戦後初期会議録

組織名
沖縄民政府
開催日
1946年08月16日 
(昭和21年)
会議名
軍民連絡会議 1946年8月16日 目録詳細 画像を見る
議事録
軍民連絡会議〔八重山炭鉱・物価・食糧〕

  八月十六日(金)午前九時
  出 席 志喜屋知事、又吉・安谷屋両部長。
  軍政府 ウイルソン中佐。
諮詢事項
 志喜屋知事
  八重山炭鉱につきて。
 軍政府
  炭鉱は一応軍政府で接受す(目下研究中)。
 志喜屋知事
  其れを希望す。毎月五、〇〇〇トン採掘して五〇〇年の寿命がある。
 軍政府
  調査書を提出せよ。
 志喜屋知事
  大東支庁長及其外の職員も近日中出発することになる。
  支庁長及工業部の人々も一流の人を推薦してある。
  支庁長及工業長には七〇〇円の俸給を与へたいから御了承を願ひます。
 軍政府
  重要なことだから増俸の理由を文書で提出せよ。
 志喜屋知事
  翻訳員も最と待遇したい。クレーグ大佐からも話があった。
 軍政府
  之は大東庁長とは違ふからレートン中佐に文書を以て提出せよ。
 志喜屋知事
  日本に居る日本人を希望であったら日本に帰へしたい。一一三名居る。
 軍政府
  帰へすことにする。
 志喜屋知事
  南北大東の連絡船が欲しい。
 軍政府
  既にボート一隻はある。
 志喜屋知事
  沖縄本島の南部は甘藷がなく国頭地方から送りたいが十六銭の値ではいけないが三十銭にして臨時に有無相通じさせたい。
  其差額は財政部で補償することになって居る。
 軍政府
  財政部の金銭の件はリース中佐との関係である。
  臨時にでも物価を騰げることは賛成出来ない。
 志喜屋知事
  目下物価を騰げんとの計画中である。
  南部は食糧に困って居る(島尻方面)。
 軍政府
  闇を取締ることが大事である。
 志喜屋知事
  先島、大島の物価の値段を説明す。
 軍政府
  先島、大島とは目下経済の関係はない。
 志喜屋知事
  物価を研究します。
 軍政府
  藷の値騰げの理由が成り立てば騰げてよい。何故決定した値段で出来ないか。
 志喜屋知事
  翻訳して原価及び理由を提出する。
 軍政府
  闇取引の取締りは司法部でやるべきである。
  一部の人に食べさせるため及一部の人のために民政府として金を出すのは如何なるものか。
 志喜屋知事
  今までの闇取引は遅配の関係である。
 軍政府
  闇で買ふ人は咎められない。
 志喜屋知事
  軍倉庫からの食糧品の積出状況を話し其ため遅配になって居る。
 軍政府
  係将校に話したこともあるが補給部では手が不足と云って居る。
 志喜屋知事
  天願の倉庫を軍から糸数商務部長に渡して民政府に責任を持たしたら如何です。
 軍政府
  海軍政府の時は戦争中であって五〇〇箱の食糧を失っても問題にならなかったが、七月一日からは平時として居るから一つの物品も失ふことは出来ない。
 志喜屋知事
  米国食糧の或物品に対しては自由販売させては如何。
 軍政府
  食糧の献立があるが油の代用にバター、砂糖の代用にジャムが来るが健康を保持する上に食訓練をなさしむ。
  現在は上下層の生活者なく、一様に生活させる様になって居るから適正配給をすべきである。
 志喜屋知事
  首里・那覇間の工場地帯は許可になった。
 軍政府
  那覇方面は沖縄人が関心を持って居るので軍政府でも出来るだけの許可を与へたい。
  水道の方にはよく注意する様に。
 安谷屋部長
  直ちに仕事を開始したい。故に従業員を早く移動させたい。
  建築資材を早くお願ひしたい。
  石灰製造用のエンジンボート六つ欲しい(八ヶ所あるが二ヶ所は所有して居る。残り六ヶ所用として)。
  人形の着物には裁縫の切布では少数で仕事にはならないから布が欲しい。
 軍政府
  幾何必要か。
 安谷屋部長
  一ヤードで四、五個は出来る。
  土産品の陳列館を軍政府付近に移したい。
 軍政府
  現在の所でよいではないか。
 志喜屋知事
  毎日連絡車があるから用向の時は伝言を乞ふ。
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