- 組織名
- 沖縄民政府
- 開催日
- 1946年07月03日
(昭和21年)
- 会議名
- 経済会議 1946年7月3日
目録詳細 画像を見る
- 議事録
- 経済会議〔各部復興計画案・耕作・建築資金〕
七月三日(水)午前九時
出 席 志喜屋知事、比嘉、安谷屋、松岡、大宜見、池原(衛生部)、糸満(財政部)の諸部長。
軍政府 ローレンス少佐、其後任のウイルソン中佐。
諮詢事項
志喜屋知事
学生のカロリーは三、〇〇〇カロリーにして貰いたい。
軍政府
二、二〇〇カロリーでは如何。
大宜見部長
二、二〇〇カロリーでよからう。
松岡部長
二月以降の工業品代は七月分の予算に編成す。
志喜屋知事
◎農務部の復興計画案を説明す。
軍政府
荒廃地は割当てられて居るか。
比嘉部長
割当てゝ居る。
軍政府
割当てられて居るなら賃銀は要らないでないか。
比嘉部長
耕作はするが農民は賃銀がないから生活に困る。
生産物は六ケ月後でなければ出来ない。賃金があれば農耕能率も挙る。
軍政府(ウイルソン中佐)
一家族に若し二人の働手が居れば二〇〇円の金が要るか。
志喜屋知事
然うなります。
軍政府
六〇〇町歩は軍政府から許可になったものか。
比嘉部長
然り。現在の許可は四一、〇〇〇エーカーで耕作高一一、〇〇〇エーカーである。
志喜屋知事
之を耕作せば自給自足が早くなる。
軍政府
残りの土地は如何なるか。
比嘉部長
其後は農民も生活安定して段々と開拓して行く。
軍政府
沖縄全島か。
比嘉部長
戦争被害のない所は省いて居る。
志喜屋知事
農民は生産物を卸で村店に出し之を小売値で買って食べる。
故に農民は不平して生産意欲を殺ぐから其卸値と小売値の開き高を与へる。
卸値と小売値との開きは平均二割である。
軍政府
水産物も包含して居るか。
志喜屋知事
之には包含されて居ない。
軍政府
水産も之に包含した方がよいか。
志喜屋知事
水産も包含した方がよい。
比嘉部長
肥料助成費を説明す。
茅、木炭、防風林の補助費説明。
灌漑排水の説明。
松岡工務部長
工務部復興計画を説明す。
大宜見部長
衛生部復興計画案を説明す。
蚊張、糞尿溜、養魚池。
安谷屋部長
工業部復興計画案を説明す。
帽子原料蒐集。
蒐集に要する人員毎日三八〇人。
漂白して原料になれば毎日四、〇〇〇人。
軍政府
材料は如何するか。
安谷屋部長
営業者に売却す。
軍政府
帽子は沖縄内で売却するか。
安谷屋部長
米人の土産品や貿易の出来る時は米国に輸出す。
廃品蒐集計画を説明す。
梯梧の植林。
志喜屋知事
可働受救者数二二、五八三人。
減俸剰余金額。
軍政府
衛生、工業の計画費は月六〇〇万円の外に入れるか。
多額の金額が流通するが如何なるか。
糸満氏(財政部)
銀行と財政部と打合せて後に回答します。
志喜屋知事
家屋の建築資金として強制貯金をさせる。
軍政府
此の計画につき知事は軍政府に陳情するか。
志喜屋知事
ローレンス少佐と詢って実現したい。
軍政府
相当の理由が立たなければならないから理由の立つ様に文を作って正式にお願をすること。
例 生産増加のため米国よりの輸入品が縮減するとか。受救可働者を可働者たらしむる等。
此計画につき個人的には賛成である。
部分的には不賛成の点もあるが而し知事の信念を以て説明、理由を明細にして出す様に。
◎決算は明細にして早くやる様に。
糸満氏
決算は成るべく早くやりますが何日になるかは護得久部長と相談する。
軍政府
◎本日午後三時迄に何日決算するか決定されて貰いたい。
軍政府(ローレンス少佐)
税制につきても研究すること。
カロリーにつきて変更がある。
財政部の用度課長は只備品・消耗品を纒めるのみで総て物品は商務を通ず。
軍政府(ウイルソン中佐)
大東の経営については軍政府で研究して居る。そして案を提出す。
農業部に反対ではない。
上へ戻る