- 組織名
- 宮古議会
- 開催日
- 1948年07月29日
(昭和23年)
- 会議名
- 第8回宮古議会[3] 研究会
- 議事録
- 七月二十九日
研究会記録於知事官舎
◎座長(玉城玄教) 只今より合同研究会を始めます(午前十一時)
◎嵩原重夫 予算審議に移る前に御賛同をお願ひ致したいことがあります、それは農業組合連合会の件ですが昨日も友利議員より農連組織についていろいろと御話がありごもっともだと思ひます、連合会組織については去る四月十三日多良間村を除いて各市町村農業組合の関係者が集りまして定款の審議を為し直ちに総会を開いて組織すべく打合せましたが平良市農業組合にごてごてがあり今まで実現出来なかったのであります、幸に平良市農業組合も設立認可されて仕事も始めているしこの際速かに農連の組織を実現したい、工業組合設立にしても一部のごたごたはあるが婦女子の救済を遅らしてはいけない、工業組合は主に平良市が中心となってやるべきだが平良市の現状は燃え上る力も邪魔されている、この調子では何時出来るか分らない、それで知事さんが中心となられまして設立委員の中から適当な人を選出して設立するやうにして戴きたい
○知事 平良市の認可組合設立の後、任意組合の認可申請があったが却下した、認可組合は純農民だけの組合であるから今後立派になると思ふ、認可組合に対しては補助金も出す様手配している、連合会組織にしても要は当事者の熱意の問題であり関係者が奮起してやるなら資金も出してやる計画をしています、平良市の認可組合にしても私から薦めて作らせたものでなく農民自ら盛上る力で組織したものであります
織物工業組合設立にしても当事(当事者カ)側の盛上る力と熱と気迫を要するものでありまして全員がこの意気でやれば民政府直営の仕事も引継いでもよいと思ひます
とにかく農業連合会にせよ織物組合にせよ私としては余り干渉したくない、関係者の奮起を要望するものであります
◎嵩原重夫 農業連合会は何も心配はない、下地、城辺両組合が中心となってやれば出来ると思ひます、幸に多良間農業組合の豊里さんも来ているし都合がよい、工業組合は平良市が中心である関係上私達の作った委員の中から適任者を選んで民政府の関係部長と合議の上作り上げて貰ひたい
○座長 私も農業組合連合会の必要性を痛感しているので伊良部の組合長を明日呼んで打合せをすることになっています
○知事 私も早急に実現することを痛感しているので軍政府とも折衝しているが軍政府では呑気にやれと云ふている
○座長 呑気にやるわけにはいかない、肥料、農機具、資金の融通等早くやる必要があります
◎砂川玄仁 農連が是非必要であることは申すまでもありません、隣郡八重山では既に出来て活溌に動いていると云ふことを聞いて私は残念に思っている、然し現在の各市町村の組合は生れたばかりで資金に乏しい為民政府の協力をお願ひ致します
◎友利清俊 開会当初集団農場を視察した折、農林部長の話では一三町歩に植付けてあるキャッサバは一三町(ママ)歩でこれは加工して貯蔵すると云ふ話だったが宮古農民にとって貯蔵と云ふことは是非必要であります、食糧危機は年中あるものでなく季節的なもので農作物は豊作の場合は値段も安いので一時貯蔵し非常の場合に貯蔵(ママ)すると云ふことは重要であります、農民にはこの観念を植付ける必要があります猶終戦後各方面に機械工業が発達しているがそれは主に中央に集中していて地方にはない、製材機等は別として芋の貯蔵は千切で乾燥させ製粉してやる外に方法はない為、この機械が各市町村農業組合に必要である、経理部が現在やっている製粉機械のやうなものも農業組合等にも必要でこれは補助制度でやらせて欲しい、食糧対策の一端として民政府はこの計画はないか
○知事 農産加工場設置費として今議会に諮りたかったが食糧の欠乏している今日、現状に即しない感があったので中止した、農産物の貯蔵は常に食糧の不足する宮古に取っては重要で時期を見てその施設をやりたい
機械力の中央集中は万止むを得ないことで軍政府の板ばさみとなって民政府の一存ではどうすることも出来ない場合があります、各市町村の農産加工場は急には出来ないが資材の入手を見て実現したいと思ひます
