戦後初期会議録

組織名
八重山議会
開催日
1947年11月15日 
(昭和22年)
会議名
1947年11月15日八重山議会
議事録
一九四七年十一月十五日八重山議会会議録

諮問案第十五号
 復興工事施行の件
 戦災に依る公共建築物を左記の通り工事を施行せんとす。
    記
 高等学校校舎復興費
     一、四八〇、〇〇〇円
 初級高等学校校舎復興費
       六六〇、〇〇〇円
 大濱校校舎復興費
       九九三、〇〇〇円
    小  計
     三、一三三、〇〇〇円
 養 蚕 所
       二八七、二二五円
    小  計
       二八七、二二五円
 名 蔵 大 橋
       四五〇、〇〇〇円
    小  計
       四五〇、〇〇〇円
   合  計
     三、八七〇、二二五円
  一九四七年十一月十五日提出
   八重山知事 吉野 高善
諮問案第十六号
 八重山民政府参事会規則制定の件
 八重山民政府に参事会を設置し別紙の通り八重山民政府参事会規則を制定せんとす。
  一九四七年十一月十五日提出
   八重山知事 吉野 高善
諮問案第十七号
 救済資金として一時借入の件
 終戦に依る台湾引揚者中軍政官の指示に該当し救済を要すべき者に対し左記により一時借入をなし之が救済費に充当するものとす。
    記
 一 借入金額 金弐拾壱万五千円也
 一 借入先 八重山銀行
 一 借入時期 一九四七年度内借入期日は銀行と協定するものとす
 一 償還期 一九四八年度
 一 借入方法 信用貸借
 一 償還財源 八重山民政府一般歳入
  右
  一九四七年十一月十五日提出
   八重山知事 吉野 高善
諮問案第十八号
 八重山民政府歳入歳出追加予算の件
 一九四七年度八重山民政府歳入歳出追加予算別紙の通り
  一九四七年十一月十五日提出
   八重山知事 吉野 高善
実業高等学校設立要項報告の件

  八重山議会会議録
一九四七年十一月十五日午前九時
 出席議員
  山城 興常  喜舎場永珣
  成底眞加良  幾乃  伸
  大濱 用立  柴田 米三
  崎山 英保  玉城 仁榮
  仲本 信幸  本若 榮包
  玉代勢太郎  大濱 賢仁
  與那國 修
 欠席議員
  阿良 正二  大田 守松
  池間 榮三  新城 永吉
 出席参与
  翁長 信全  上間 貞俊
  大山 眞整  眞玉橋朝珍
  崎山 用喬  與那國善三
  大濱 信賢  當銘 正友
  宮良 賢副  眞喜屋實清
  神村 高裕  宮良 長重
  大濱 用宗  森田 次郎
  波照間永伴  小波津選良
  森田 永吉  桃原 永裕
  大山永太郎
 欠席参与
  浦崎 榮昇

  開会
◎知事 本第五回八重山議会に出席下さいまして感謝致します。
 諮問案は先に配付済みでありますがそれ等の案件により本議会を招集致しました。議員数は定数十八名でありますが宮城信範議員が先般治安裁判所判事就任で辞任をされたので十七名に現在員はなっています。本日出席議員は十二(十三カ)名で欠席議員五(四カ)名で定数の半数以上でありますから開会致します。慎重に御審議をして戴きます。
  (総務部長議長席に着く。)
◎議長 前議会での御希望に依り席を会議前にきめたいと思ひます。
  (総務課長、議員に抽選をなさしめる。欠席議員の席番号も柴田議員代理により抽選す。議員定席に着す。)
 会議を致します。諮問案の順序を少し変へて先に諮問案第十五号、第十七号、第十八号とし第十六号は諮問案を撤回して報告にします。次に第十五号に致します。
  (総務課長第十五号案を朗読す。)
◎土木農林部長 今度軍政府より復興費として三、八七〇、二二五円来ています。其内訳は高等学校一、四八〇、〇〇〇円、初級高等学校六六〇、〇〇〇円、大濱初等学校九九三、〇〇〇円、養蚕所二八七、二二五円、名蔵大橋が四五〇、〇〇〇円、合計三、八七〇、二二五円の額を受けて居ります。
 内容を説明すると高等学校は本館一一三(ママ)坪で其内訳は事務室一二・五坪、校長室一二・五坪、職員室二〇坪、教室二教室で四〇坪、昇降口一六坪、玄関四・五坪、車寄四坪、広間九坪である。廊下が二〇五坪、教室が九二坪、同廊下五〇坪、渡廊下の一部が一坪、講堂六九坪、便所が八坪、宿直室一三・五坪で総坪数三七四・七五坪である。
 初級高等学校は教室一二〇坪、廊下三〇坪、渡廊下二坪、便所八坪、総坪数一六〇坪である。
