- 組織名
- 宮古群島議会
- 開催日
- 1951年06月21日
(昭和26年)
- 会議名
- 第5回宮古群島議会(臨時会)[1]
- 議事録
- 第五回宮古群島議会(臨時会)会議録
第五回宮古群島議会(臨時会)会議録
一九五一年六月二十一日午前十時
左記議案に付宮古群島議会(臨時会)を宮古群島政府に招集する。
記
一 議 案
議案第七十五号 一九五一年度宮古群島政府一般会計歳入歳出追加更正予算について(別紙の通り)
二 追加議案
議案第七十六号 宮古群島議会定例会招集に関する条例について
三 諮問案
諮問案第一号 市町村制の改正について
午前十一時三分開議
◎議長(玉城玄教君) これより会議を開きます。
出席議員六名、欠席議員三名であります。
参与の報告を致します。財政部長、文教部長、法務部長であります。次に議事録署名人の選出方法について御諮り致します。議員出席者は、左の通り。
議 長 玉城 玄教君
副議長 嵩原 惠典君
(午前十一時五十分)
平良 金一君
福里 芳夫君
渡久山知照君
下地 敏之君
砂川 玄仁君
議員欠席者は、左の通り。
池城 朝清君
福嶺 紀仁君
嵩原 惠典君
午前十一時五十分出席す。
参与出席者は、左の通り。
副知事 東風平惠令君
財政部長 島田 文雄君
文教部長 垣花 惠昌君
法務部長 久貝 良順君
工務部長 高良 憲松君
○砂川玄仁君 議長で指名していただきたいと思います。
(「賛成」の声あり)
◎議長(玉城玄教君) 議長で指名した方がよいとの動議が出て居りますがどうでせうか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
それでは二番福里芳夫君と五番下地敏之君にお願い致します。只今から知事の御挨拶があります。
◎副知事(東風平惠令君) 只今知事が上沖中でありますので私が代って御挨拶申し上げます。此の度復興費が臨時部収入として入って来ました。今迄は復興費は軍で取扱い、軍の財務官の手を経て、小切手を貰って居りましたが方法が代って、民政官府は群島政府に直接取扱わしめるようになり、助成金として六三〇万円が来て居ります。それと沈没船及びその積載して居る貨物約一四一万八千円余とが支給されましたので、それについての追加予算として一般会計の方から出て居ります。
(嵩原惠典君出席)
もう一つは市町村制の改正についてでありますが、民政官府から出すようにとの文書が来ましたので提案したわけです。以上二つのことについて御諮り致すことになりましたので何卒宜しく御願い致します。
○議長(玉城玄教君) 提出された議案の配付を致します。
(書記をして議案の配付をなさしむ。)
議案の説明を致します。
(財政部長、総務課長議案を朗読す。)
休会します。(午前十一時五十三分)
◎議長(玉城玄教君) 開会します。(午前十一時五十五分)
議事日程を御知らせ致します。今日は午後から農林学校の敷地移転に対する陳情文が出て居りますのでそれについて御審議を致し、明日は十時から合同研究会を祥雲寺で開くことに致し、明日以後は明日御諮りすることにします。
午前中は、これで休会致します。(午後零時十二分)
◎議長(玉城玄教君) 開会します。(午後二時五十五分)
書記をして陳情文を朗読致させます。
只今農林学校並後援会から陳情文が出て居り、趣旨はこれに書いてある通りで、結局は移転したいということであります。幸いに後援会長の友利清俊君と校長先生がいらっしゃって居りますので御説明を御願い致します。
◎友利清俊君 それではこの農校の移転問題について簡単に父兄代表として一言申し上げます。四月新学期に入りますと農校父兄職員並生徒間に移転問題が起りましたが事が重大なだけに慎重な態度をとり、後援会、父兄総会等を開いて協議しました。その結果どうしても移転した方がよいとの意見一致を見ました。その理由は既に陳情書にも書いてある通り衛生上、水が不便でむしろないと言ってもよい位です。次は群島政府議員皆様方の御陰で一〇教室は出来るようになって居りますが若し時局の変化で立ち去りの命を受けた場合等を考えて移転した方がよいということに決定したわけです。そうすると何処に移転するかということになり、三、四の場所が上げられたが、慎重にして群島政府財政等と考えて、今の農事試験場が最適と考えたわけです。話によりますと去る議会にも話題に上って居ったということを聞いて居ります。尚詳しくは陳情書に書いてある通りですが、私達の意見としましては是非実現していただきたいと考えますから御研究をお願い致しまして現在の場所を移転先にもって行くようにして下さい。私からは以上申し上げます。
