- 組織名
- 奄美民政議会
- 開催日
- 1950年01月26日
(昭和25年)
- 会議名
- 第1回民政議会
- 議事録
- 第一回民政議会議事録
第一回民政議会議事録
第一日 一九五〇年一月二十六日
三方村役場階上
第二日 一九五〇年一月二十七日
右 同
第三日 一九五〇年一月二十八日
政庁内コンセット
会 順
一 知事挨拶
二 軍政官挨拶
三 議員代表挨拶
四 各部長紹介
五 議員紹介
六 副議長、幹事選挙
七 議事
1 民政議会令
2 民政議会議事規則
3 民政議会傍聴人取締規則
八 各部局長主管業務概況説明
九 質疑応答
出席議員
大野 重隆
鬼塚 眞臣
坂 富績
川井 順英
祷 清二
叶 實統
吉松 軍八
永田 文彦
山下 平志
第一回民政議会会議録
一九五〇年一月二十六日(第一日目)
三方村役場会議室に於て
午前十時開会
◎知事挨拶 本日茲に郡民多年の要望である総合的審議機関として民政議会の設置を見ました事を衷心から欣快に思うもので有ります。議会の設置は郡民多年の要望でありまして軍政府に於ても其の必要を認められ一昨年六月琉球四地区民政府に議会法並に選挙法の立案を命ぜられ九月には沖縄に於て四地区の法案の審議が行はれる事になりましたので、政庁に於きましては大きな喜びと期待を以て委員を任命致して立案を急ぎ八月には其の成案を見まして渡縄の命を待って居たのでありますが八月下旬に至り無期延期の通知に接したので有ります。其の後何の指示も無く経過致しまして昨年九月に民政議会設置の内命を受けましたが発表を禁ぜられましたので前以て何等の処置を講ずる事が出来ず、議員内申の件については各地区に於て信望厚き皆様を推薦致しました処、本月十三日軍政府布令第二号と同時に認可の指令に接したのであります。学才乏しい私が現職の故を以ちまして議長の席を務める事になっておりますが、過去を反省し皆様の御協力に依ってその職責を果したいと思います。此処で皆様に特に御願い致し度い事は軍政の実体を把握せられ軍が我々に期待するものを察知してこれに沿う様努力して頂き度い事であります。郡民の幸不幸は皆様の今後の行動に係って居るものと信じます。何卒一挙一動もゆるがせにせず慎重に行動せられ本諸島の前途に光輝あらしめる様直接間接の御協力を御願い致します。皆様夫々御多忙の中を御集り下さいました事を厚く感謝申上げまして御挨拶と致します。
◎軍政官挨拶 北部南西諸島民政議会第一回発会に当りここに諸氏に相見ゆるは本官の最も欣快とするところであります。これは諸氏が選出せられた地区や人民に奉仕し同時に政庁の諸問題を解決する為に知事に貴重な援助を与える非常な好機会であると私は考えます。諸氏は諸氏の地区の人々の代表として彼等に対し責任をもっています。併しながら諸氏は北部南西諸島の住民により一層大なる責任があるのであります。諸氏は知事に助言し之を援助して諸問題の解決に当らねばなりません。知事は最後の決定をなすときに諸氏の助言を考慮するでしょう。凡ゆる場合に於て決定をなすのは知事の責任ではあるが多くの問題に於て諸氏は賢明な助言を提供することが出来ると本官は信ずるものであります。諸氏は全住民を一体として考え単に自己の選出地区の為にのみ奮闘するような利己的なことがあってはならないと云うことを銘記しなければなりません。諸氏の選出地区の為に働くことは当然であるが全北部南西諸島への影響について良く熟慮の上諸氏の行動判断を調和せしめよ。斯うすることに依って諸氏は一団となって全部の相互の利益の為に働くことになるのであります。最後に本官は諸氏への信頼を披瀝しこれが健全な民主的政庁--人民が信用し信頼する政庁--世界の政府の中に伍し得る政庁--への出発とならんことを希望致します。本官は諸氏の成功を祈ります。有難う御座いました。
