- 組織名
- 沖縄群島議会
- 開催日
- 1951年04月27日
(昭和26年)
- 会議名
- 第7回沖縄群島議会(臨時会) 1951年4月27日
- 議事録
- 一九五一年四月二十七日午前十時十四分開会
◎議長(知花高直君) 開会致します。
出席人員十五名、欠席五名であります。その内、旅行一人、届出二人となっております。
◎議長(知花高直君) 諸般の報告をいたします。
五番議員(石原昌淳君)から坐礁船体並びに桟橋バーヂ取除き方の件につきまして請願書を提出することについて、今期議会に提案方の申入れがありましたのでこれを受理いたしましたから御報告いたします。知事から追加議案及び提出議案中一部訂正について議長宛公文が参りましたので書記長をして朗読致させます。
(書記長「新垣良正君」公文朗読)
沖総第二四八号
一九五一年四月二十七日
沖縄群島知事 平良 辰雄
沖縄群島議会議長
知花 高直殿
提出議案追加について
第七回沖縄群島議会(臨時会)において臨時急施議案として別紙案の通り議会の賛同を得たく議案を送付致します。
(別紙議案第四十五号省略)
沖総第二四八号
一九五一年四月二十六日
沖縄群島知事 平良 辰雄
沖縄群島議会議長
知花 高直殿
提出議案中一部訂正について
第七回沖縄群島議会(臨時会)に提出議案中第三十四号沖縄群島農産物検査所設置条例案及び第三十五号沖縄群島度量衡検定所設置条例案について不備の点がありますので、別紙案の通り訂正し提案します。
(別紙省略)
○議長(知花高直君) 書記をして追加議案並びに訂正案を配付致させます。
(書記追加議案並びに訂正案配付)
(二番議員与儀清秀君出席)
◎議長(知花高直君) 本日の議事日程を報告いたします。
議事日程第十号
第一、沖縄群島財務条例制定について
(知事提出議案第三十二号)
第二、沖縄群島農産物検査所設置条例制定について
(知事提出議案第三十四号)
第三、沖縄群島度量衡検定所設置条例制定について
(知事提出議案第三十五号)
第四、沖縄群島度量衡条例制定について
(知事提出議案第三十六号)
第五、沖縄群島度量衡器検定手数料徴収条例制定について
(知事提出議案第三十八号)
第六、沖縄群島学校教育条例の一部を改正する条例について
(知事提出議案第四十一号)
第七、臨時中央政府立法院参議推薦賛同について
(知事提出議案第四十五号)
第八、坐礁船体並びに桟橋バーヂ取除き方の件につき請願書を提出することについて
(五番議員提出議案第四十六号)
以上であります。
○本日の会議に付した事件
日程第一、沖縄群島財務条例制定について
(知事提出議案第三十二号)
日程第二、沖縄群島農産物検査所設置条例制定について
(知事提出議案第三十四号)
日程第三、沖縄群島度量衡検定所設置条例制定について
(知事提出議案第三十五号)
日程第四、沖縄群島度量衡条例制定について
(知事提出議案第三十六号)
日程第五、沖縄群島度量衡器検定手数料徴収条例制定について
(知事提出議案第三十八号)
日程第七、臨時中央政府立法院参議推薦賛同について
(知事提出議案第四十五号)
日程第八、坐礁船体並びに桟橋バーヂ取除き方の件につき請願書を提出することについて
(五番議員提出議案第四十六号)
◎議長(知花高直君) これから本日の会議を開きます。日程第一の議案第三十二号沖縄群島財務条例制定についてを議題といたし質疑に入ります。
◎具志頭得助君 一寸御伺い致します。第二十四条に本金庫は群島の事務所の所在地に置き、支金庫は知事において、となっておりますが、その点を詳細についてお聞きしたい。現在迄の琉銀を離れて新しく支金庫を設置する可能性があるか。
○財政部長(宮里勝君) 現在軍の指示により知事と琉銀と契約している金庫については、将来起って来ることも考えられるが現在は琉銀そのものを利用しているのであります。
○具志頭得助君 支店をそのまま支金庫にしてですか。
○財政部長(宮里勝君) はい。
◎長浜宗安君 群島組織法の第百六十八条に知事は条例の定めるところにより毎年二回以上収支予算の状況、財産、公債及び一時借入金その他財政に関する事項を説明する文を作成しこれを公表しなければならない、という風になっておりますが、財務条例にこの趣旨を織りこんだ方がよいのじゃないかという感じを受けますが、どう考えますか。
