戦後初期会議録

組織名
沖縄民政府
開催日
1946年06月26日 
(昭和21年)
会議名
軍民連絡会議 1946年6月26日 目録詳細 画像を見る
議事録
軍民連絡会議〔救済他〕

  六月二十六日(水)午後一時半
  出 席 志喜屋知事。
  軍政府 ローレンス少佐。後任ウイルソン中佐。
諮詢事項
 志喜屋知事
  農民が俸給生活者に比較して困る様である。
  農民のために市町村に復旧事業を興して金銭を貸すでなく如何にか方法を講じたい。而して農村の緊急事業の大要を述ぶ。
  農民の可動者は約二十万人で七、八、九月の三ケ月が最も困ると思ふから、此の事業を三ケ月やりたい。
  民政府職員の俸給を減じた分と軍政府の補助を仰いで此の事業の資金に充てたい(毎月六〇〇万円の補助をしたい)。
 軍政府
  此の補助金を出すと救済者は幾何減ずるか。
  減俸すると幾何浮ぶか。
 志喜屋知事
  約一割。
 軍政府
  救済費は三ケ月で何程増すか。
 志喜屋知事
  日本・台湾からの帰還者のために増加す。
 軍政府
  毎月六〇〇万円の事業をやると救済は何程減ずるか。
 志喜屋知事
  半減すると思ふ。
  久志は伊江島が居るため二三%も居る。
  農民にも均霑させたいと思ふ。
  市町村には影響させず、又労銀にも影響させない。
 軍政府
  民政府職員は賛成か。
 志喜屋知事
  個人々々には当って見ないが部長及居合はせの人々は賛成である。
 軍政府
  此のため久志村では救済方面に何程減ずるか。
 志喜屋知事
  三分の二程減ずるだらう。
 軍政府
  沖縄全島からすると何程減ずるか。
 志喜屋知事
  三分の一になるだらう。
  此の事業を起すことに依って生活の基礎が出来ると思ふ。
 軍政府
  此の事業するに如何なる機具が必要か。
 志喜屋知事
  農耕用の器具が必要であるがそれでも不足を来するから午前と午後に分けて働かし、少くとも一人二十日程は働かしたい。
 軍政府
  此の事業をするには具体的に計画を立てること。
  軍政府も気分に乗ったら具体的に行くだらう。
  此事業は三ケ月で完成するか。
 志喜屋知事
  復興するまで段々金額を減じてもよいから継続したい。
 軍政府
  建築方面にも労力は要するが労務者は居るか。
  七月から始めるにしても困難ではないか。
 志喜屋知事
  よろしくお取計ひ方を願ひます。
 志喜屋知事
  港川の石材・瓦・石灰、国頭産の木材を買うが追加予算を願ひたい。
 軍政府
  価額表は未提出であるが。
 志喜屋知事
  提出しましたが。
 軍政府
  工務部の予算に編成すべきである。
   瓦は葺賃まで一〇〇円(坪当)。
   セメント瓦 九四円程
   朝日瓦   四七円程
   茅葺    五〇円程
  七月分の瓦・材木を予算化すること。
 志喜屋知事
  バスに関する件。
  バスは民営にするか、官営にするや否や。
 軍政府
  官営がよい。
  陸軍も同意である。
 志喜屋知事
  大東島の燐鉱は民営にするか官営にするか。
 軍政府
 ○陸軍に任した方がよいと思ふ。
  水産部の魚の利潤は水産部で一割、村店が五分を取って居るが如何。
 志喜屋知事
  それでよいと思ふ。
 松岡部長
  電気機関の貸料は如何なるか。
 軍政府
  取らない。
  陸海軍の交替は六月三十日午後十二時迄でに切替へるが決算のことは其積りでやって置く。
  予算も其迄で決定する様に注意する。
 安谷屋部長
  帽子のみで一二、〇〇〇人の失業者を救ふことが出来る。
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