戦後初期会議録

組織名
沖縄民政府
開催日
1948年03月18日 
(昭和23年)
会議名
クレーグ副長官・知事会談 1948年3月18日 目録詳細 画像を見る
議事録
クレーグ副長官・知事会談〔四知事会議・比島兵〕

  三月十八日(木)午前八時半
  クレーグ副長官・知事会談(通訳比嘉外事課長)
  於軍政府
諮詢事項
 副長官
  一、両先島知事より志喜屋知事へよろしくと。
   両先島から豚肉を貰って来たが、半分は知事と護得久様に上げて、半分はドートリー大佐に上げる。
  二、四月二十二日に四知事会議を開く予定である。
  三、四月二十四日民政府創立記念日であるから他の三知事も招待して盛にする様にと。
  四、比島兵の件。
   比島兵に関する陳情を見ました。ヘードン准将も同意である。成るべく比島兵を帰へしたい。
   上層部の許可の来る迄では時間を要す。其間悪い者が居たら警戒し彼等の武器は取り上げる。
   此の話はラブリー少佐、ウイルソン中佐からも知事から話があったことを聞いた。
   比島兵の暴行については事大小なく報告されたい。
 ドートリー大佐(軍務局長)
  出来るだけ事件の事実を詳細に報告されたい。比島兵を帰へすことは全琉球から除きたい。
  沖縄青年を訓練してやりたいことはクレイグ副長官から上層部に申請します。
  何時から訓練するか。
 志喜屋知事
  早速訓練されたい。早く実行されたい。
 軍政府
  立派な服装や高い給料や適当な武器を携帯させる(沖縄の国民軍の様なもの)。
 軍政府
  布哇の更生会からクレーグ副長官宛留学生に対する書類が来ました。吾々は沖縄人の友人だから将来も沖縄のためになることを考へたい。それには日本に留学生を送るよりは米国に送りたい。それには英語教育を奨励されたい。学校の英語は進歩して居るか。
 志喜屋知事
  英語は上達して居ます。
 軍政府
  鶏三、五〇〇羽送ることになって居る。
  其件は軍政府から要求しておいた。
 志喜屋知事
  布哇更生会からの書類はラブリー少佐を通して拝借致したい。
 軍政府
  米国から来沖するムーアー、コーラン両氏の銀行家が三月十八日午後一時軍政府に来るから護得久氏、池畑氏、当銘財政部長、知事、副知事、通訳同道同時刻まで軍政府に来られたい。
  護得久氏、池畑氏に通知されたい。
 ◎ヘードン准将からの注意。
  沖縄人が泡瀬付近(ヘードン准将宅界隈)で伐木して居るから禁ずる様注意を発せられたい。許可なく伐採する者は厳罰に処すると。
  尚沿道の樹木を伐採せざる様注意されたい。
 ◎比島兵が暴行する場合は女でも比島兵に傷を付ける様にせよ。場合によっては殺してもよい。
 ◎知事、チェース大佐にお礼を述べたら喜ばれて居た(花瓶送呈)。
  ウイルソン中佐にも面会した(キーリング中佐室で)。
  帰途ゲソリン大佐にも敬意を表した。
  同大佐曰く「六月迄では困難な時期と思ふ。ヘードン准将、クレイグ大佐が交代し新しい人が来る迄で彼等と調子を合さなければならない。」
 志喜屋知事
  後任は貴方ですか。
 ゲソリン大佐
  其時になって見なければ判らない。
  貴賓室として外来の客のためコンセットでも建てて待遇した方がよいだらう。
  管理はホテルに委してもよいが貴賓の来る時は他の宿泊人を外に宿泊させる様にしたら如何。
  山田社会事業部長は英語は話せないが良。
 志喜屋知事
  ウイルソン様(文教部)に対し学校資材蒐集につき感謝の意を表す。
 クレーグ副長官
  私もドートリー大佐も六月二、三日頃出発します。
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