 大濱校は平眞校と大濱校に分れて居るが予算が大濱校になって居るので大濱校を東と西になして大濱東校は校舎九六・二五坪、同廊下二三・五坪、渡廊下七坪、便所八坪である。西校は校舎が八三坪、同廊下一九坪、渡廊下四坪、便所八坪、計一一四坪である。
 養蚕所、乾繭場修理費、共同蚕室補助、監督事務其他の費で前に申した様であります。名蔵大橋は目下軍政府に鉄筋とセメントを申請中でありますが出来なければ木橋をする様にして居ります。材木費、金物費、人夫賃、雑工費、事務費で計四五〇、〇〇〇円であります。以上簡単に説明致します。
◎十七番議員 戦災による復興費と思ふが農林高等学校には今の説明で分配がないが何か理由があるのか。
○土木農林部長 戦災状況は各市町村に調べて貰ひそれを出したのであるが軍政府からこんなに来て居るので吾々としてはわからない。
○議長 此の物がこんなに明示されて来て居るから更に軍政府に出頭してお願ひしたが軍政府では此れはこのままにして次に又次々とあるからこれはこのままにして置けと云ふことでこのままにしました。
◎十七番議員 初級高等学校は戦災が殆どないのでその分を農林の方にわけると云ふことを知事さんから聞いたが何か理由があって出来なかったのか、初級高等学校は二、三の仮教室で現在間にあっている状態であるが農林は農林高等学校の方は殆ど山羊小屋の様であるが出来るならば全部の学校に校舎をいくらかでもわけてやらう積りと聞いたのであるがどうしたのか其理由があるか。
○議長 吾々首脳部としても今の御考へと同じ様に考へて居たが軍政府から指示されて来たのであるから今年度に民政府の学校を八分通り造りたいのであったが、これは又復興費としてやり今の方は又予算の方で説明したいと思ひます。
○知事 学校の方でありますが復興費による学校その他は来年マッカーサーの検査を受ける事になって居る。その時に初級高等学校の分を農林にやった時は農林の分は後で差引かれるのである。
 貰うべきたとへば三〇〇、〇〇〇円と云ふ金が貰へない様になると想像されます。それならば軍政府からあてがはれた予算は初級にやり来年軍政府のやる予算は初級にやってあります。又今度初級高等学校、農林高等学校に分けるには事務的に困難にも思はれるからそうしたのであります。
◎五番議員 指示された通りやったのはそれはマッカーサーの方からの検査を受ける様になったからであるからかマクラム軍政官からの指示もあったとのことであるが其後変更になったならば仕方がないが此の復興費は高等学校として来たのか。
○議長 いや別々に。
○五番議員 別々に来たのですね、わかりました。
○土木農林部長 農林学校は復興費でするか民政府予算でするか説明致します。農林学校は本館一三七坪、同廊下二七・五坪で材料代が四六九、二九〇円で本年度これを造りあげる一二一、八一〇、〇〇〇円は来年度続き造りあげやうとの事であります。
◎六番議員 今度の追加予算にそれは含まれているか。
○議長 そうです。それは予算の所で説明致す積りです。
◎六番議員 戦災の為に軍政府から此の金が来た様でありますが此の工事はいつ迄続くか、何時出来上るか、請負か直営か資材は低物価政策とはどんな関係があるのか。
○土木農林部長 来年度三月末にしたい。それは出来るか直営の形をとるかとの事ですが直営の形をとるのですが一部は請負にも致します。資材はその入手につき考へて山入りする人とも懇談し其後折衝し材木課が高等学校を受持ち初級高等学校は五名と契約し大濱校は大濱字民がし西校は平得真栄里字民が出し農林校は父兄が出し名蔵大橋は眞玉橋長智が請負して責任を以て当ると話して居ります。
 瓦の方は十月十二日か十三日に業者と打合せ屋宜盛淳氏、平良松氏、照屋清榮氏、吉見武治氏、本若榮助氏が毎月責任を以て来年三月までにするとして居る。
 屋宜氏が六、〇〇〇枚、平良氏が六、〇〇〇枚、照屋氏が一二、〇〇〇枚、吉見氏が六、〇〇〇枚、本若氏が一五、〇〇〇枚で月に四五、〇〇〇枚責任を以て出すことを約して居ります。大工の方は十月十四日に業者と打合せ賃金も話してやうやう纏まり高等学校は森永、亀川氏に請負はせ初級高等学校は吉見氏が契約し大濱東校は新垣氏に西校は平田善彦氏に農林校は石垣里精氏に請負を約してあります。
 以上資材を申上げてあります。
 低物価政策との関係でありますがそれはこの設計は今のままである。若し低物価になれば坪数が多くなるものと思ひます。