○財政部長(宮里勝君) 私はこの財務条例は組織法の補助規程みたようなもので第百三十二条に公金の支出を、公正を期するために財務条例を定めなければならないということを受けておりますので、この組織法に明文があるのは省略して組織法によって除外してあります。
◎長浜宗安君 しかし、これは条例に定めるところに依りとなっていますが。
○予算課長(糸数青重君) 第百六十八条によると知事は別途に条例を定める、或は財務規定(ママ)の中に織り込んだらという御意見であるが、別に細部にわたる規定を作ってもらい、収支予算の状況、財産、公債、現在のところ公債とか、一時借入金がありますが、その他の財産の文書を作成し、公表する、となっているが、別途に財務規程は一切の財務を処理するに当って、特に第百六十八条に特記されているが、別途に作った方がよいのじゃないかと思います。日本におけるいろいろの法規を調べてみたが別途になっております。
◎具志頭得助君 事務上の問題でありますが、今回の財務条例によって、決算書もできておると思いますが、恐らく沖縄の民政府時代から今日までの決算ということはやったことはないと聞きますが、そうですか。
○財政部長(宮里勝君) 決算は四十八年度からはできている。四十九年度の決算は整理中であります。これは近く完成する予定であります。
◎平良幸市君 添付書類の予算形式についてお伺いします。各部にわたる自動車修繕費は一方に纏めてもらいたいと要望したが、そうできない理由。それから小さい件でありますが、第一款五項の事務局費、第六項職員旅費となっておりますが、職員旅費は第五項の第二目が本当ではなかろうか。十七頁の十二款監査委員会のところではちゃんとこういう風になっているが、こっちではこうなっている。これは統一された方がよいのではないかと思う。更に経済部関係、十四頁に農事試験場費とあるが、これは研究指導所費じゃないか。以上であります。
○予算課長(糸数青重君) あの予算の科目及び款目を例示したわけであります。自分としては立案をやったものとして日本におけるように俸給は俸給、需要は需要費という風に戦前の県庁でやっているようにやりたかったが、現在、会計技術は米式のものを直接、財政顧問のキャスターが一々われわれのやっているのを見て会計課の形式を見てもこの形式を踏襲してジレンマに落入っているが、当分この形式でやって、今後、軍と折衝して日本式の行き方で行きたいと考えております。それから款項目の整理でありますが、これで整理はしたがまだ二、三、八番議員(平良幸市君)のおっしゃった通り充分でないところもあるが、これは現在の予算の款項目をそのまま一応提示してあてたわけであります。必ずしもそれに絶対によるというわけでなく、備考に書いてあるように一つの標準としてこれに従ってやるということでありまして、便宜、実情に沿ってやって差支ないわけであります。ただ形式的に科目の概目を示したに過ぎない。これは決して完全なものではない。自分等としても充分でないことは知っているが米式の会計手続とかいうものに縛られているところがあってやりにくいところがあります。
◎具志頭得助君 現在、民政府の預金はどれ位ありますか。
○財政部長(宮里勝君) 現在は後で調べたらはっきり分りますが、三月末は千八百万円となっております。
◎具志頭得助君 前議会にお願いしましたが、琉銀と契約の場合は議会の協賛を得るかもしれませんが契約において借りる場合は利子を払う。こっちが預金した場合は現在でも利子はないようですが、これは是非一定の支払給与金を残して、それ以外は利子をつけて貰うようにしてほしいと思っております。このことは前の議会においても要望がありましたが、軍にも話したらこれは大きい問題だ、考えてみるということで、いま考究中のようであります。向うは貸しつけて儲けているから一定の支払給与金を残して、それ以外は利子をつけて貰うように重ねて要望致します。