◎議員代表挨拶 与論(山下平志)甚だ僭越でありますが一同を代表致しまして謹んで一言御挨拶申上げます。民主政治の運営上何らかの形に於て議会設置の必要を痛感し一日も早くその実現を要望して居た次第でありましたが今度軍政府布令第二号を以て民政議会の創設を見るに至りました事は本諸島二十余万民の幸福の為誠に慶祝に堪えない次第で衷心慶びと感謝の念で一杯であります。此の時にあたりまして吾等十名は住民多数の中から初代の民政議会議員として御推薦を頂き茲に名誉ある知事の輔佐役として其の重責を負う事になりました事は誠に身にあまる栄誉と存ずる次第であります。就きましては只今軍政官殿並に知事殿の御訓示や軍政府布令の御趣旨に基きまして其の職責の重大なるにかんがみ誠心誠意微力の限りを傾倒致し以て其の輔佐機関としての使命を全う致し度いと決意致している次第であります。幸いに軍政官殿を初め知事殿の指導御鞭撻の程を念願して已みません。甚だ簡単でありましたがこれを以て御挨拶の辞に代えさせて頂きます。
(十時十五分軍政官退場)
◎西 政庁各部局長の自己紹介をお願い致します。
(吉田総務、和翻訳通訳、奥田文教、川崎検事長、屋田経済、杉島農務、重村財政、大野補給、窪田衛生、高田公安、三原工務、玉利通信(代理本田)以上の順序で政庁各部局長の自己紹介を終る。)
(次いで大野、鬼塚、坂、川井、祷、吉松、山下の順序で議員自己紹介終る。)
◎知事 十島から見えておりませんが第二区の村山さんが辞退されましたので後任として有村治峯氏を推薦してあります。軍政府はすでに認可なりましたけれどもこれは沖縄軍政府長官の許可がなければ発令になりませんのでいずれその公式の発令を以て正式に発令致し度いと思います。
○吉田(総務) 副議長、幹事選挙に移ります前に向うの指令文を朗読致します。(別表)
◎知事 今朗読してもらいました指令に基き先ず第一に副議長を選挙して頂きたいと思う訳であります。
◎川井 今読まれました(これは質問になりますが)知事事故ある時はその代理をするのは副知事とありますが、知事が事故ある時は副知事がこれは代理するとこう云うことが今日の常識になっているんですが、第十一条の議長は知事を以てこれにあてると云う、議長は知事と云う字句の中には副知事は含まれていないと云う風に解釈されるんですが。
(意見百出)
◎坂 何だか議員中から副議長と云うのではどうも感じが常識的に判断してもおかしいと思うんですが。
○知事 考え方に依っては民政議会は諮問機関であっても知事と対立する機関ですから。
(茲で叶議員より北部南西諸島民政議会令案朗読方が提案され、吉田総務部長朗読後、副議長、幹事の選挙に関して協議会に入る。)
(次いで正会に移して投票を行い、副議長は大野重隆七票、叶實統一票。)
◎知事 副議長は大野さんにお願いします。次に幹事の人を選挙して頂きます。
(鬼塚眞臣七票、吉松軍八一票。幹事・記録係鬼塚議員に決定。)
◎知事 議題に載っておりませんけれども今翻訳文を頂きまして、新しく議題にかけなくちゃならぬ問題が出ております。それは、沖縄に今度全琉球の諮問院(ママ)と云うのが出来まして、内容を見ますと人口十万に一人の割合で出すことになっております。沖縄から六名、大島から三名、それから宮古、八重山一人ずつになっております。その代表者三名は議会の推薦に依って知事がそれを認め、そして軍政府に推薦する。軍政府の認可を待って始めて発令すると云うことになっているんですが、昨年の九月十日か十五日頃この民政議会に於て議員を推薦し同時に沖縄の諮問院(ママ)に議員を二人推薦しろと云うので推薦してあるのです。推薦してその結果向うから認可指令も来ているのです。前に二名の方は推薦して認可をとってありますが、今度三名推薦しろそれには議会に根拠をおけと云うことになっておりまして今朝貰っておるのですが、軍政官に折衝して前認可になっておりますがこれとの関係は如何なるか、あれはあの儘にしておいて後からこんな指令が来ております以上は議会にかけて知事の推薦した二名はどうしてもおいてもらって別個に新しく一人推薦してやって三名推薦したと云う形にしたら如何か、こんな話があったんですがその点を皆さんにお諮りしたいと思います。
(知事指令文朗読)
◎大野 人の人事を扱いますので御迷惑をかけるようなことがあると思います。公開の席上でやられるようにしたいと思います。
○知事 秘密会を要求されればやってもかまいません。動議を出して頂ければ。
◎坂 大野さんの云はれるように私の考えも必ずしも秘密会議でなく時間はかかりますけれどもよりより話し合って公開の席で差支えないと思います。