◎座長 只今の話は千切機械が入手出来ないかと云ふことだと思ひます、千切機は是非必要でありまして何とか入手出来る方法を農林部長は考へていないか
○農林部長 従来農産加工については指導も不十分で機械も少かった、然し当初予算で九〇、〇〇〇円計上してあるのでそれでいろいろ研究しています、千切機は戦前台湾より入荷したのを研究したが歯車が宮古の鉄工所では作れないので沖縄に設計図を送り依頼してあります、その他貿易庁を通しても入手する様にしています、製粉機は一台貿易庁を通じて来たがこれは目下経理部でコーンの製粉に使用中でその性能がよければ各市町村にも分けたいと思っています
○座長 重要な問題がありますから予算は後で審議致します
◎砂川玄仁 一般民衆は議会を通してのみ事の真偽は知るもので私は次の事に対し二十一名の前で真否を質したい事があります、それは知事さんが浦内で水田五〇町歩を持っているとか、金を六〇〇、〇〇〇円儲ったとか、又弟が宮古に来て帰るとき豚を相当持たせたとかいろいろの話がありますがそれは真実であるかどうかこれを明かにしたい、又民政府に脅迫状が来ていると云ふことも聞いているがこれが真否も全員の前で分明させて貰ひたい
○官房長 斬様な話はかねてから聞かされているが私は知事さんの身の廻りを十分注意しているが左様なことは絶対にないと云ふことを言明します、事実脅迫状は来ています、内容は検討の結果全く事実無根であります、何故の投書かは知らぬがそれは治安を乱す元になるので心配しています、内偵はしているが事実を未だ掴めずにいる、警察部長とも連絡を取って解決する様努めています
○総務部長 楽土建設に邁進する知事さんにこんな誤解があるのは誠に残念であります、これは楽土宮古の建設を乱すものでこんなデマ中傷を粉砕する手段を講じています、浦内に水田を云々の件は絶対にありません、おそらくこれは私等が調査に行ったことを何かなさんとする者がデマ宣伝をしていることと思ひます、四〇〇、〇〇〇円儲ったと云ふことも無根で真赤な嘘であります、それから知事さんの弟が来たのは事実だが豚を持って行ったと云ふことは全然ありません
楽土建設に一命を捧げて邁進する知事を邪魔する者が居るのは誠に残念なことであります、脅迫状の問題も先の議会倶楽部で虚心坦懐発表しました、脅迫状が来る程宮古の政界は陰惨極まるものがあります、目下警察部長の方でデマの出所は調査中で何日かはこれを明かにすることが出来ると思ひます、議会としては聊かなりともデマに誤解されん様にお願ひします
◎砂川玄仁 只今官房長、総務部長から斬様なことは寸分もないと云ふ事を聞いて心強く思って居ます、昨日も楽土建設は形は出来たが精神面が出来ていないと九番が云はれたが全くであります
寸分たりともこんな事はないと云ふなら民政府はその真相を公報を通じて一般に知らしめデマの粉砕をして貰ひたい、信念があるならば街頭に出てでも流言蜚語を破る意気が欲しいのであります
◎亀川惠信 先の議会倶楽部で脅迫状の話は聞いたが今又玄仁さんからデマの話を聞いて残念に思っています、これは恐らく単なる脅迫ではなくして組織的であると思ふから警察の面目に掛けても早急に調査して欲しい
○警察部長 目下資料を蒐集し捜査中で威信に掛けても必らず検挙する覚悟であります
◎嵩原重夫 これに附随して平良市農業組合は御承知の通り純農民だけで組織し認可も受けて活動を開始しているがその後任意組合も出来たけれどこれは解散して認可組合に合流すると公報等でも報ぜられた通りであるがどうしたことか、久松ではこれとは全く正反対のデマが流布されている、市長に知事が呼ばれて認可組合の解散を命ぜられたといふデマが飛んでいる、これでは民政府の認可した組合に入っても否入らうと思ってもこんな話があるので純心な農民は判断に迷っている、この際斯るデマに対しても断乎たる処置をとって貰ひたい
◎塩川寛誠 今話のあったデマの源は平良市にあると思ふ、楽土建設の癌はこのデマであると思ひます、こんな事を放任すれば純心なる農民に悪影響を与へ増産面にも支障を来たすことは明かで断乎取締らねば大変であります、治安の確保されないところに楽土建設は出来ないと思ひます、デマ粉砕については警察部長一人のみならず議会議員、民政府職員が一心同体となって当らねば駄目だと思ひます