◎校長先生(垣花惠良君) 知事さんを初め議会議員並に政府当局の方々が学校移転問題について色々と御尽力下さいまして感謝致して居ります。就任この方、職員とも農業教育の進め方について懇談して居りますが、現在の場所では今申し上げた通り、井戸が深く飲料水に乏しく、又通学距離が遠い等衛生上その他に不便であり、施設が思う通りに行かず、現在町とは切り離された感じになって居りますので、この際どうしても校舎敷地を移転して水の解決の行く所通学距離の便利な場所に移転出来るよう御願い致します。農林高校が現在地に移転してから三年にもなって居るが未だに区域もはっきりせず未だ整理されて居りませんので政府当局並議員の方にも申し訳ないと思いますが、何れ区画も整理して農業実習地も作って皆様方の御手許にもある通り、将来第二農場としてやって行くつもりで居ります。どうぞ陳情書にも書いてある通り移転が出来ますよう御願い致します。校舎の立つ場所も隣接地の原野もブルドーザで耕せば出来ると思います。尚現在地は第二農場としては管理上もなかなかむつかしく経営も困難であるかも解りませんが、農業を文化的にやって行けば出来ると思います。尚生徒には今迄の知識注入だけでなく農業の研究を充分にせしめ、実際的に指導して実社会に送るつもりです。
○議長(玉城玄教君) 陳情書に対する説明はこれ位にしてこちらにいらっしゃっている指導所の方の意見をお伺い致します。
◎新里芳雄君 最初にお断り致しますが、私は今年三月まで今校の後援会につとめて居りましたが弟も卒業し今は縁が切れて居りますが、只今は又こういう問題にあたって、何か知ら運命の繋がりがあるような気が致します。先づ指導方針から申し上げます。今迄過去五年間は垣花実記さんが経営して居りました。
助成金八十万円を利用して四十名そこそこの人を傭い主として人力中心主義でやって居りましたが、その結果ある部分は畠らしい畠となって居ります。然し私としては今後約三十二万の予算を以て有畜農業にしたい方針であります。収穫がこれだけ上ったのだから、こうすれば収入がこれだけ入るというような経済的なやり方を行う考えである。即ち生産費を基礎として試験を続行する考えである。そして実際に農家にタッチして試験をやりたいと思う。尚従来は牧草がなかったため人夫を傭って人夫に草をからしてやって居りましたが、牧草を植えてやらうと考えて居ります。現在全面積は六町九段であるが、彼等が必要としているのは全部で四町八段であり、残りはわづか荒蕪地を合せて一町七段しかないことになります。これでは思うような研究もできないことになっているのです。尚敵側の言い分は通学施設が遠いとか、井戸が深いとかいうているが、それは建設的意欲に乏しいからそういう意見が出るのである。沖縄の北部農林と名護の試験場とが隣り合せて居りましたが何かの問題で別々になり、農林は屋部に移った例があるのでどうなるかは問題である。次に農園の実習地の問題であるが、一日八時間として十五人では一日に百二十時間となる。それで能率が上るかどうかは疑問である。尚第二農場をやらうとの考えらしいが、そういうことは計画通りには行かない。むしろ計画倒れになると思う。
もう一つ私が不愉快に思う所は、私には一言の相談もなくして陳情文を出してある。若し彼等が心の底から申出て相談したならば、何とかなったであらうがそういう事も考えてもらいたい。私は感情問題を抜きにして話してもらえばよいのではないかと思います。そういう事等よく御含み下さいまして御審議下さいますよう御願い致します。
○福里芳夫君 人の計画をけなすようなことは話さない方がよいでせう。
○議長(玉城玄教君) 農林学校を本建築にしようとか、或は指導所をどうしようかと云うようなことは知事さんの方は何か計画がありますか。
○副知事(東風平惠令君) 吾々としては未だ計画はして居りませんが今後の指導所もどうしようかと云うような所まで研究して見る積りです。
○議長(玉城玄教君) 現在の農林学校を移転するに於ても、当時どこに持って行くか、中央に持って行った方がよいかどうかと云う話もあって、結局は現在地に移転したわけです。当時は寄宿舎も造り、競馬場も作りたいと大きな計画もありました。
尚軍用地を学校に使うことはどうかと思いまして、軍政府に問い合せて見ると、軍政府は青々(ママ)として置けと話して居られました。やはり軍政府も当時から万一最悪の場合を考えて居ったらしいと察せられる。
◎砂川玄仁君 当局にお尋ね致します。当局の考えは、この問題に対しては全然確信たる計画をもっていないらしいが、当局はどう考えているか。
○副知事(東風平惠令君) 知事さんも未だ相談はしていないし、事情もわからなかったので、皆さんと共に研究して行こうと思っている。
◎砂川玄仁君 学校の移転とか将来の計画等も考慮しないと困ると思う。それでは実地を検分してから話を進めた方がよいと思う。
(実地調査をなす。帰着午後四時二十五分)
○議長(玉城玄教君) 引続いて開会致します。(午後四時三十分)
◎友利清俊君 移転費が相当かかるだらうと云う話があるかも解りませんが、父兄としてはその点考慮して居りますから、その点御了承下さい。
◎議長(玉城玄教君) それでは移転は必要でありますので、現在要求している場所並配分は当局に任すことに致しませう。
それで今日の合同研究を閉じます。(午後五時)
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