- 組織名
- 沖縄民政府
- 開催日
- 1948年12月31日
(昭和23年)
- 会議名
- 部長会議 1948年12月31日
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- 議事録
- 部長会議〔薬品値上げ・徴税・特設売店〕
一九四八年十二月三十一日(金)
出 席 志喜屋知事、島袋官房長、又吉総務部長、文教部長、経済部長、通信部長、高嶺警察部長代理、衛生部長、宮城司法部長代理、財政部長、渉外局長、伊藝工務部長代理、貿易庁委員長、仲原開拓庁長代理、情報課長、社会事業部長。
※与那城村分村希望側より分村陳情のため定刻より遅れ午前十時半開会す。
協議事項
知事
開会を宣す。
渉外局長
十二月二十九日午後二時半のマシュウス大尉との連絡会議事項の報告。
十二月三十日午前九時のマ司令部琉球軍政局長ウエッカリング准将との会見内容報告。
知事
今の行政上の話は外にもち出さぬよう。又何時変るかしらんし。
衛生部長
薬品値上の問題。
今までは軍からたゞでもらってゐる。今度入ったものからは民政府で代価を払ってくれといってゐる。四月まではまってくれと言った。スミス氏が一ドルするものを十円払へと。そうなると財政部は四苦八苦する。
今の値段を改めてみようと思ふ。今衛生部の予算は六〇〇万円である。四月からとった薬価代が四〇〇万円。六〇万ドルが六〇〇万円となる(薬価)。
衛生部のと合して、一、二〇〇万円。
値上薬価・医療費等表により説明す。後日刷物にして上げる。われわれの方で一、二〇〇万円一ヶ年に稼ぐと財政部は困らぬ。
貿易庁長
各部関係資料。来年六月までの予算。大体何万ドルとわかる。六月以後のは内容不明。
公職者は最低にする。
警察
公職者は家族もか。
衛生
そうです。
知事
伊江島の被害者の救済は社会事業部で考えて下さい。
衛生
軍労務者は規定通りやる。軍に話してある。
司法
現在の税は生活の基礎控除なしか。
財政
今はない。
経済
俸給生活者以外は必要経費はひくか。
財政
ひく。
特設売店の未設置の今、補給物資は現在の値段にしてもらって、俸給は二倍にする案をもってゐる。
衛生
二倍上っても非合法的生活をやることになる。そのことは行政力の低下となる。
経済
特設売店については軍は考慮中。技術上、輸送上の問題が困難のようだ。
渉外
今の財政部長の案はよいと思ふ。補給物資はそのまゝにし、或はもっと下げて、当分俸給は二倍にしておく。つまり窮状を訴へるための技術面の問題になる。
衛生
二倍では何もならん。早く特設売店が出来るようしっかりやって下さい。今のまゝで延び延びしてゐると住民は充分食ってゆけるからとそのまゝ放置されるおそれがある。
総務
だから二倍にするといふのには条件がある。
渉外
当銘さんの案は軍の財政部には相当ひゞいてゐる。
財政部長の案は有力と思ふ。
財政
何をするにも金、税収入を上げねばならぬ。
総務
明日(元旦)の車はどうなるか。各部長の家で今度はやるので。
工務
休みでも全部動くようです。
文教
動かない。むしろあなたの方丈けでせう。外は動かぬ。
知事
工務で出来るだけはかってもらひたい。
官房長
三日午前十時に職員全部集合のこと。御用始の式がある。
知事
神山政良氏より書信受く。
親泊さんの新聞に材木を日本から沖縄へ送りたいと社説かに出て問題になってゐたが、神山様から斯ういふ通信があった。手紙朗読す。
余りあてにされないように。材木を送ることは容易でないと考へよとのこと。
それに関して鹿児島の儀間周弘氏からこう来てゐる。手紙の概要を伝達す。
貿易庁
日本のウィリッツさんに交渉したらわかると思ふ。
知事
恩給の件。手紙朗読。
沖縄県庁職員恩給に関する件。今のところ恩給は貰へるといふことになる。
ニューヨークの仲村信義氏からの私宛私信に、海外協会の記事を沖縄の新聞でみたといって意見を送ってある。海外協会は不必要と思ふ。海外では前にあったが評判が悪くて解消したと。今は海外各地に強固な団体が出来てゐる。その上に海外協会の支部でも作らされたら折角のものが無駄になる、と。
情報課長
戦前の支部はこちらからつくらしたのか。支部設置は私の知る範囲では考へてゐないらしい。
知事
沖縄の友について同じ人から官製だといって来た。
之については経緯を書いて送ったら、よくわかったと来た。
渉外
アメリカの友の会については全部クリスチャンだと誤解してゐるらしい。
工務
明元旦の車。知事、副知事の車の外、十三台は許された。その十三台は官房で考へたらよい。
以上、正午頃済
※引きつゞき後、宴会にうつる。
酒肴は経済部より。
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