戦後初期会議録

組織名
沖縄民政府
開催日
1946年07月29日 
(昭和21年)
会議名
部長会議 1946年7月29日 目録詳細 画像を見る
議事録
部長会議〔先島統合に関する各部案・配給〕

  七月二十九日(月)午前十時
  出 席 又吉、島袋、當銘、池原(公衛)、平田、仲村、司法、糸数、山城、當山、比嘉、上原(水産)、護得久、安谷屋、松岡の諸部長。
  欠 席 志喜屋知事(コザ行)。
協議事項
 又吉総務部長
  宮古・八重山の統合につき同支庁長を公選にすると先島人のみが長になるので然うなると独立国の様になるから知事の任命にした。
 仲宗根課長(総務部)
  総務部統合案を説明す。
 全委員
  異議なし。
 糸数部長
  本島の採った形式で町村選挙をしたら如何。
 當間課長(総務部)
  選挙の自由を与へられて居るが後戻りする感があるから。
 島袋官房長
  先島は言論の自由、結社を絶対に許して居るが之を軍政府に本島を基準に置くべく願ったら如何。
 仲村部長
  警察部案を説明す。
 護得久部長
  経済警察取締員を増して厳重にやったら如何。
 又吉部長
  仲村部長は護得久部長の精神を汲み取られたい。
 司法部
  説明をなす。
 平田部長
  通信部の説明をなす。
 山城部長
  文教部案を説明す。
 當山部長
  文化部案を説明す。
 又吉部長
  財政部長にお願ひす。
 護得久部長
  財政上本島と先島とは趣を異にして居る。歳入は先島は該地のものを以て充当して居る。徴税も現在の通り行ふ。
  銀行は沖縄に統合し本島の中央銀行に吸収す。
  支店は本島同様にする。
 又吉部長
  流通貨幣につきては商務と打合はされたい。
 糸数部長
  財政・労務と関係があると思ふ。
  物価も賃銀も一所にしたい。物価・賃銀を目標に置き徒に経済生活を困難に陥らさない様にしたい。
 ◎機構販売につきて。
  販売を村に帰へす必要はない。現在の商人に販売させる。
 當銘部長
  労務部案を説明す。
  賃銀は物価査定の時本島と同一にしたい。
 上原課長(水産部)
  水産部案を説明す。
 安谷屋部長
  工業部案を説明す。
 比嘉農務部長
  農務部案を説明す。
 池原課長(公衛部)
  衛生部案を説明す。
 松岡部長
  工務部案を説明す。
 護得久部長
  先島の通貨縮小につき軍政府と交渉しつゝあるので軍政府としては軍直接に縮小せんとする意向である。本島も然り。
 糸数部長
  去る金曜日の説明の続きをなす。
  商務を軍政府倉庫の所に移転したら如何と云っていたので、私は商務は民政府であるから知事と一所でなければならいと回答した。軍政府は商務部から三人を軍政府倉庫に置いたらとのことであったから、一昨日から三人を該所に遣した。
  軍政府からの配給表によると宮古・八重山及大島も本島よりの配給になって居る。
 ◎物価問題につきて。
  軍政府よりの補助は見込みない。理論に通る様な価をやる様にと。軍政府の認める方法は今年のものを買上げ制にしたら如何と。
  外の藷や野菜等は生計を脅かさない範囲で騰げてよい。買上げは民政府でやる。所得税やスポイルの代を以て充当してよい。
 ◎戦前よりも現在は物価が高くなって来た為め、商務部関係に問題が起って来た。
  物資輸送のため夜十一時頃まで働くと何か食事を与へなければならないから其食糧を与ふべく軍政府に証明書を出して貰ふことになった。
  先日の事件の顛末を説明す。軍倉庫との関係で軍事裁判に付されている。お詫申上げます。
 又吉部長
  米の値段につき知事にも軍政府から係将校が来て居た。
 比嘉部長
  十九円余の一ケ月の生活費は何を基準として出て来たか。
 糸数部長
  軍政府の計算は一人一日当り壱円弐拾六銭として居る。
 大宜見部長
  軍の配給カロリー及其生活費では目下維持し行くことは出来ない。故に改正すべきである。
 仲村部長
  今期の米の配給は如何にすべきか。
  米価が決ったら早く供出集荷して配給しないと横流れして困ることはないか。
 比嘉部長
  農務には配給権はないから商務の方で各町村に命じてやられたい。
 又吉部長
  九州方面の食糧は心配なし。疎開者帰心矢の如しと。
 仲宗根課長(総務部)
  三五、〇〇〇人の受入準備の説明をなす。
 大宜見部長
  最後の受入町村の人員を知らして貰いたい。
 護得久部長
  貨幣交換の件であるが久場崎及其外の収容地に居る間に交換したい。
 安谷屋部長
  現在輸送の食糧は何月分であるか。
 糸数部長
  自七月十四日至八月四日のものである。
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