◎六番議員 養蚕所は瑞泉社の外に四ヶ所もやるのか。
◎十七番議員 瑞泉社の建物は民政府に譲り渡されたのか又各字の養蚕室の組合で処分されて居るがそれはどうなって居るか。
○土木農林部長 各所の処分をして居るが組合自体がやって居る共同乾繭場は組合員のもので民政府の物では今の所ない。それは調べて見ると組合員数が石垣市四四九人、大濱が四一〇人、竹富が九九七人である。
  (午前十時五分 休会)
  (午前十時三十八分 開会)
○議長 先程の御意見でこれは存置したいと思ひます。八重山養蚕業の為に存置したいと思ふがそれに付き条件をつけてやって行きたい。
◎十六番議員 今の条件と云ふ事はどう云ふ事であるか。
○議長 これを解散させない様に、八重山に持って来させると云ふことである。
○田場参与 乾繭場の管理は現在私がやって居る。郡下の役員を招集して懇談したが当時の組合長である徳元八一が現在生存して居るとの事でそれに交渉して八重山に持ってこさせる様にすることに話合ってあります。
◎十六番議員 八重山養蚕の為に一部組合員のものでなく八重山のものにしてやって貰ひたい。
◎五番議員 当時の民政府が何年から何年ときめて金は交付することが大事な事であると思ふ。
  (午前十一時十五分 休会)
  (午前十一時三十分 開会)
○議長 これは軍政府とも極力折衝する。
◎十六番議員 これで済みませう。
◎議長 十七号に入ります。
  (総務課長諮問案朗読す。)
  (教育厚生部長より説明をなす。)
◎教育厚生部長 昨年十二月十五日台湾引揚をなした者が二七二世帯其中二五二世帯が台銀券、日銀券を持って来たがそれが軍票、新円と交換不能になったのであります。此の問題は本年五月一日付で軍政府の指令で交換が禁ぜられてあります。其交換出来ないものは救済せよ、其方法は元日本陸海軍人に非ざる世帯主又は未婚者にして自活することの出来ない者に対して一、〇〇〇円分の食糧と衣類で救済せよとさう云ふのである。それで二七二世帯を調べ此の調書を各市町村に願って調査していた中九月十五日付の軍政府の照会電報で先の指令に基き救済金の総額を知らせと来た。二七二世帯の中二一五世帯を救済する二一五、〇〇〇円を要するも財源がない為に未だ交付せずと九月十六日返電したのであります。
 それに就て九月十九日軍政府から電報が来て五月一日の指令に基いて救済は食糧衣類にてなさるべく現金にてせざること救済費用は予算に含まるべきことを求められ、又此の手紙に従ふべく直ちに誤りは正せと来たのであります。それで財源を求むるべく研究と打合せもしたのであります。丁度其時総務部長が宮古へ出張であるから打合を頼んだが救済の事はあの通りせよと云ふことであった。それで財源がないから借入れをしてやったのであります。
◎五番議員 帰還者が帰ってから十一ヶ月目に救済していただく事は私からも厚く感謝致します。軍政府が今度衣服食糧で救済やることは最も良い事と思ふ。速に一時配給せられん事を希望する。
◎十七番議員 台湾引揚者は何日までの間に引揚げると云ふ事があるはずと思ふがそれからの外のものであるのか又此の救済は本郡のみか他郡もあるか。
○教育厚生部長 十二月以前のものは良いが今度救済するのは十二月分で正式に軍政府の指示による帰還者である。
○議長 此の救済は八重山も宮古もやることになっています。宮古の新聞にもその事が載っている様です。
◎十七番議員 引揚者の持って来た金はいくらであるのかそれはここに預けてあるのか。
○議長 此処に預けてあるがそれは台銀や旧日銀である。
◎八番議員 それは十二月の第一回か何回のものであるのか。
○議長 十二月のもので闇船からでなく軍政府からのものではありません。
○教育厚生部長 十二月十五日の分だけであります。
◎五番議員 二七二世帯の中の二一五世帯を救済して残りの世帯の人はどう云ふふうになっているのか、どんなものを救済するのか。
○教育厚生部長 指令に依り査定して除いたのである。帰還者の中には相当の暮しをしている方もある。指令により説明します。
  (軍政府よりの指令朗読をなす。)
○五番議員 今の条件に適応するものが二一五世帯である訳ですね。
○議長 指令に基いて各市町村に願って調べてある。
○厚生課長 各市町村に調査させたのは。
○五番議員 部長が帰還者の中で銀行に金を預金したものが資格が(以下原文四行文空白-編者注)