◎議長(知花高直君) 質疑を終了致しまして討論に移ります。御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
◎議長(知花高直君) 御異議ないと認めます。依って議案第三十二号は原案通り可決致します。
◎議長(知花高直君) 日程第二の議案第三十四号を議題と致します。書記長をして知事からの訂正案の朗読を致させます。
(書記長「新垣良正君」訂正案朗読)
訂正案
沖縄群島農産物検査所設置条例案
第一条 沖縄群島における輸出農産物の検査並びに植物の検疫を行うため、沖縄群島農産物検査所(以下農産物検査所という。)を設置する。
第二条 農産物検査所は、那覇市に置く。但し、必要に応じ出張所を設け、事務の一部を分掌せしめることができる。
第三条 農産物検査所は、左の業務をつかさどる。
一 砂糖及び砂糖容器検査
二 その他輸出農産物の検査
三 輸出及び輸入植物の検疫
四 沖縄群島内の植物の検疫
第四条 農産物検査所に、左の職員を置く。
所長、技官、事務官、技官補、事務官補
第五条 所長は、技官をもって、これに充てる。
2 所長は、知事の命を受け所務を掌理する。
3 所長事故あるときは上席職員これを代理する。
第六条 技官並びに技官補は、上司の指揮を受けて検査並びに検疫に関する業務に従事する。
2 事務官並びに事務官補は、上司の指揮を受けて庶務に従事する。
第七条 知事は、必要ありと認めるときは、第四条の職員の外に検査並びに検疫業務の補助のため臨時検査員を置くことができる。
附 則
この条例は、公布の日から施行する。
○議長(知花高直君) 本議題の質疑に入ります。
(「質問なし」と呼ぶ者あり)
◎議長(知花高直君) 質疑を終了致しまして討論に移ります。御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
◎議長(知花高直君) 御異議ないと認めます。依って議案第三十四号は原案通り可決致します。
◎議長(知花高直君) 次ぎは日程第三の議案第三十五号を議題と致します。書記長をして訂正案の朗読を致させます。
(書記長「新垣良正君」訂正案朗読)
訂正案
沖縄群島度量衡検定所設置条例案
第一条 沖縄群島における度量衡の適正をはかるため、この条例の定めるところにより、沖縄群島度量衡検定所を設置する。
第二条 沖縄群島度量衡検定所は、那覇市に置く。
第三条 沖縄群島度量衡検定所の業務は、左の通りである。
一 度量衡器の検定に関する事項
二 度量衡器の取締に関する事項
三 度量衡による計量の取締に関する事項
四 検定料金の徴収並びに管理に関する事項
五 その他度量衡に関する事項
第四条 沖縄群島度量衡検定所に、左の職員を置く。
所長、事務官、度量衡官、事務官補、度量衡官補
第五条 所長は、事務官をもってこれに充てる。
2 所長は、知事の命を受け所務を掌理する。
3 所長事故あるときは、上席職員その事務を代理する。
第六条 事務官並びに事務官補は、上司の指揮を受けて庶務に従事する。
2 度量衡官並びに度量衡官補は、上司の指揮を受けて検定並びに取締りに関する業務に従事する。
附 則
この条例は、公布の日から施行する。
○議長(知花高直君) 本議題の質疑に入ります。
◎具志頭得助君 戦前においては度量衡は一定の期間において商品として度量衡器の検査があるようになっておりましたが、これはそういう文面は見えないようですが、古いやつの検査はどういう方法でやるか。検定証印は非常に難しいと思いますが、どういう方法で検定証印はやりますか。
○経済副部長(知念忠太郎君) 今の検査の方法でありますが、これは度量衡条例第二十条に謳ってある。これには第一種、第二種とありますが、第一種は日時、場所、区域を規定している。第二種は随時これをやるということになっております。これは今の設置条例とは別に第三十六号議案の第二十条にあります。それから細部は又施行規程を設けてやるつもりであります。
◎具志頭得助君 検定証印はどういうようにするのですか、合格証は。
○経済副部長(知念忠太郎君) 検定証は焼判を押すようになっております。
○具志頭得助君 物指なんかは。
