戦後初期会議録

組織名

八重山群島議会

開催日

1951年08月27日　
（昭和26年）

会議名

第5回八重山群島議会（定例会）[2]

議事録

一九五一年八月二十七日（月曜日）午前十時二十五分開議

議事日程第二号
　　午前十時二十五分開議
第一　議案第五十号　蚕業技術員設置助成に関する条例制定について
第二　議案第五十四号　八重山群島医師介輔及び歯科医師介輔配置に関する条例制定について
第三　議案第六十号　八重山群島警察警備船乗組員旅費支給条例制定について
第四　議案第五十七号　八重山群島登記手数料徴収条例制定について
第五　議案第五十八号　企業免許証明並びに企業免許証再交付手数料徴収条例制定について
第六　議案第五十九号　八重山群島選挙管理委員報酬並びに費用弁償支給条例制定について
第七　議案第六十一号　漁業監督吏員に関する条例制定について
第八　議案第六十五号　家畜検疫条例の一部改正について
第九　議案第六十六号　八重山群島政府手数料徴収条例の一部改正について
第十　議案第六十二号　マラリア撲滅に関する取締条例の一部改正について

◎議長（潮平寛保君）　開会いたします。
　七番議員は病欠で、一番議員は遅参とのことであります。
○書記長（眞玉橋長要君）　参与の報告をいたします。
　　（参与の報告をなす。）
◎議長（潮平寛保君）　議案第五十号蚕業技術員設置助成に関する条例制定についてを上程いたします。
　　（書記長（眞玉橋長要君）議案第五十号蚕業技術員設置助成に関する条例制定についてを朗読する。）
◎経済部長（眞榮田登君）　提案の理由を申し上げます。先の議会で蚕業振興のために予算を認めていただきましたが、申請その他手続等に於て未だ規定されていないので、その予算の支出、監督等に対して規定したいので、この条例を提案したのであります。御審議をお願いいたします。
◎大山眞整君　本件は先の議会でも予算を議決し、時宜に適したものであり、賛成するものでありますが、提案の条例案では、市町村長がその職員を任免すべき条項が明記されて居らず、第四条を訂正して、その任免権を規定し、市町村長が知事の承認を得て任免できる権能を与えるようにするのがよいと思います。
○経済部長（眞榮田登君）　六番議員にお答えいたします。
　任免については、第一条に明記されています。提案者としては、申請者にその任免権はあるものと解釈しています。それで、第四条は原案のままでよいと思います。
　　（一番議員遅参す　午前十時三十分）
◎大山眞整君　それでは、その任免権の条文を明記して下さい。
○副知事（當銘正友君）　市町村吏員の任免は、当然市町村長にあります。それで市町村に設置する蚕業技術員を市町村長が任命権をもつのは、当然であると思います。ただ、技術員の任免に対し、事前に知事の承認を受けるとすれば、それでよいと思います。
◎星克君　第四条の知事の承認を受けるという趣旨は、どこにありますか。
○経済部長（眞榮田登君）　市町村の蚕業計画と群島政府の蚕業計画を併せて実施するのが八重山産業の発達のために適当だと思われますので、予めその資格について政府の認めるものとしたいのであります。
◎大山眞整君　第一条は専任の蚕業技術員を設置した市町村に助成金を交付するというものであり、第四条は、任免を明記するのが適当であります。故に第四条は任免権を明記すべきものと解釈します。
◎石垣用中君　蚕業技術員を任命しても交付金は個人になされるべきものでなく、その市町村に交付されるものであります。それで第四条の技術員の任免は、市町村長の権限であり、知事の承認を受けるものとするは削除すべきであり、又第五条にある技術員の勤務状況報告は、技術員その人に報告させるべきでなく、市町村長が報告すべきものであります。
○経済部長（眞榮田登君）　ただ今の御意見にお答えします。
　技術員の任免は知事にあるというのではなくして、第四条にその任免権者を明記すべきだと議会が認められれば、その条文は入れてもよいと思います。
　第五条については、政府としては、その報告書があればよいのですから、技術員が報告する、市町村長が報告するのは何れにしても結構であります。
○議長（潮平寛保君）　六番議員の説に対して外の方はどう考えられますか。
◎星克君　修正動議を提出します。
　第一条の「専任」を削除し、市町村に対しての次に「本条例の定めるところにより」を挿入する。
　第三条は、蚕業技術員とは、左の職務に専門に従事する市町村職員をいうとし、第四条、第五条を全文削除する。
○経済部長（眞榮田登君）　第五条の勤務状況報告の条文ですが、これを削除したいといわれますが、その理由をお聞きしたい。