◎知事 これは明日に延ばします。
(議事に入る)
○吉田 民政議会令、会議規則、傍聴人取締規則三案を作ってありまするので、これを一応朗読致します。先程第十六条を読上げましたから第十七条から読上げます。
(議案朗読)
◎知事 如何ですか、時間も後三十分で正午になりますがこれで打切って、自分達で研究して頂いてそれからこれに対して質疑応答をしたいと思いますが。
(異議なし)
◎知事 午後一時から再開致します。これで午前の会議を終ります。
(十二時三十分)
(昼食。午後一時二十分再開)
◎知事 それでは午後の会議をこれから始めたいと思います。政庁で出した北部南西諸島民政議会令をこれから審議して頂きたいと思いますが、どう云う風にやった方が良いか、一章ずつ位切って審議して行ったら如何かと思いますが。
◎川井 その前に議会令の基本をなす処の軍政府布令の朗読は終りましたが、その解釈について疑問が出るのでありますがそう云うことをやった方が良くはないかと思いますが。
○知事 それについて御質問がありましたらお伺いしたいと思います。
◎川井 軍政府布令の前書の方に、島民の希求する処を軍政官に伝えしめると云う文句が出ておりまするが、また一面に於て知事の輔佐機関であると明記してあります。この間の説明でありまするが、最初の前書の方の意義は知事が諮問せられた懸案についてのみと云う限定を持つものでありまするか、またそれと共に諮問機関たる本議会の会議ですね、これは議決して軍政官に伝える意義も持つのでありますか、これを一つ説明をお願いしたいと思います。
○知事 私の考を率直に申上げますと、この民政議会と云うものはこう云う向うから示された法文に依りますと諮問機関とはっきりうたってありますけれども、本文はそう云うことぢゃなく決議機関に相当するようなものに運営して行きたいと私は考えております。原則的に知事が発した諮問に対してのみ、これから運用のやり方に依って諮問機関の建議案と申しますか諮問されない事柄についても自分達の意思表示をすると云うことは運営のやり方に依って行けるんぢゃないか、従って私はかまはないんぢゃないかと私は思います。
◎川井 それからやはり軍政府令にその人民の代表機関たるに鑑みこれに対して十分の尊敬と信任を払はなければならないと云う文句が第一項にあります。この尊敬と信任と云う翻訳は良心的にその諮問機関に対して尊敬と信任を払はなければならないと云うのでありまするか、また具体的に政策的に決定されたものについても敷衍しなければならないと云う点を云ったのでありますか。
○知事 これは中々むずかしいと思いますが、いはゆる諮問機関でありますから議会でどんなことを議決しましても知事として或いはそれに満足しない場合もあるかも知れません。そうした場合知事はそれを受入れないで実際に自分の考えていることを行うと云うことが諮問機関たる所以だろうと思います。軍政府は立法機関を始めから兼任しているからそこは中々苦しい表現と思いますが、従って立法機関であれば事の如何を問はず従はなくちゃならないけれども知事が独断に流れると云うおそれがあるためにこう云う表現をしているんぢゃないかと思います。
◎川井 勿論これまでに知事はその決議に拘束されることはない。政府は軍でありまするので決して本諮問機関の規則をその儘政策の上に敷衍すると云うことに解釈したがるのではありませんか。例えば決定されたものを不問に附す、或いはその決定されたけれどもどう云う理由に於てこう云う変更を来したと云う反響を具体的に表はして貰いたい。
○知事 これは当然含まれると思います。後に決議したものを知事がいかんと思った場合その理由をはっきりして説明すべきだと思います……。
他に御座いませんでしょうか。
沖縄ではすでに(御参考までに申上げますが)此方より早く実施しております。昨年の十月に第一回の会議をやっておったと思いますが、今度行ったらその運営状況、議会規則、取締等を実際的にどう云うことをやっているかを調べて見たいと思います。