○経済副部長(知念忠太郎君) 物指も物指用の焼判を作ってやるわけです。
◎新里銀三君 ずっと以前から度量衡問題が論議されておったが、幸い度量衡関係については予算に計上され、条例もできているので、一般業者は喜んでいると思います。従来、使用しているものにつきましては予算から見ても相当の数に上っていると考えられますが、新しい度量衡器が貿易庁に来ているようであります。その金額は六〇万円ときいております。この六〇万円の度量衡器は今貿易庁に入っているがこれを配付するのには一般から金を募らなければならないというわけで困っております。吾々が正確なものを買い、正確なものを売るには正確な度量衡がないとできないと思いますので、先ず一般から値段を取る前に政府の予算があれば、予備費かなんかから六〇万円の度量衡器を受取って、業者に早急に配給販売をやって、そして正確なる度量衡の取引をやっていただけば住民は助かると思う。
その点是非六〇万円を一時立替をして貿易庁からこれを取り、商人にこれを売るまでの期間、立替を希望します。更に現在手持の度量衡の検査につきましても、できるだけ早急に実施してもらって、吾々需要者に余り損を与えないようにして欲しいと思うのであります。それには一回にやるにも或は廃棄処分させるにも相当に時日を要するので、できれば期日を切って、手分けして、新しいものと取替えて或は検査をして度量衡の正確を期していただきたいと考えております。その点を政府の予算から繰合せができて貿易庁からとり、それを業者に売るまでの期間、一定の度量衡器を業者にやって欲しいと希望しますが、それに対する当局の御意見を伺いたい。なお九条にあるところの業務上の取引についてであります。液類以外のものは、是非斤量制にしてほしい。
○経済副部長(知念忠太郎君) 只今の御質問にお答え致します。現在貿易庁に入荷しているのは、これは標準器で度量衡検定事務所に原器として使うものであります。これは四群島政府に等分に分けるもので一般用は入っていない。六〇万円と申上げますのは度量衡器の検定所が標準として使うのであります。一般は今後これに依って検定し、どうしても島内でできない分は輸入すべく計画しております。
◎宮城久栄君 度量衡官というのがあります。初めてききますが、これは専門の学校を出た人ですか、事務官にそういう名称を付すのですか。
○経済副部長(知念忠太郎君) これは専門であります。東京へ講習に行って特殊な事務であります。
◎議長(知花高直君) 質疑を終了致しまして討論に移ります。原案通り可決することに御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
◎議長(知花高直君) 御異議ないと認めます。依って議案第三十五号は原案通り可決致します。
◎議長(知花高直君) 日程第四の議案第三十六号を議題と致し、質疑に入ります。
◎平良幸市君 第二十二条についてお伺い致します。左の各号の一に該当するものは四千円以下の罰金に処する。その第二号はそれで穏当かと考えられますが、第一号の第九条は当分は適用されないから、第十条は商品の計量に使用する風袋にはその実量を正確に表示しなければならない。第十四条は度量衡による正味量の表記ある商品にして、その表記正味量を超過するものはこれを販売し、又は販売のために所持することはできない。こういう違反者に対して、罰金刑は少し酷ではなかろうか。過料でよいんじゃないかと考えられますが戦前のこれの法規は如何ようになっておりますか。
○経済副部長(知念忠太郎君) この第二十一条、第二十二条は戦前の法規に基いて作成いたしました。一九五〇年六月一日付布令第十二号が出ているが、これによって一円に対して二〇倍という軍の布令があります。
これに基いて戦前の法規通りに一応作ってみたのであります。
◎新里銀三君 今の問題でありますが、若し日本及び支那から来る清明茶に四〇匁とかいて実際にない、或は表記には書いてあるが実際はそれ丈ない。或はメリケン粉の三五ポンドとかいてあるが実際にはない、その場合の責任はどうなりますか。店に陳列してあるものが、沖縄でつくるものは該当させることはできるが、日本及び外国から輸入された物資についてはどうなりますか。