◎座長 全員の気持はデマを飽くまでも粉砕し正体を突きとめよと云ふ気持でありまして知事さんはこんなことは耳に入れないで誠心誠意政務に当って貰ひたい、猶総務部長は全責任を以てデマ粉砕に全職員を引きずってやって貰ひたい、知事の政策が郡のすみずみまでも行き渡る様にするのは一つに総務部長の責任であると考へます
○知事 私一身上のことで心配を掛けて恐縮しています、脅迫状を官房長から受取った時には丁度総務部長、警察部長も居ったので見せた、警察部長には時機を見て手はつける様に言ふてあります、これは軍政府にも行っています、私が浦内に水田を持っているとか金を五〇〇、〇〇〇円持っているとか云ふことは事実無根で私には邪しい点は少しもありませんです、この事は軍政府の情報官にも話したが私の一身上については情実でなく正しい判断をして戴き度いと要求して来ました、弟が沖縄から来たことは事実だが豚を一五〇頭持って行った事は全然ありません、丁度弟が帰る当日沖縄農連の長富技師が豚を一五〇頭持って帰ったのでそれを誤解しているぢゃないかと思ひます
四十万、五十万円説も誰が言ふたかはわかります、警察部長は必らず根拠をつかみ治安確保に邁進することを確信します
市役所に知事が呼びつけられて云々のデマも聞いている、農業組合関係で一部のデマやごてごてがあっても絶対多数の幸福の為なら正邪を明かにしてやっているがこの為に反対者が出来ても止むを得ないと思っています、今後もこの信念を持って郡のために全生命をぶち込んで邁進したいと思ひます
◎福嶺紀仁 モータープールの件だがこの設置の狙は自動車賃を軽くし一般民の負担を低減する目的であったと思ひます、その為医者も自動車は返還したわけで最初は一粁一円の往診料で非常に廉いので患家も感謝していたが三ヶ月後には往診用自動車は運転不能となりトラックも患家の需要に応せず最近二ヶ月は油不足の理由で往診出来ないと云ふ状態であります、先月七又に往診に行った時民間のトラックを借りたら八五〇円で二度目で一、七〇〇円であった、これでは余り高すぎるので三度目は慈善病院のアンビユランスを借りたと云ふこともあります、これは重大問題でありましていくら楽土建設を云々してもこれではどうかと思はれます、民政府は往診用自動車を速かにされて戴きたい、それからモータープールの事業内容をお聴きしたい
○総務部長 最初は車も多いし一粁一円も守り易かったが車の消耗と部分品の不足のため需要に応ずることが出来ず申訳ないと思っています、軍政府にも部品の入手方を陳情しているが容易に出来ず先般ローズ中尉が沖縄から廃車部品を持って来たが多くは軍政府に持って行った様です
現在運転可能な車は復興資材、配給物資の受入れ等で手一杯であるため往診用として手を廻しかねています、又技術員の車の愛し方が民間人程でない為に車の消耗率も多いと云ふ原因があります、運営上一番の隘路は部品の入手難であるが試験場に工作工場を作ってそこで修理等をしたいと考へています、乗用車は知事用のジープを軍政府が取上げてあるのでそれが来るまで民政府の方で使用しています、今後職員を鞭撻して皆さんの御期待に副ふやう努力致したい
○経済部長 只今は車、燃料共に不足しているので往診車用として求めに応ずることが出来ず申訳ないと思っています、乗用車を整備して往診用として回したいと思っています、猶賃金が高いと云ふことは何かの間違ひではないかと思ひますが念の為に調査して見ます
○知事 往診料の一粁一円は無理があったのでスチブンソン軍医とも相談して三円に値上げしました、それでも市価よりは廉いと思ひます、ジープが来たら今の乗用車はすぐ往診用として回します、日軍の自動車は二十四台あるが現在動いているのは三台だけで動かない隘路は部分品の不足であります、燃料は出来る限り不足せしめないやうに努力致します
○座長 十二時ですから休会します(午後零時十分)
○座長 午後一時開会を宣す、次に財務部長、国庫出納金端数計算法改正案を配付し詳細に説明す