◎川井 やはり軍政府令の通信文ですが、本令に依って設置される議会と矛盾するような場合にはこれを改正しなければならないと云う翻訳は同じような議会と云う風に解釈されるのでありますが、矛盾と云った解釈はどうも私ははっきりうつらないのであります。例えば具体的に云うと私の考えは、茲で問題になるのは経済委員会にかかって来ないかと思います。これと違うけれども従来の経済委員のやり方を考えてこの議会にかけなくちゃならぬ問題も経済委員会がありますが同じ問題をかけなくちゃならぬと云う問題が予想されるので経済委員会の結成存続と云うように軍政府と相談の結果これが出来たら経済委員会は必要を認めない。それから法制改訂委員会があるけれども、これは例えば向うの指令に依って出来ている委員会であって沖縄の話だそうですが軍の直接指示して作ったものはそうぢゃない、軍の都合に依って出来た委員会は別だと云うように解釈しております。私は法制改訂委員会はその必要性を今の処認めております。或る程度考えなければならないが軍政府に意見を述べ後で修正しなければならない点もありますけれども、これが徹底的に法制改訂委員会の存続論がないと云うことは今の処云い得ない。これが本当に立法機関になったら当然干渉さるべきであるが立法議会と法制改訂委員会のメンバーを考えた場合専門的の知識を持っている人がいると云うことは衆智を集める意味から見たら法規の改廃制定は向うにはかった方が良くはないかと私は思っております。
◎坂 軍政府令第二条に出ている集会と書いてありますがどう云う風な集会ですか、集会と云うと意味は広いですが。
○河内法制課長 沖縄地区の議会とこの議会は独立している。宮古、八重山も独立だと云う意味だと思います。沖縄の議会だけを解散しているようであります。沖縄民政府令第一号民政府に対する設置政令がありますが、最近沖縄議会を解散しあらたに代議士諮詢機関として沖縄民政議会を設置すると云う法文があります。
○知事 他に向うが出した指令に御質問はありませんか。
◎坂 議場外の犯罪だろうと思いますがもう一つは議会々議の規則の懲罰の方ですね、除名と云うのが結局軍政令の出席停止処分と云ったようなものに帰着する訳ですね。
○河内 そうです。永久出席停止に相当します。
○知事 一応政庁で作りました議会令の案について検討して頂きましょうか。
(第一条朗読)
◎知事 第一条について御異議ないと思います。
(異議なし)
(第二条朗読)
◎知事 これについて前のアデア長官時代に出した我々の意見が通らなかった、交渉したけれども向うできかなかったんです。
(異議なし)
(第三条朗読)
◎知事 細部に分れておりますが、これについて御異議、御意見等ありましたら出して頂きまして軍政府と折衝するものはしたいと思います。問題になるのは中選挙区の十島村は余り人口的に見て小さい処からわずか二千人位の処から一人出すことの可否についてですが、これはどうしても前のアデア長官ががんばってきかないんです。特殊事情を認めてですな。第三条御異議ありませんですね。
(異議なし)
(第四条朗読)
○河内 民政府令第三条に書いてあります二十一歳と云うのについて……。
○知事 日本はどうなっていますか。
○河内 二十五歳以上です。旧法に依ると代議士参議員は二十五歳以上になっております。被選挙権はありません。それだけ低くなっている訳です。
(一時四十分永田議員(十島村)出席)
○河内 選挙権及び被選挙権を有しないと云うように日本々土はなっております。茲では民政府令の資格の指令がありますから如何かと思ったんですが。
(第四条異議なし)
(第五条朗読)
◎知事 途中でありますけれども十島村から見えた永田さんを御紹介申上げます。
(第五条異議なし)
(第六条異議なし)
◎大野 第七条の選出された地区の代表、例えば第一選任区の議員は名瀬、三方でありますから名瀬、三方の住民の利益のためにやると云う意味ですか。我々の常識としては自分の選出された地区のためだけに働いてはいけないと云うのは一寸解釈に苦しむ処ですがこの解釈をお願い致します。
○知事 自分々々の事を考えないで全郡の事を考えねばならないと思います。皆さんは只その地区の代表者のみならず全郡の代表者だと思います。議員は知事の指揮に従い北部南西諸島住民の現在の状況に基き顧問の資格に於て知事を輔佐すると、これで宜しいですね。
(異議なし)
