- 組織名
- 沖縄民政府
- 開催日
- 1946年08月23日
(昭和21年)
- 会議名
- 部長会議 1946年8月23日
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- 議事録
- 部長会議〔帰還者・軍作業・物価〕
八月二十三日(金)午前九時
出 席 志喜屋知事、前門部長、護得久部長は代理者、外各部長出席。
協議事項
又吉部長
帰還者の報告。
去る十七日県外よりの帰還者五五六人(第一回)。
帰還者に対しクレーグ大佐、知事より歓迎の辞を述ぶ。
第二回は十九日着。一〇四七人中一人は死亡。
糸数・安谷屋両部長の御子息も無事帰還。
クレーグ大佐は入船毎に来られて、整頓や掃除等を良く見て居る。
今回の受入に対しては成功したものと思ふ。
大宜見部長
二回目の死亡者・岸本其の死因は気管支炎、マラリヤで帰還者に伝染性疾患はない。
志喜屋知事
軍政府は帰還者受入れに付ては用意周到である。
予行演習も二回やった。
又吉部長
受入に対し各部から応援やられて居ることに付き仲本所長から感謝して居ますが、腕章着けて居る者が多くて整理に困って居るとのことであるから各部でも御注意を願ひたい。
仲村部長
収容所入口では厳重に取調べて居る。私も止められて調べられレートン中佐も帰へされた。
安谷屋部長
所持金は如何なるか。
糸満課長(財政部)
多い者は七、〇〇〇円程持って居る。金所持者は八〇〇人程と予想して居る。
未だ四〇〇人しか調べてない。検疫後直ぐ所持金を申告させる。
朝鮮人は何万円と持帰へした様だが沖縄人は一、〇〇〇円と制限されて居る様です。
安谷屋部長
帰還した徳永と云ふ班長らしい人が、帰還者の所持金を徹底的に調査して欲しいとのことであった。
又吉部長
軍政府では帰還者に歓迎の意を表はせと。英語・日本語・沖縄語で歓迎の辞を掲げて居る。クレーグ大佐は帰還者に対し規則を守れ。
沖縄では自由を許されて居ない。食糧は心配はないと云はれた。
志喜屋知事
英語を話す者は俸給一割を上げよとクレーグ大佐は云はれた。
英語を話す者は手を挙げよと云はれたが挙手する者一人もなく、学校で学んだ者はと質ねられたら二十三人居た。
日曜日に自動車を遊事半分に乗廻はす者が居るから注意せよとのことであったから御注意を願ひます。
山城部長
軍作業の労務は労務部を通して傭ふべきではないか。
労務部長
労務部を通して傭ふべきである。軍の者が機構を知らないで直接傭ふ者が居る。
給料も一、二ケ月未払になって居る者もあるが之等に対しては市町村長にも早速報告する様に通知してあるし、又軍にも規程通り支払ふ様申請して居る。
志喜屋知事
国頭方面から中頭・島尻に藷の値段を暫定措置として三十銭で送りたいがとレートン中佐に話したら、之はウイルソン中佐に話す様にとのことで、ウイルソン中佐に話したら公定価格があるから勝手に変更は出来ないとのことであった。私も財政には詳しいから許されない。物価は臨時措置では良くないと。
糸数部長
物価問題の解決は如何?
南部地区には藷、蒔がない。二ケ月後には立上るから其間何とか考へたいとのことに対し今後は全部知事の責任である。民政府はやるべきことはやって居るか。民政府の経済政策は何所にあるかとの質問も受けた。
それから本日六時迄に報告するから一番必要なものを一つ云へとのことであったから、燃料問題を解決するため油を注文してくれと云った。
志喜屋知事
各部から物品を要求する時各自係将校を通じて話す必要はない。知事を通してなせと軍政府より云はれた。
例せば文教部にジープがない為め係将校に願った所、知事に対し何故文教部には渡さないかと来た。
大宜見部長
私の方ではタイプライターくれとサプライの将校に云ったら簡単にくれた。
安谷屋部長
沖縄人は最低限度の生活を保障すると云って居る。
志喜屋知事
商務部長は国頭方面の米を少し島尻方面に廻はす様に。
比嘉部長
屋我地に舟艇を動して甘藷を羽地に運ぶ様にしてくれ。
又吉部長
久志で藷・米を買って闇売をする事実がある。商務・警察は知るや否や。
大宜見部長
医師の俸給は現在十四級五人、十三級五六人、十二級 〔欠字〕人居るが往診等もあって二十四時間勤務になって居るから俸給を上げて呉れる様に御承認を乞ふ。代診は五級から十一級迄上げて貰いたい。
全部長
之を承認す。
松岡部長
ウイルソン中佐と非公式に話したが、民政府は何時引越すやと問はれたから、近く公式に話があるかも分らぬ(之に対し各部長の意見まちまちにして纏らず、首里・那覇近傍に移すことに対しては大体反対なき様に認められる)。
志喜屋知事
ハワイからのP・Wの話によると布哇に於ける労務に対し報酬はないものと思ひ病気と称して怠ける者あり。帰郷後二、〇〇〇円程の報酬あるにより働く様何等かの方法で知らしめたい。
又布哇に於て帰郷後の就職運動の閥が出来て居るとの話もあるから、各部は職員採用の場合は立派な人物を採用する様に。
又吉部長
喜屋武の全部、摩文仁の一部は射的場になるから移転せよとのことで区長会を開くことになった。
戸数二〇八戸、人口一、七六一人である。
玉城部長
鰹節が宮古に三万斤ある。之を沖縄に移入せしめんかと上原事務官が出張して居る。
沖縄の公定値は四円三三銭で宮古は二〇円余りの様だから、現金では出来ず見返へり品でやる考である。
比嘉部長
米国から種子物が一五、〇〇〇円位のものが来て居るが沖縄のみでは消費出来ないから大島の牛と交換したい。
安谷屋部長
首里・那覇付近工業地帯として申請中であったが元の澱粉工場、安里付近工場地帯として使用することに許可なった。
又台湾から煉瓦八万枚購入に来て居るとのことで事実なら資材と交換することに考へて居る。
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