戦後初期会議録

組織名
沖縄民政府
開催日
1947年09月05日 
(昭和22年)
会議名
軍民連絡会議 1947年9月5日 目録詳細 画像を見る
議事録
軍民連絡会議〔夜間通行・マック司令部派遣医師〕

  九月五日(金)午後二時半
  出 席 志喜屋知事、又吉部長、島袋官房長、比嘉翻訳課長。
  軍政府 レートン中佐、東通訳。
諮詢事項
 軍政府
  警察から夜間通行を十時迄で許して貰ひたいとのことであるが知事としては如何なるものか。
  警察とスキウス様とは既に協議が纒って居る。
 志喜屋知事
  団体をなして通る時は冬は九時、夏は十時迄で許されたい。
 軍政府
  男女一緒の団体ならよい。
 ◎仲泊から読谷にかけて来週月曜日から一週間比島部隊が演習するから付近の住民に注意を発せられたい。日中は外出してよいが夜間は外出するな。
  電話線を切断しない様注意を発せられたい。
  八重山の慰問団に車を世話する様クレーグ大佐から松岡部長への伝言である。
  昨日久場崎近くで一老人が軋かれたがそれは道を横断するためにやられたから注意を要す。
   一、子供を車道に出すな。
   二、道を横切るに左右を見て横切る。
   三、歩行の時は左側の端を通る。
  以上の点を市町村長、学校に注意を促がし尚新聞にも記載し注意をされたい。
 ◎女等が挙手して車に乗らうとする。
   一、米人の車には乗せないことになって居る。
   二、悪い米人が運転手なら危険を伴ふ。
   三、急に道路に飛出すと危険である。
  注意を要す。
 ◎那覇からの建物の使用につき知事から提出した件は許可になった。
 志喜屋知事
  西原にあるバトラー型の建物を文教部に払下げて貰いたい。
 軍政府
  学校には無駄が多いから勿体ない。当分使へない。
 志喜屋知事
  台湾官吏の俸給々料等の請求書を早く東京の残務整理所へ送られて貰いたい。
  該書類は軍政府司法部に廻って居ます。
 軍政府
  其件について残務整理所に三、四回も交渉しましたが今の所支払ふ金がないとのことである。
  日本が支払ふものは郵便貯金、公債、銀行預金の三つは日本から取れると。
  宮古・八重山の人が取って来たら如何なる方法で取って来たかを報告されたい。其れを参考にして世話してやりたい。金を取った手続順序を報告されたい。
  郵便貯金、公債、銀行預金が取れると云ふことはリース様(軍政府財政隊長)から聞いたことでもう一度たしかめるから保留されたい。
 志喜屋知事
  土地調査の進捗状況を報告す。
 軍政府
  移動して居ない読谷、北谷は車を出してやり、予算は総務部のものを流用してやられてよい。
 志喜屋知事
  天願倉庫の指令(民政府移管)の疑義につきて正す。
 軍政府
  文の誤りで倉庫長は部長の下に在るが知事とクレーグ副長官と相談して知事が任命する。
  重要な所であるから知事が任命する。実際は知事から部長に命じてさせてよい。
 又吉部長
  伊江島の立除きは如何なりますか。
 軍政府
  まだはっきり分りませぬ。
 志喜屋知事
  配給を早くさせて戴きたい。
 軍政府
  労務者が働かないから。
 志喜屋知事
  今後労務者をよく働かしますから早く配給して貰いたい。副食物も同様に御願ひします。

  九月六日(土)
 マック司令部からの派遣医師、知事と懇談。
   Do.Wheeler,Mr.Turner
 マック司令部(ターナー)
  吾々は伝染病予防の指導に来沖しました。
  マック司令部は沖縄に関心を有って居る。
  衛生部と協力して村々の清掃及蚊の撲滅に来ました。住民に何のために来たかを熟知させられたい。
  蚊を殺す外器具・薬品を揃へたい。
  各人が衛生の仕事は日常の仕事であると云ふことを熟知させる訓練が必要である。必要な道具等も揃へなければならない。
  沖縄は世界の市場、遊覧地、産業地として健康地でなければならない。
 フィーラー氏
  指導者に蚊や蠅等が如何に媒介するかを知らせたい。蚊や蠅等が伝染病媒介物なる性質等を知らせたい。
  学校の生徒児童に蚊蠅を殺すに如何すれば多く殺すかを工夫させたい。其方法を一般住民に展示する方法もよい。高等学校の生徒には文書を以て発表させるにもよい。
  指導者は住民に蚊蠅を撲滅する方法を教へられたい。
  以上の運動の中心は衛生部でやる。各地区は衛生主任が責任を以てやる。
  住民二〇〇人に対し一班の衛生班を組織する。此の組織は臨時的でなく永久的に組織す。此組織は蚊蠅を撲滅し又外の衛生をも担当す。
  蚊蠅の撲滅薬は近日中多量に来る。
  薬品撒布前に各家庭は清掃をさせて置く。
  蚊の発生は水溜をなくすることである。
  薬品撒布した家は印をしておく。
  農家に関心を有たす様にしたい。
  飛行機からも撒布します。
  デ・デ・テーは害虫のみならず益虫までも殺す時があるから成るべくは撒布しない様に努めたい。
 ◎衛生部と協力を要す部門は農務・文教・文化・工務・警察である。
  予算面から又財政部と協力す。
  以上の事を徹底させるには新聞等に掲載することに注意を要す。
  来る水曜日は知念地区で実施撒布をします。
  大人の習慣は変へ難いから学校の生徒から訓練し習慣を養成したい(蚊蠅の撲滅)。
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