○経済副部長(知念忠太郎君) 細則でこれを謳ってあります。
○議長(知花高直君) 暫時休憩します。
午前十時四十五分休憩
午前十時五十分開会
○議長(知花高直君) 開会致します。別に御質問はありませんか。
◎石原昌淳君 第二条には度量衡の度量はメートル、衡はキログラムを以て基本とする。いわゆるメートル法を基本とすることを明らかにしているが、このメートル法の基本とすることに対する便、不便は色々論議もされているし、将来の慣用度量衡の使用をどういう風に調整するかという問題は民間の取引においても色々な問題が起ると思いますが、官庁における例えば土地の反別とか、そういった行政事務の面にも色々と難しい面が起って来ると思いますが、それに対してはこの後で衡器の使用については暫定処置として保留されておりますが、基本とするということを明らかにした場合は、行政事務としてのメートル法への切替についてはこれを如何ような方針をお考えでありますか。
○経済副部長(知念忠太郎君) お答え致します。第二条と附則の第三条とは関連があります。日本におきましては原則的にはメートル法となっております。昭和三十五年度迄は現在の尺貫法を許すということになっているが、沖縄では文化程度も差があって、これを強制的に切替えることはできません。それで当分の間、これを用いることができると謳ってありますが、この文句は戦前も同様でありますから原則的にはメートル、キログラム法を用いているが、実際としては当分の間は尺貫法を用いるより外はなからうと思います。
◎松本恭典君 条例によく見受けますが、罰金という問題について処刑としては懲役、禁錮、或は罰金は一つの前科になるが過料は前科になりません。法律によらないで、これは勿論補助規程でありますが、法律に依らずしてこういう処刑が課せられるものであるかどうか伺いたい。
○経済副部長(知念忠太郎君) 第二十一条、第二十二条の罰則は群島組織法の第二条のR項になっております。本条の他の項所定の権限に基き制定した条例の違反については、その罰則を制定すること、これに基きまして第二十一条、第二十二条の罰則を制定したわけであります。
◎松本恭典君 これは本法に規定すべきではないのですか、条例に懲役という文句を使ったら、どんなものですか。
○経済副部長(知念忠太郎君) 戦前もそういう風に謳ってあったもんですから。
◎松本恭典君 刑罰上は懲役も罰金も同じ処刑でありますが、これは疑問ですが、そうなると他の条例にもこういうのがありますか。たくさん前科者をつくるようなことがあって政策的に困るようなことがありはしないかと思っております。
○経済副部長(知念忠太郎君) 戦前のを基準にして作ったのですが審議してもらいたいと思います。
◎石原昌淳君 只今の罰則規定の方では八番議員の御意見もあった通り、特に度量衡のことについては余程懲罰的ないわゆる過ち料程度でよかりそうな事犯が相当予想せられるのであります。そこで、その関係については四千円又は過ち料として懲罰については、そういうものができるように適当な修正を計ったらと思いますが、休会にして暫時諮ったらどうですか。
○議長(知花高直君) 暫時休憩致します。
午前十時五十五分休憩
午前十一時十六分開会
○議長(知花高直君) 開会致します。
◎仲村栄春君 度量衡については第二十条の規定に施行細則が出ておりますが、細則は条例に依って作られると普通考えられるが、この条例には細則が主になったような気がされるが、これは文句で謳った方がよいと思いますが、どんなものですか、細則の文句をここに置き替えた方がよいと思うのですが。
○経済副部長(知念忠太郎君) どこに置き替えるのですか。
◎仲村栄春君 施行細則の第二十条に書いたものを置き替えなければいかんと思うのです。
○議長(知花高直君) 暫時休憩致します。
午前十一時二十分休憩
午前十一時二十一分開会
◎議長(知花高直君) 開会致します。第三十六号議案は審議未了のままに致します。
◎議長(知花高直君) 次ぎは日程第五の議案第三十八号を議題と致します。本議題の質疑に入ります。御質問ありませんか。
