戦後初期会議録

組織名
沖縄民政府
開催日
1946年05月06日 
(昭和21年)
会議名
軍民連絡会議 1946年5月6日 目録詳細 画像を見る
議事録
軍民連絡会議〔住宅建築・勤務時間・与論島〕

  五月六日(月)午前十時
  出 席 志喜屋知事、又吉、護得久、松岡の諸委員。
  軍政府 ローレンス少佐、ライト工務隊長。
諮詢事項
 志喜屋知事
  住宅建築の費用を復興予算としてお願ひしたい。
 軍政府
  中央の予算として出すか又は市町村の予算として出すか。
 志喜屋知事
  中央の予算として出した方がよい。
  全額復興資金として出して貰いたい。
 比嘉委員
  アーレン少尉の話によれば農民の救済は社会事業部と関係なく農業会からやるとのことであった。

     (午後二時)
  出 席 志喜屋知事、又吉、平田、當銘、護得久、仲村の諸部長。
  軍政府 ワッキンス少佐。
諮詢事項
 軍政府
  海岸側の戦闘部隊の跡は焼かない様にと注意した。
  昨日日曜日にムレー大佐が巡視をしたら沖縄人の乗って居るヂープが遊び廻って居る様に見えた。
  公用でなく物見遊山の様に思はれた。
  ウルマ新聞にも車は公用にのみ使用することになって居ることを通告し、又吉部長からは市町村長に警告を発し又仲村部長からも発する様に。
  一、ガソリンは飛行機に極度に制限されたこと(船で運んで居る)。
  二、タイヤーの補充に困ること、特に沖縄の道路に於ては。
  公用外には固く禁ずることを注意す。
  沖縄人が持って居るヂープは沢山あるが、之は正式に軍政府の許可を得て貰ってないものがある。
  之は軍政府の認可を受けなければならない。
  将来は登録して誰の所有としてやる。而して警察が検閲をやる。
 ◎其様式は近日中に持って来る。
  先日の運転手の交通防犯は新聞に出したか。
 志喜屋知事
  出しました。
 軍政府
  ヂープに幾人乗せてよいか知って居るか。
 仲村委員
  五人であると思って居るが如何ですか。
 軍政府
  ムレー大佐の話によると五人以上も乗せて居るとのことである。
 軍政府(ローレンス少佐)
  今朝住民の住宅を作る労銀のことを話合ったが、誰が支払ふか。
  知事としては救済されたいと。
  銀行には其れも含めて居るか。
 ◎軍政府では知事の云はれる通りやるから予算に編成する様にされたい。
 ◎総ての予算は水曜日まで提出する様にして貰いたい。
 護得久委員
  各部の予算を検閲して知事にも見て後でなければならない。
 軍政府(ローレンス)
  出来るだけ早くやって貰いたい。
 軍政府(ワッキンス少佐)
  農家と普通労働者との救済方法は違ふ。労働者は使はれなければ全く困る。農業者は目当てがある。
  故に労働者と農家は始めから別にして考へられたい。
  アーレン少尉と仲宗根委員が取り決めた救済規定があるか。
 志喜屋知事
  あります。
  (津嘉山書記其案を示す)
 志喜屋知事
  救済案を水曜日の経済小委員会に御回答す。
 軍政府
  職員の執務時間につき提出されたが、八時~午後四時迄で、八月は午前中とある。
  沖縄は復興の時であるし、海軍は八時~午後四時までだが、陸軍は之よりも多いと思ふ。
  労務部では正味八時間であるが、職員だけは其執務時間ではいけない。八月の執務時間は八月になって決めたら如何。
  今は外交的の時期だから注意を要す。
  執務時間は中央官庁のみか町村も然りか。
 志喜屋知事
  未だ従来の通り出したのみである。訂正せんと思ふ。
 軍政府
  過去の習慣が如何であらうか、今は復興の時期だから執務時間を延ばしたら如何。
  土曜日は如何なって居るか。
 志喜屋知事
  半休であった。
 軍政府
  今沖縄は困難な時期であるから、八時間乃至九時間働くことはよい宣伝にもなるのではないか。
  執務時間の変更は復興の時期を見てよい。
  今はワシントン政府にも斯く斯く働いて居ることを見せるにも其方がよい。
  八月は八月になってから執務時間を考へる。
 又吉委員
  孤児院・養老院の費用は軍政府から補助せらるゝか。
 軍政府
  軍政府から民政府に行く。
  経済小委員会には又吉委員も参加して貰いたい。
 軍政府
  救済方面に関しては農業方面から、比嘉委員・平良氏も出席せよ。
 軍政府
  私(ワッキンス少佐)の運転手は明日から。
  車を運転する時間が僅かなので厭はすまいかと懸念して居る。
  大東から来た人は此所に呼んだか。
 比嘉委員
  明日呼びにやります。
 平田委員
  中央郵便局の建物設計図を提出す。
 仲村委員
  警察部建物を作ることを御願ひす(東恩納に)。
  クワンセット三棟を要す。
 軍政府
  守備隊の家族を呼ぶため新らしい資材はそれに充てるので、古いものを探して世話をする。
 護得久委員
  知事から首里の食糧につき御願ひす。
 軍政府
  調査の上報告す。
 志喜屋知事
  壺屋の大城蒲吉氏を調査せし所仲村・安谷屋両委員の報告によると不正のことはないとのことである。隊長の許可を受けてやったとのことである。
  牧志に移動して居るのは大城氏の従業員の家族二〇〇人程の様である。
 仲村委員
  糸満から首里に捨てに行くものを牧志に下して与へたとのことである。
 軍政府
 ◎大城氏はトラックも多く持って居るとのことである。之は知事の命により登録して貰いたい。
 護得久委員
  石川に芸能団のクワンセットを造って居るが二世が来て中止させて居るが、如何なる筋合になって居るか。
 軍政府
  取計って見る。
 仲村委員
  与論島を早く沖縄軍政府に置くべく陳情して居たとのことである(民警察部員が調査視察に行った時)。
 軍政府
  知事から進言する様に。
  与論の人を呼んでよく事情を聴取してから。
 仲村委員
  大島に居る沖縄住民を今月十五日に帰へすから調査して準備し置く様にとの公文が与論村長に来て居たとのことである。
 軍政府
  大島に居る沖縄人を帰へすべくと云ふことはあった。
 軍政府
  松岡委員は民政府のモータープールの設立を準備して居るや否や。早急に準備して置く様に。
 又吉委員
  土地調査の用紙を刷るに百万枚で七十日を要す(ウルマ新聞で)。其経費七千円かゝる。
 軍政府
  白石氏からの米の願ひは今までのチム湾、諮詢会に特配はないと云って居るが。
   1 地方から来る人。
   2 職員。
   3 労務者
    以上の数を調査し置くこと。
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