◎座長 只今財務部長の配付せる案は議案第四十五号として先に配付せるものと了解して貰ひたい、予算を順を追ふて審議致します、先づ議案第三十七号の歳出から致します
◎下地盛壽 三款八項の補助は下地村郷友会館建設補助となっているが各市町村別に補助すると云ふことはどうかと思ふが如何に
○総務部長 八重山に於ける郷友会は総体的なものがない、現在は下地村郷友会のみが一番活溌で種々民政府とも交渉し移民等も入植前に家屋も建築してやると云ふ様なことをしています、地元村内でも八〇、〇〇〇円募集してあるし又各部落、村としても出しています、全郡的な移民の宿泊所にしたらとも考へられます、将来、総体的な郷友会が出来たら引継がすつもりでそれまで下地村郷友会に管理させることにして皆様の御協賛をお願ひします
◎砂川玄仁 八重山に於て下地村郷友会が活溌に動いていることは認めるが対外的に考へた場合こんな事をしてはならないと思ひます、それよりも八重山全体の郡出身者を結合した強力なる宮古郷友会を組織しそれに補助でもしたらどうか
○総務部長 出来れば郡一円の郷友会にやった方がよいが当分現地の郡郷友会は結成困難であり、それを待っていては移民問題に影響するので実際に意気込んでいる人達を土台にして強力に進めば移民の効力も倍加すると思ひます、大乗的に賛成して戴きたい
◎嵩原重夫 現在の状態から考へた場合は各市町村の郷友会を統一する指導者が必要であります
◎砂川徹雄 八重山に於ける郷友会が郡的に統一のとれないのは事実で先般の選挙後下地村と平良市の郷友会は反目しているやに聞いている、下地村も作れば城辺、平良も各々作るでせう、その時も各々補助をするつもりか、先づ郷友会の経営方針を発表して貰ひたい
○総務部長 下地村郷友会館となっていてもこれは下地村のみが使ふんぢゃなくして下地村以外の人にも利用させる方針であります、又民政府の出張所も此処に置くことにしてあり、移民するときも一応此処に入ってからやると云ふ様にすれば万事好都合に出来ると思ひます、それから宮古から出張する公務員の宿泊所も此処にすることにしています
◎砂川徹雄 郷友会の団結は移民問題と重大な関係を持っている、民政府の出張所長は彼等を一致団結させるべき責任があると思ふ
◎塩川寛誠 宮古の食糧問題は移民奨励に依って解決される、それ故将来八重山に移民することに依り食糧問題は自ら解決されると思ひます、ところで八重山に於ける郷友会が乱れていては移民するにしてもいろいろの支障を来すことは明かで民政府の出張所長となるべき人は郷友会の強化に尽力し真の指導者たるべき手腕を有する人物を送って貰ひたい
◎福嶺紀仁 昨日二十一番は移民は部落単位が成功すると云ふ話をされたが立派な意見だと思ひます、私の聞くところに依ると八重山の移民間に対立があると聞いています、斯様な統制のとれない状況下に下地村郷友会にのみ補助すると云ふことはかへって対立を激化せしめるのではないかと思ひます、この補助は検討して別の方法で名目を変へる必要があると思ひます
◎豊里寛傳 八重山に於ける郷友会と移民の現状は各市町村単位で郷友会が出来、更にそれを網羅せる宮古郷友会も出来ている、今下地村郷友会にのみ補助すれば他の町村の郷友会から競って補助申請するのは明かであります、その際当局は如何なる方針を取るか
○知事 郷友会が互ひに争っていることは事実でこの前も八重山出張中宮古出身者は移民の基盤とならねばならんと伊良部出身者の横□(横田カ)議員と平良出身者の下地議員とも握手させたがその後又駄目になった様です、宮古郷友会と云ふのもあるが有名無実である、それで実際に仕事をやっている所に補助はやり実績のあるところにやった方がよいと思ひます、猶現在の勝連所長も立派な人で郷友会の統一についてもその旨指示したい
◎粟國浩和 下地郷友会からの会則とその主体となるべき責任者の氏名を知らして貰ひたい
○総務部長 会則は未だ来ていないが取寄せる事にしています、主体となるべき者は与那覇武良と云ひます
◎砂川玄仁 八重山郷友会の実情を知り今後の建設を想う人は下地村郷友会からこの様な願があった場合先づ君等が宮古郷友会を組織して和衷協力振りを見せてくれと指導すべきだと思ひます