  (以上で了承)
◎議長 十八号に移ります。
◎財務部長 今度追加予算をするに就て寄附として道路開鑿修理の為に石垣市、大濱町からあり、又マラリア撲滅費として各市町村、個人からの寄附がありました。又水産会の方からも商工経理部に水産課を設ける為に寄附がありました。竹富の実業高等学校長の費を五、〇〇〇円寄附があり総計一六、四一五、三七〇円であります。借入のものも収入にしてある。
 治安裁判所の罰金も入れてあります。高等学校復興費が来たから払戻しのものも入れてある。
 衛生収入としてマラリア撲滅費寄附申上げたいが薬品代の中マラリアに入れてある。天幕貸料も収入にあります。総務部費に議会費、財務部に自転車購入の需要費、教育厚生部に先の救済費、商工経理部の職員費、土木農林部の建築費を入れてあります。
 御審議をお願ひします。
◎五番議員 総括的にやらせて戴くか一項一項をやって行くのか。
○議長 出来るなら総括的にさせていただきます。竹富の実業学校長の方は五、〇〇〇円、採納は八、〇〇〇円になる様であります。
◎五番議員 水産課は商工経理部に置かれる様ですが土木農林部に入れて産業部(課カ)にでもされたらどうかと思ふ。
○議長 軍政府の指示された案の中にそう指示されてあります。これまでは交易産業の中に水産業も指示されている。それで今の交易産業課の産業を水産業課にあてがふ様にするものであります。いづれ来年あたり出来れば農林部とあるから水産部も出来る様にしたいと思っています。
◎十七番議員 現在は交易は水産業が主である。現在その為に交易産業課にあるが水産業は将来水産部として持つ必要があると思ふ。
◎十一番議員 行政面から申上げると農林と水産ともありますが現在は今のままで差支へないと思ふ。
◎十六番議員 機構の問題が出たから申上げる。民政府機構のことは再検討の必要があると思ふ。元々税務課は独立の官庁として来て居た。それも独立させて考へる必要があると思ふ。尚又山林課と農務課とを一つにして統合させるべきで独立させるものは独立させ統合させるものは統合させる事が必要であると思ふ。
○議長 現在のままに今年はやって行くつもりです。
◎十七番議員 財務の軍政府負担金四〇、〇〇〇とあるがこの追加はどうしたのか。
○予算会計課長 軍政府の費は毎月違ひそれを宮古と分けてやる様になっています。宮古民政府の職員を軍政府が使ひ又人夫も使ひその分を宮古と分けてやっています。
○十七番議員 こちらの宮古の常置の職員が居るか。
○議長 ない。
◎十七番議員 七〇、〇〇〇円の負担金をするならばこちらからの者も常置しておいた方が良くはないか。配給物もきけば良いものは宮古にとられ悪い物ばかり来ると云ふ事であるからそれも見てもらったらどうか。
○議長 予算があったら常置員をおきたいと思ひましたが貿易庁代表をおくことになり予算がないのです。
○知事 私の方からもお答へ致します。それは宮古軍政府の職員の費用ではありません。軍政府の職員は少ないので其他の通訳又その他の者の費用を宮古と八重山が持つのであります。
◎十七番議員 商工経理部と関連するのですが現在貿易品を出して貿易庁の手を経て来るのには尚相当の日数を要するのであります。現在の貿易品は主に水産物である。水産物は一時に何万円とするのであるが交通不便の為にそれが金になって来るまでには相当の日数がいる。それでは業者の資金の融通が出来ない。それで業者が困っている。それであるから何とかして資金の融通をする様にして貰へないか。
○議長 その事に就ては数度に渡って交渉して出来ないのであります。その事は水産会の副会長さんも御存知の事です。軍政府のホーヘイ大尉もその金はすぐ払ふ様に力を入れようとされたが今まで出来ない。それで最後にこれだけを出したのであります。
◎十五番議員 資金がない為に水産業者の交易課に出したが金がない。それで非常に困った。一体貿易庁と民政府とはどんな関係かはっきりわからないが貿易庁は民政府の監督にあるのか又は民政府は貿易庁の監督にあるのか、貿易庁は軍政府の下にあるのか明らかにして貰ひたい。
◎十一番議員 資金融通は何か考へているか。
○議長 近い中にこちらに八重山に銀行が出来る。産業資金はそこからやって良いとの電が来ています。
◎五番議員 銀行は此処に置かれる様に申請されて居るか。
○議長 申請している。
○十一番議員 是非そうして貰ひたい。
