマ新聞に発表する計画である。
當山委員の話した、恩納に於ける、トラック、タイプライターの件は軍政府では取締る権限もなく処置する方法もない。
トラック、ジープ、タイプライター等はワシントンに於て員数の番号があるから之等を貰ひ受くるにも一、一、許可が入る。
比嘉委員の物置小屋の材料は承認された。
民政部長は斯く云った「農務部で大豆の種子を獲得して居るが諮詢会は諮詢を受くべきで其は石川市か軍政府で保存すべきだが如何なる理由で其んな事をやって居るか」。
志喜屋委員長
産業課長会議で種子が必要だと云って集めたと想像するが。
軍政府
久志、宜野座では籾や大豆を保存して居るが何故此所は大豆のみやって居るか。
志喜屋委員長
比嘉委員が来られてから解決した方がよいと思ふが。
軍政府
久米島との航路につき軍政府は定期にはするが而し何時になるか分らない。
不定日ではあるが食糧運搬の時船が行くから郵便物は其を利用する事にする。
離島の住民で本島に居る者は再移住さすべく軍政府では登録をなしつゝある。
辞典は布哇に注文を発し近く到着する見込である。
映画係のバビエイ氏は来る月曜日當山委員に会すべく来る。
屋我地島の調査に関しては軍政府で調査を命じて居るから、仲宗根、當山、大宜見三委員は控へて貰いたい。
仲村委員の呼出す喜舎場氏はプライス大尉の話によると余り香ばしくないとプライス大尉は石原氏より聞いたとの事である。
仲村委員
私は喜舎場氏を全然知らなかったが石原氏より聞いて始めて知ったが。
軍政府
もー一度話して見ませう。
毛布の件はお願ひしてあります(警察学校生への貸与)。
諮詢会の役職員の被服配給の件は係将校に了解を得たから此書類を持って行って受取って下さい。
二つの問題について諮詢があります。
(1)宮城カツエイなる者は宜野座に居り其の家族は田井等に居るとのことである。今まで、ストリート少佐、カールドウェル大尉、私(ワッキンス少佐)とも会ったが彼曰く「沖縄の若い者にデモクラシーを教へたい、而して若い男女青年団を組織したい」。私(ワッキンス少佐)は米国のデモクラシーに対し何処で研究したかを調べて見たい。
本人は那覇の水産学校で研究したと云って居る。
彼は水産会か水産組合を設立する事を希望して居る。
私(ワッキンス少佐)の見受くる所では希望に燃えた溌刺たる人と思ふ。
屋嘉の収容所から出て来た者である。
現在の沖縄は混沌状態であるから之を救済するには如何にしたらよいかとの意見を述べたらしい。
カールドウェル大尉からデモクラシー研究するよりも水産方面に居た方がよいではないかと云はれた様だ。
又吉委員か仲村委員かゞ会って検討して見て如何なる者であるかを調査して下さい。
又吉委員
此人は戦前よりアブノーマルで誇大妄想狂である。
(此人を知る委員に又吉委員外数名あり)
軍政府
斯る人ならば調査する必要なし。
(2)(1)の問題と関連して男女青年団を組織すると云って居たが、沖縄として男女青年団を組織する必要があるや否や。
此問題は研究して次の会議で討議しようではないか。
過去に青少年団があったが其結果は善かったか、悪かったかを聴きたい。
其組織が沖縄建設に必要ありや否や。
此問題は青年から与へられたものである。
志喜屋委員長
青年団組織するや否やの方針は諮詢会で決定し細目については文化部でやる事にしませう。
(比嘉委員、中途より出席)
比嘉委員
大豆の種子は軍政府係将校代理ベーカー氏の許可を得て各市産業課に送るまで預るのである。
籾はヒル氏が預る事になって居る。
籾は本島で二七〇石必要だがそれだけ無いから南部はそれに代るものを送って貰ひたいと云って産業課長会議で話があった。
當山委員
クリスマス用の提灯を示す(見本)。
仲宗根委員
十二月には六〇、〇〇〇枚の毛布が来ると云はれて居るが住民は持って居るが未だ来ないでせうか。
軍政府
問ひ合せて見ます。
山城委員
近日中に女生徒が来るが、女生徒のためにC・Pをお願ひしたい。
昼は七人のM・Pが来るが夜は一人となり、前原にお願ひしたがC・Pが来ない。
平田委員
運転手我那覇(元県庁の運転手)比嘉(元宮城バス運転手)両氏を軍政府に紹介す。
軍政府
係将校に話して見ます。
志喜屋委員長
朝鮮より帰へった与那城氏を紹介し再び渡鮮して荷物を持って来たい事を陳情す。
軍政府
軍政府は再渡鮮させる権限もない。
聞いては見るが六ヶ敷い事である。
前門委員
来る二十日に法務部中央委員会を開きたいが。
軍政府
私が許可す(ワッキンス少佐)。
平田委員
本島内バス運行方法案を提案す(印刷により)。
(全委員、原案通り賛成)
本日ワッキンス大尉、少佐に昇進せし事を告ぐ。
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