(「質問なし」と呼ぶ者あり)
◎議長(知花高直君) 質問がない様ですから討論に移ります。御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
◎議長(知花高直君) 御異議ないと認めます。依って議案第三十八号は原案通り可決致します。
◎議長(知花高直君) 日程第六の議案第四十一号は後廻しにして、日程第七の臨時中央政府立法院参議推薦賛同についてを議題と致します。書記長をして議案の朗読を致させます。
(書記長「新垣良正君」議案第四十五号朗読)
議案第四十五号
臨時中央政府立法院参議推薦賛同について
臨時中央政府立法院参議に左記の者を推薦致したいので議会の賛同を求める。
一九五一年四月二十七日提出
沖縄群島知事 平良 辰雄
記
吉 元 栄 光
履 歴 書
本 籍 沖縄県国頭郡名護町字屋部九三八番地
現 住 所 田井等地区屋部村屋部区一〇班
氏 名 吉 元 栄 光(ヨシモトエイコウ)
生 年 月 日 明治二十四年十一月八日生
学 歴
明治三十九年三月 名護尋常高等小学校卒業
同 年四月 国頭郡各村組合立農林学校入学
同 四十二年三月 同校卒業
大正 三年 四月 東京農業大学入学
同 六年 三月 同学卒業
職 歴
大正 六年 六月 屋部産業組合常務理事選任
同 九年 五月 同組合任期満了
同 年十一月 沖縄砂糖同業組合技手
同 十三年 十月 同組合依願退職
同 年十一月 沖縄製糖会社々員技手
同 十四年十一月 命同社々員技師西原工場農務係長
昭和 六年 七月 同社依願退職
同 年 八月 命国頭郡農会技師
同 八年十一月 同会依願退職
同 年十二月 命沖縄県技手
同 十年 三月 同技手依願退職
同 年 四月 沖縄県農会技師
同 十五年 四月 命同農会幹事兼技師
同 十九年 一月 沖縄県農業会常任理事選任命指導部長
一九四五年 七月 命田井等軍政府勧業部農業顧問
同 年 十月 命田井等市産業課長
同 年十二月 同市依願退職
同 年十二月 命国頭農事試験場長
一九四六年 一月 命北部農林高等学校長兼任
一九四八年 四月 同北部農林高等学校長専任
一九四九年 三月 田井等地区教育会副会長選任
同 年十二月 田井等地区教育委員委嘱
一九五〇年十一月 北部農林高等学校長依願退職
同 年 同月 田井等地区教育委員依願退職
同 年 同月 田井等地区教育会副会長辞任
一九五〇年十二月 命琉球農林省評議員
○議長(知花高直君) 当局の説明を求めます。
◎総務部長(幸地新蔵君) 追加提案を致しました理由を申上げます。昨日、琉球臨時中央政府主席の比嘉秀平さんから群島知事に宛てまして、臨時中央政府立法院参議推薦の件の通牒が参ったのであります。これに依りますと、先に辞表を提出中の立法院参議金城金保氏の離任が米国琉球民政府本部から許可された。それで後任の補充について貴群島において推薦をして貰いたいと、こういう通牒が参りました。幸い議会開会中でありますから、また臨時中央政府でも急を要しているようでありますので、人選を致しまして、従来の例にならって、議会の御賛同を経て、知事は臨時中央政府に推薦した方が妥当ではないかと、又その方がよいのではないかという考えを持ちまして、一応知事が推薦したものをみなさんの御賛同をいただきまして、そして知事は臨時中央政府に推薦をする。そうすると、臨時中央政府の方では軍政副長官の方に推薦して副長官の許可を受け、中央政府の方で任命するという風な形式になるのであります。それで、ここに御賛同をいただきますために取急ぎ提出したのであります。なお吉元氏の経歴につきましては、先にも御注意もありましたので別紙を添えてありますから一応御覧下さい。尚簡単に略歴を申上げますと、屋部村の出身で大正六年に東京農業大学を卒業になっておられます。その後、屋部産業組合常務理事を専任したり、又沖縄砂糖同業組合の技手を致したり、沖縄製糖会社の技手をなさったり、西原工場の農務課長を経て、更に国頭郡の農会の技師をお勤めになり、尚戦前の沖縄県技手になり、更に沖縄農業会ができたときにその技師長になっておられ、又更に農業会の常任理事に選任されて、終戦に到ったのであります。終戦後は田井等市の軍政府勧業部の農業顧問として勤めて、更に農業課長になっていられる。国頭農事試験場ができてからは挙げられていち早く場長を勤めていられます。更にそれに北部の農林高等学校が創立されますと、試験場長を兼務したのであります。