◎知事 第八条、第九条の問題はまだ軍政府と折衝してありませんからどうなるかわからないが私達政庁の考は額の如何を問はず民政議会の議員に対しては歳費をおあげしたい考を持っております。本年度予算にそう云うのはありませんからこの会計年度から実施出来るかどうか今研究中でありますが、新年度の今年四月から開始される年度に予算を組んでおきたいとこう云う風に考えております。議員の歳費、旅費、手当等に対してはこれを定める議会令をおおまかに決めておいて別個の規則を設けてそれに依って規定しておきたいと思います。第九条の政庁令に規定したら如何かと考えていますが。
(歳費の件については異議なし)
(第三章第十条 招集)
◎大野 議会は必要に応じて知事がこれを招集すると云うことに御異議は御座いませんか。定例会議は年何回と、臨時議会は必要に応じてとの文句を入れたらどうですか。
○知事 沖縄は毎月一回になっているらしいです。
◎坂 大野さんのお話は御もっともと思いますが、決めたらひょっとしてそれに拘束されはせんかと思います。当分の間それで良いんぢゃないかと思いますが。
◎鬼塚 必要に応じてと云う文句は知事の認定ですから一年中知事が必要と認めなかったら定例会議をおかんでも良いですから茲にうたいましてその他必要な場合に招集すると云うような規定を設けた方が良いんぢゃないかと思います。
◎吉松 三月の会計年度末に会議を開かれる必要はあると思います。三月の定期会合だけを会期と決定して他に必要に応じてとしたらどうかと思います。
○知事 決採(ママ)より予算が大事です。予算は十二月に決定するから十二月頃ははっきり会を必ずやると云うことにして予算なんかも審議してもらって軍政府に出すと云うことが良いんぢゃないかと思います。
◎大野 これは知事さんがおかえりになって各部と打合せなさってから何時が適当だと決定してから差支えないと思います。知事さん一人では出来ないと思います。
(第十条招集異議なし)
(第十一条役員異議なし)
(第十二条異議なし)
(第十三条朗読)
◎坂 記録係と幹事の方の役割を明記しておいた方が良くはありませんか。幹事の任務に幹事が脱けているようですが。
○河内 この幹事と云うのは民政府令にありましたから入れました。大体世話役ぢゃないかと思います。
○坂 何とか一行二行入れた方が良くはありませんか。
○河内 第十四条の前に一条幹事の職務を入れるように致します。
○知事 入れるように後で研究します。
◎大野 普通の議会でありますと議会に事務局がありまして事務局長が議長の命に依って記録を保管することになると思いますが、この議会は事務局がありませんが記録の保管と云うこの趣旨は、例えば鬼塚さんが記録保管係とするとか他の議員がこれを保管するものもありますがそう云う解釈をすると政庁のどなたかに保管をしてもらってその責任だけを負うと云うようなことに解釈されますが。
○知事 実際問題として政庁で保管したいと思います。
(府令第七条朗読)
○知事 議事録は軍政官、軍政府代表ならびに知事の指名する民政府役員の用に供することは出来るがこれを係員以外の者の保管に移すことは出来ない。この点の解釈については書記を指すか、それを解釈したら書記と解釈されるから政庁が保管したらどうかと思うんですがね。本当に幹事と云うことになったら幹事に定めなければならないと思います。係員以外になっておりますから。
◎鬼塚 他の者に保管をうつしてはいけないとある気持は議事録が他の者に依って書き変えられたりすることがあってはならない。それを防止するために係員を決めてそれ以外に保管をさしてはいけない。こう云う風に考えられる訳です。
○知事 原文は保管者以外にとなっております。係員は保管係員と云う意味です。他に御座いませんですか。
(異議なし)
○知事 坂さんから御質問がありました他の集会云々の字句は原文を見ると議会或いは会議です。集会でもかまいはしませんが沖縄は従来の民政議会を指していると思います。結局各四地区に議会が出来るからそれぞれ独立していると云う訳です。だから議会です。結局大島の議会は沖縄と独立して宮古、八重山から独立しているんだと云う事です。集会を議会に直してもらいます。
(第五章会議第十六条定員数河内法制課長朗読)
