戦後初期会議録

組織名
沖縄民政府
開催日
1946年07月26日 
(昭和21年)
会議名
部長会議 1946年7月26日 目録詳細 画像を見る
議事録
部長会議〔闇・先島統合・食糧〕

  七月二十六日(金)午前九時
  出 席 志喜屋知事、又吉、大宜見、玉城、當銘、平田、山城、松岡、仲村、糸満(財政)、久場(商務)、當山、護得久、前門、安谷屋、比嘉。
協議事項
 志喜屋知事
  去る廿四日ワトキンス少佐外数名帰米しました。
  去る二十三日島尻の町村長が農村復興の件で陳情に参って居た。
  部員で盗をして検挙されて居る者がある。
 久場課長
  其内容(盗)を説明す。
 志喜屋知事
  宜野座警察署の報告。
  食堂部として何々部のトラックが闇買出に行って居ると。
 ◎懲罰委員会を設けたいが。
 護得久部長
  通貨膨張のため闇をするが、通貨縮小も出来るが而し後には物々交換になって通貨の意味をなさないから物の制限をして後懲罰委員を設けたい。
 志喜屋知事
  部員に素行悪い時は直ちに知事に報告(文書を以て)する様に願ひたい。
  商務部は早速(盗みの件)報告すること。
  知念地区でM・Pと補助M・Pで物資所持につき調査した所区長と売店関係の人々が多分に持って居たとの報告があった。
 當山部長
  去る火曜日内山と云ふ慶良間鉱山夫と云ふ者が乗り、又二、三人の青年がホテルの前から乗ったが其二人は宣撫員として内山氏を連れんとする者である。
  水曜日に宣撫員が文化部事務所に来て過日の件を詰る。宣撫員はすさんだ態度で居た。
 玉城部長
  水産部の杉田氏を連れ行ったが未だ帰へって来ない。
 志喜屋知事
  本日の連絡会に釈放方を願って見ます。
 大宜見部長
  杉田氏は兵でないことを私が引受ける。
 志喜屋知事
  目下俸給等の支払ひのため各部に会計が居るが、護得久部長の方では隊長の話であったと云ふことで此各部の会計を財政部に統一せよとのことであると。
 糸満課長(財政)
  知事の前述の話を敷衍す。
 島袋官房長
  各部長の責任で旅費を請求す(部長・知事の決裁を得て)。
  テニアンから帰へって来た兼城村の徳松氏から二、六五五円民政府に寄付す(銀行に預金し置く)。
  預金帳を財政部に上げます。
  漁具も持って来たから利用されたいと。
  漁船は該地に置いて来たから之も軍政府と相談の上取寄せて利用されたいと。
 比嘉部長
  八重山に台湾人が入り込んで来るが軍政府と相談して帰へしたら如何。
 島袋官房長
  宮古・八重山の統合案を明日迄で提出。来る月曜日の部長会で研究す。
 志喜屋知事
  宜野座に居る読谷山、那覇及久志村に居る伊江島の住民が食糧不足を来して居るとのことであるが之に対する方法はないでせうか。
 仲村部長
  国頭方面は生産物があるから之等の配給食糧を苦しい所に廻はしたら如何。
 志喜屋知事
  之を実行しますか。
 全委員
  異議なし。実行したい。
 志喜屋知事
  商務部で早く立案する様に。
 久場課長(商務)
  軍政府で食糧割当をして商務ではしない。
 比嘉部長
 ◎経済指令に農業会は生産物を集荷せよと。
 ◎町村長が生産供出高を命令し村の売店に受取らす。
 ◎農業会は町村長の責任でやる。
 ◎村長に配給割当をする指令を出すのは商務部の責任である。
 志喜屋知事
  地方の生産物を考慮して米国品を配給して居るや否や。
 糸数部長
  考慮して配給して居る。
  物価は騰げなくてはならないが而し消費者は困る。
  米国の米価と農産物(本島)の値段との差額は補助をしなければならないが。
  生産物価を上げる差額は民政府が補助するか軍政府が補助するか。民政府の補助として所得税を取っては償はない。
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