ところが四八年には北部の農林学校長に専任になっていられまして、今日に及び五十年十一月に学校を辞めて只今は琉球農林省の評議員として現在に到っている。
以上簡単に略歴を申上げました。
○議長(知花高直君) 御異議ありませんか。
◎宮城久栄君 中央政府の職員を推薦することは、これは法規による手続ではなく単に依頼による手続と見做してよいですか、どうですか。
○総務部長(幸地新蔵君) 元の諮詢委員会の場合の推薦の方法は、その当時の規定により、この群島からは員数何名、その員数を群島知事から議会の賛同を得て、これを琉球軍政官府に申請する。向うの許しがでたら知事が任命しておったのでありますが、ところがその後は臨時中央政府が出来ましたら、その方の規定が同時に対象になっているのであります。今度は先刻申上げましたような方法に依って、元の推薦方法に依り推薦して、同時にこれは軍の認可を受けて知事の方で任命するのではなく、中央政府の方に推薦をするということになっております。
◎宮城久栄君 推薦については同意でありますが手続の上の問題であるが、議会の権限は第三十七条に議決すべき事件が十二項挙っているが、どこにも該当しないと思うのですが、これは議案とするよりは諮問とした方がよいと思うのですが如何ですか。
群島組織法第三十七条に十二項だけ議会で議決すべきものが掲げている、その中のどれにもこれは該当しないと思う。これは議案でなく諮問にすべきと思いますが如何ですか。
○議長(知花高直君) 暫時休憩します。
午前十一時三十二分休憩
午前十一時三十四分再開
○議長(知花高直君) 開会致します。
◎総務部長(幸地新蔵君) 七番議員の御説の通り議案とせず諮問とした方が穏当だと思いますので、議案第四十五号を諮問第七号に御訂正願います。
◎議長(知花高直君) 只今訂正になりました諮問第七号原案通り賛同致すことに御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
◎議長(知花高直君) 御異議ないと認めます。依って原案通り賛同可決致します。
◎議長(知花高直君) 次ぎに日程第八の五番議員(石原昌淳君)提出の議案第四十六号は議案第四十五号に御訂正願いまして、本案を議題と致します。書記長をして議案の朗読を致させます。
(書記長「新垣良正君」議案第四十五号朗読)
議案第四十五号
坐礁船体並(ママ)桟橋バーヂ取除き方の件につき請願書を提出することについて
坐礁船体並桟橋バーヂ取除き方の件について別紙の通り請願書を提出致したく議会の議決を得たいので提案する。
一九五一年四月二十七日提出
五番議員 石原 昌淳
(別紙)
宛 米国琉球民政長官、同副長官
経由 沖縄民政官
発 沖縄群島議会議長
題 坐礁船体並(ママ)桟橋バーヂ取除き方の件
終戦直後の暴風雨以来今尚その儘沖縄周辺の海岸に醜い残骸を曝して居る坐礁船体並桟橋バーヂの残骸は、沖縄住民はもとより是を見る総ての人々に嫌な戦争追憶の不快を感ぜしめて居り、其のために毎年暴風雨の都度蒙る経済的被害は実に甚大なるものであります。
就中モーラス会社の管理下にありと謂われて居る中城湾一帯は該物件最も多く、ために周辺の防潮護岸は潰され、実に堅固な工事を施され大なる利便と風光を謳われた泡瀬海中道路迄破壊し、桟橋バーヂが農耕地や住宅地区に迄のし上げる様な始末で経済的被害のみならず、其の不安は住民移動を阻害して居り、附近住民は一日も早く是が取除き方を強く要望して居ります。
本沖縄群島議会は、其の取除き方の促進が経済復興のためにも民心安定のためにも緊急重要なることを認め一日も早く是が取除き方御取計下さいます様全員一致の議決を以て請願致します。
一九五一年四月 日
沖縄群島議会議長 知花高直
○議長(知花高直君) 提案者の説明を求めます。