昨年警部補派出所を作るにしても四〇、〇〇〇円しか補助せんのに単なる下地郷友会に一〇〇、〇〇〇円もやるのはどうかと思ひます、再考して貰ひたい
◎座長 各市町村の郷友会が出来強化したら援助しなければならないと思ひます、先づ計画性のある所にから補助してはどうか
◎砂川玄仁 移民問題に重点を置くならもっと別の方法で民政府の出張所でも作ったらどうか
○知事 皆さんの御意見は何れもよいがとにかく下地郷友会は移民問題にしても熱意をもってやっている、又警部補派出所の設置については私は不賛成だったが地元民の熱意でやったので後で補助した
◎下地盛壽 この補助は、条件付でやることにして原案通り可決したらどうか
◎嵩原重夫 宮古は食糧事情から考へて三分の一の人口を八重山に移す必要があります、移民するにはどうしても足場と云ふのが必要でありまして将来は下地、城辺郷友会も強化してその足場の役目を果たすことでせう、更に又各市町村の郷友会が協力して宮古郷友会館を造る必要もあると思ひます、その意味で私は先づ強力に現に活動している下地郷友会に補助することを原案通り賛成致します
◎砂川佳久 下地郷友会には野人も入って自分の席をなげうって仕事をしている、それに反して宮古郷友会は駄目だ、今度の計画には八重山知事も非常に協力し宅地も無償で提供している、下地郷友会は単に下地のもののみでなく将来は郡郷友会に引継ぐ考へであり表面は下地郷友会となっていても内容は郡郷友会となっています、それで本補助は原案通り決定しては如何に
○知事 宮古民政府の出張所も宮古から行く旅行者の宿泊所も、そこでやり将来は又郡郷友会が出来たらそれに引継ぐと云ふ条件付(別紙)でしたらどうですか
別 紙
下地村八重山郷友会館建設補助に対する条件
一 会館内に宮古民政府八重山出張所を設置せしむること、但し使用料は徴収せざるものとす
一 宮古よりの移民宿泊所(自炊)に充当せしむること
一 将来郡一円の堅実なる宮古郷友会出来たる場合は条件、協定の上引継ぐものとす
一 本補助金は会館建設費以外に使用すべからず
一 各条項に違反したる場合は補助金の一部又は全部の返還を命ずることあるべし
一 事業終了後は速に決算書を知事に提出すべし
(賛否両論騒然たり)
◎砂川惠一 楽土建設は総て八重山に依存せねばならない、下地、城辺両郷友会の和衷協力の実現を期して原案通り賛成します
◎座長 この位で審議は終へて原案通り賛成しては如何に
◎砂川玄仁 八重山の郷友会が互ひに対立しているなら彼等を和衷協力せしめ提携させるのが政治だと思ひます、一方がよいからそれに依って他人をついて来いと云ふことはいけない事だと思ひます
◎亀川惠信 折角八重山民政府も宅地を提供しているとの事ですから知事さんのおっしゃる通り条件を附することにして原案に賛成します
◎座長 只今亀川さんのおっしゃる通り原案に賛成して次に移ることにします
(一、二、三、四、五款可決し第六款に移る)
◎嵩原重夫 防風林は是非必要で一般の防風防潮林に対する思想の養成は重要であります、私が平良市長在任中感じた事だが宮古人は耕地の拡張は一生懸命にやるが山を造ると云ふことを知らない、その欠点を何とか強力に是正し造林思想を普及する方法はないか
○知事 御説尤であると思ひます、マクラム通りに植える並木もいくら植えかへても折られていると云ふ状態でこれは愛林思想の乏しい郡民性だと思ひます、この点各市町村の有志を集めて徹底的に指導したいと思ひます
(六、七款可決し、八款に移る)
◎嵩原重夫 友利港の設備費には軍政府が補助するとのことだったと聞いたがどうしたか
○総務部長 民政府でやります、軍政府の補助はありません
◎座長 先の議会倶楽部では多良間港もやるとのことだったが予算に見えないがどうしたか
○総務部長 多良間港は今設計中でありますからそれが出来てから次の議会でやりたい
◎豊里寛傳 多良間は是非今期議会で費目存置にしてでも計上して貰ひたい
○総務部長 年内に参事会を招集してそれに諮ることにします
◎座長 これで八款まで済みました、今日はこれで休会して明日残りは致します
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