◎五番議員 民政府の経済で農林学校は今年から来年までに出来ると思ふがそうしたら来年の交付金は権利は失ふと思ふがどうか。
  (午前十一時二十七分 休会)
  (午前十一時三十分 開会)
◎十七番議員 大濱町からマラリア撲滅費の寄附があったが三月迄の撲滅費用はありますか。
○衛生部長 軍政府から医者に下さった薬品の四〇%の金はマラリア撲滅の費用にして良いとのことであり又其他の寄附でやる積りで居ます。年内に手をつける所は波照間開南川原で昨日から手をつけている所川平、次に伊原間に手を付けています。私の実施しようとした点滴装置をして店開(ママ)の状態でやり来年の予算をとり、やる積りです。
◎十七番議員 市町村交付金一〇〇、〇〇〇とも関係あるか。
○衛生部長 あります。石垣市、大濱町で、竹富村は一〇、〇〇〇円で既定の予算五、〇〇〇円を入れて一五、〇〇〇円、与那国は交通の出来ない為にわかりません。
  (以上で本案は全議員了解賛意して了承す。)
◎総務課長 告示した実業学校の諮問案は撤回して報告にします。
◎教育厚生部長 七八、〇〇〇円を得て開設する実業高等学校は各市町村に一校づつ独立、他は併設する事になりました。
 管理は各市町村持ちで民政府は職員費持つことになっています。生徒は初等八ヶ年修了者で上級学校に行かない生徒であります。申上げる事は義務制に就てですが何故義務制にしたかに就て申上げます。教育の機会均等さへ与へればその権利は放棄しても良いかどうかを考へさせられる。総ては自由だと見て良いか一歳から十八歳まで自由にされてこれまで軍国主義教育を受けて来ているのである。それでは新しい時代には立つことが出来ない。それで新しい教育を課して将来を民主主義にすることが出来る。現在は過渡期故義務制にしたが将来は除かれると思ふ。学課は一週十二時間で交替にする。
○議長
  (午後零時 休会)
  (午後零時四分 開会)
○議長 後問題は一つだが続行しますか。
○全議員 全部終る事にした方が良い。
◎議長 では十六号を総務課長から説明致します。
◎総務課長 (草案を朗読)
 現行日本法規を参考にしてつくりました。
◎六番議員 吾々議員は知事の推薦を経て軍政府の命で来て居ると思ふが参事会の任期は二ヶ年とあるが吾々もいづれ公選になるものと思ふのである。その任期はその時に不都合の時はないか。
◎十六番議員 参事会員数に就て六名は府県時代に於て三十名であったがこれは十八名の三分の一の六名でいづれも三分の一を基にしてそうしたかとも思ふが会を開くのに六名の三分の一の二名では貧弱であると思ふがどうか。それで引揚げて九名とでもしたらその三分の一の三名位では少し会らしい様にも思へるからそうした方が良いと思う。
 又二条の但し書は不必要のことと思ふ。
◎十七番議員 職務権限の一であるが出来るだけ急施を要する時に六名とされてあると思はれるが六名で良くはないかと思ふのである。
  (他議員殆んど六名に賛意)
○議長 此の会則は軍政府の認可を経て公布したいと思ふ。
◎十番議員 款は古いから章に変へた方が良い。
○議長 承認して章に変へます。
◎五番議員 第二条の但書は幾乃君が云ふた通り消しても良いと思ふ。
○総務課長 消しても差支へないと思ふ。
○議長 消すことにします。
  (議員、「それで良いでせう。」)
 消します。
◎知事 参事会の規則は軍政府の認可により公布します。就きましては公布後会員を選挙する事が至当ですが便宜上今選挙して置いたらどうですか。
  (四、五人の議員から、「それが良いでせう。その為に又議会招集する事にしたら大変だからそれが良いだらう。」)
 ではする事に致しませう。
○議長
  (午後零時十八分 休会を宣す。)
  (午後零時二十二分 開会を宣す。)
 会員の件を付議致します。
◎十七番議員 会員の選挙に就ては民政府に一任したいと思ひます。満場御賛成をお願ひ致します。
○他全議員 賛成。
◎議長 では民政府の方から指名致します。大濱用立、山城興常、大田守松、喜舎場永珣、與那國修、柴田米三、六名です。
 御異議ない様ですからこれで御承認下さって会議を終ります。
◎知事 本日は終始熱心に御審議下さって有難ふございました。
 実施するものは実施し認可を要するものは認可を願ひやる様に致します。(午後零時二十七分)
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