○河内 終りの若しくは半数に達してもその後半数に達しなくなった時はその限りでない。最初集ったらその半数以下になっても会議はやってもかまはない。おかしなものになると思います。ここだけは抹消しておいた方が良いと思います。
(異議なし)
(第十七条異議なし、第十八条異議なし、第十九条異議なし。)
(第二十条)
◎吉松 議事録に署名することを明記しなくてはいけないと思います。議員の署名がなければいけません。
○知事 それでは詳細の事項を記載し議長及び議会に於て定めた二人の議員が署名しなければならないとします。
(異議なし)
(第二十一条異議なし、第二十二条異議なし、第二十三条異議なし、第二十四条異議なし、第二十五条異議なし、第二十六条異議なし、第二十七条異議なし、第八章懲罰第二十八条異議なし。)
(第二十九条)
◎大野 府令の第六条の第三項には出席議員の四分の三とありますがこれはこの今の半数の場合を指すのではないかと思うんですが、これは今の第二十九条の末尾には三分の二以上が出席して四分の三以上の同意がなければならないと云っておりますが、これはどうですか。府令の第六条第三項にある出席議員の三分の二以上の表決に依ってこう云う罰を加えることが出来る。この罰は罰金一万円以下、一年以下の禁錮でありますが、その次の処にこのような議員に対して処罰の他に四分の三の表決に依ってその次期の議会に出席を禁止することが出来ると書いてあります。罰金を課しても除名でもいけないものがある。例えば議会を侮辱して罰金で済ます除名出来ない程度のものはその時の出席者の三分の二で決定する。除名は一番重いから。
○河内 民政府令第六条第三項ではこの侮辱した場合は罰金とそれから禁錮と除名も出来ると云う風に非常に罪が重いですから、その具体例にもこの点は除名位にしたらどんなものだろうかと思いまして最悪の場合に民政府令もありますがそう云ったものは民政府令を適用したら良いんぢゃないかと思いまして内地の自治法令にならってこうしたのであります。
◎坂 出席を禁ずることが出来ると云うのはいはゆる期間付であって改めて出席停止と意味が二つとれるんぢゃないかと思うんですが如何でしょうか。
○河内 第六条の四分の三の表決で除名することは出来ますから茲で議会令の除名の条項に違反した出席者が四分の三とするのはこれと合致すると思います。
◎大野 府令に依りますと違反した者ですね。これを罰金とったり禁錮したりすることは裁判の判決をまたずに出来るんですか。
○知事 出来る訳です。
◎坂 府令と政庁令と会議と三つにまたがっておりますですね。何だかおんなしようなことを書いてあるように思っておたずねしたんですが読んで見ると政庁令の方では禁錮以上の刑に処せられた場合に失格すると、処が規則の方の除名と云うのは必ずしも禁錮以上の刑でなくても出来ると云うような意味に私は私個人として解釈したんですがふたいろになっておりはせんですか、内容は。
○河内 はい、ふたいろになっております。
◎知事 政庁令、御諒解願ったことになります。
(第一章開会及び役員の選挙)
(第一条異議なし、第二条異議なし、第三条異議なし、以下第五条まで異議なし)
(第二章会議第六条以下第二十六条まで異議なし)
(第三章懲罰第二十七条懲罰の動議異議なし)
(第二十八条)
◎知事 第二十八条懲罰の動議が散会後に提供された時は議長は最近の会議に於てこれを議題としなければならないを除く。
(異議なし)
(第二十九条より第三十一条まで異議なし)
(第三十二条)
◎知事 第三十二条出席停止は三日をこえる事は出来ない。但し数個の懲罰事犯併発した場合はこの限りではない。
(異議なし)
(第三十三条、第三十四条異議なし)
(傍聴人取締規則第一条より第六条、附則まで異議なし)
◎知事 次いで議席の抽籤を行います。
(抽籤の結果、一番大野重隆、二 祷 清二、三 叶 實統、四 鬼塚眞臣、五 坂富積、六 永田文彦、七 欠員、八 山下平志、九 川合順英、一〇 吉松軍八以上の通り決定。)
(午後三時十分閉会)
◎知事 明日午前九時半から当処に於て開会します。
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