◎石原昌淳君 提案の理由は文面にも現れておりますが、終戦後の暴風で沖縄周辺の海岸にのし上げられております坐礁船体及び桟橋バーヂが、見る人々に非常に戦争追憶の不快な感じを与えていることは皆さんも御同様お感じのことと思うのであります。更に暴風の度毎にこれが海岸の護岸を壊し或は道路を壊し、或は住宅地区にのし上げ、農耕地にのし上げて色々経済的大きな被害を与えていることも事実の通りでありますが、特にこれは中城湾一帯に多いのであります。この一帯はイギリスのモーラス会社が買受けていると云う話でありますが、どうもこの会社は海中深く沈まっているところの金目になるものはどんどん引揚げておりますが、余り金にならない、一番邪魔になっており、目につくもので、我々に不快を与えているものに対しては、その取壊しが非常に遷延しております。我々附近の者として軍にも直接陳情したこともありますが、どうも、このモーラス会社はアメリカの国務省と直結して、然もなかなか力がある由でそれが捗らんようであります。それで強力に軍に請願して早くこれを取除いて貰いたいと云う切なる民の要望もありますので、皆さんの御賛同を得てこの請願書を提出したいと思っております。
(「賛成」と呼ぶ者あり)
○議長(知花高直君) 一寸休会致します。
午前十一時四十分休会
午前十一時四十二分再開
◎議長(知花高直君) 開会致します。本案に御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
◎議長(知花高直君) 御異議ないと認めます。依って第四十五号議案は原案通り可決確定致しまして、議長に於てその筋に手続をすることに致します。
◎議長(知花高直君) 審議未了となっております議案の第三十六号を議題と致します。
◎経済副部長(知念忠太郎君) 第二十条の訂正を致します。
第二十条 度量衡の取締は、これを第一種取締及び第二種取締に分ける。
度量衡器を日時及び場所を指定し所定の検査をすることを第一種取締とする。
前項以外の取締は第二種取締とする。
以上の様に御訂正願います。
◎議長(知花高直君) 只今当局から原案の訂正がありました。原案通り可決することに御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
◎新里銀三君 先程申上げました原器が貿易庁に来ているようでありますが、これは一般販売用と聞き違えておったのであります。若し四群島政府の取るべき原器が来たら早急に何とか受取って貰わなければ結局度量衡器の検査の基準がなくなりますので出来るだけ早く貿易庁から引取って貰って早く原器として取締をやって戴きたいことを希望する者であります。
第九条の液体以外のものは秤を以て取引することにつきましては早急に一般に周知せしめて、早急に実行するようお願いする次第であります。次は石灰業者の石灰の販売方法はこれを是非業者に通達して貰って、あの使っているところの箱は少く(ママ)入れても百斤、実際は六十斤しかない、結局六十斤の石灰を百斤の値段で売っておりますから、それも秤でやるか、そうでなければ百斤入れる箱を作って貰うように通達することを希望致して原案に賛成致します。
◎議長(知花高直君) 御異議ないと認めます。依って第三十六号議案を原案通り可決確定致します。
◎議長(知花高直君) 本日はこれで散会致します。明日午前十時再開致します。
午前十一時四十七分散会
出席者は左の通り
議 長 知花 高直君
副議長 稲嶺 盛昌君
議 員 与儀 清秀君
同 仲村 栄春君
同 石原 昌淳君
同 普天間俊夫君
同 宮城 久栄君
同 平良 幸市君
同 玉城 泰一君
同 松本 恭典君
同 具志頭得助君
同 長浜 宗安君
同 新里 銀三君
同 新城 徳助君
同 野原 昌彦君
同 山川 宗道君
群島知事 平良 辰雄君
総務部長 幸地 新蔵君
財政部長 宮里 勝君
文教部長 屋良 朝苗君
法務部長 知念 朝功君
総務副部長 稲嶺 成珍君
経済副部長 知念忠太郎君
予算課長 糸数 青重君
農務課長 森根 武信君
人事課長 比嘉 幸安君
統計課長 岸本 政智君
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