○星克君　市町村に対し必要ある時は、知事は群島組織法によって報告を徴する権限があり、自由に報告させることができる。更に第七条には助成金を受けた市町村は毎年五月末日までに、事業成績書別紙様式二号により報告するようになっているので、第五条は削除してよいと思います。
◎潮平寛保君　三番議員として発言します。
　二番議員は第一条の専任を削除すると言われますが、第一条の専任を削除せずそのままにすれば、第三条はそのまま修正の必要はないと思います。
◎星克君　第三条は技術員の定義であり、専門に従事する事項であるとして専門を挿入し、七項目はその主管事務としてはっきりしています。第一条の助成金をやるというのは、その方法手段であるとして修正したいのであります。
○議長（潮平寛保君）　休憩いたします。（午前十時四十分）
　　（休会中に蚕業技術員設置助成に関する条例制定について、懇談をなし、修正意見がまとまった。）
◎議長（潮平寛保君）　開会いたします。（午前十一時二十五分）
　修正動議がありましたので、次のように訂正いたします。
　第一条中の専任蚕業技術員の「専任」を削除、市町村に対しの次に「本条例の定めるところにより」を挿入し、「ては」を削除する。
　第三条　蚕業技術員とは左の職務に専門に従事する市町村職員をいうに改め、以下七項までそのままとする。
　第四条　蚕業技術員の資格については、別に知事の定めるところによると訂正
　第五条　市町村長は毎月五日までに蚕業技術員の前月の勤務状況を知事に報告するに訂正
　第六条中「一月末日」とあるを「十二月二十日」に訂正
　第六条第二項中「経費予算書」を「経費見積書」に訂正
　様式一号６を経費見積書とし、予算額の欄は「経費見積額」と訂正
　附則　この条例は一九五一年九月一日から実施する。
　右のように修正したいと思いますが如何ですか。
　　（異議なし）
◎議長（潮平寛保君）　御異議ないようですから議案第五十号蚕業技術員設置助成に関する条例制定については修正可決いたします。
　次は議案の簡単なものから審議したいと思いますので日程を変更し議案第五十四号を上程したいと思いますが如何ですか。
　　（異議なし）
◎議長（潮平寛保君）　議案第五十四号八重山群島医師介輔及び歯科医師介輔配置に関する条例制定についてを上程いたします。
　　（書記長（眞玉橋長要君）議案第五十四号八重山群島医師介輔及び歯科医師介輔配置に関する条例制定についてを朗読す。）
◎厚生部次長（三島保夫君）　提案の理由を申し上げます。
　布令第四十三号、第四十二号によって医師助手及び歯科医師助手が廃止されて医師介輔及び歯科医師介輔の名称に変りました。布令第四条によれば医師介輔、歯科医師介輔の配置は医師配置委員会が介輔の配置に関することは行うことになっていますが、八重山群島には未だこの委員会がないので、この条例を制定して委員会を設置し、介輔配置をしたいので本案を提案した次第であります。
◎石垣用中君　今先に議長から簡単な議案から審議しようと言われましたが本案は簡単なものでなく、研究を要するものと思われますから、後回にしては如何ですか。
◎議長（潮平寛保君）　一番議員からただ今の動議がありますが、如何しますか。
　　（「賛成」の声多し）
◎議長（潮平寛保君）　議案第五十四号は後回にします。
　議案第五十五号を上程します。
◎石垣用中君　日程変更の議案は簡単なものからということであれば順を定めて上程されてはどうですか。
◎議長（潮平寛保君）　それでは前以て日程を定め上程番号をきめていただきたい。
◎星克君　最初きめた通り逐次上程されては如何ですか。
◎議長（潮平寛保君）　議案にはこみ入ったもの、簡単なものがあるから簡単なものから上程して済ませたいと思っておるのであります。
◎星克君　当局にとって急を要するものがあればそれを先にした方がよいと思います。
○副知事（當銘正友君）　議案第五十五号八重山群島保健所使用料徴収条例制定については、軍の方から早く保健所設立するようにとのことであるからできるだけ先にしていただきたいと思います。傭人の採用問題もあることであります。第五十六号議案の開放病院及び八重山中央診療所の使用料徴収条例もまだ出来ていないから、これも急ぎだいと思います。
◎議長（潮平寛保君）　当局の御希望もありますから議案第五十五号、第五十六号を先にしてはどうですか。
　　（「賛成」の声多し）
◎石垣用中君　議案を上程する順は、決めておいた方がよいと思います。
◎議長（潮平寛保君）　第二回目は第五十五号議案、第三回目は第五十六号議案として、この二つの議案を済ましてから後に順序はきめてどうですか。
○副知事（當銘正友君）　警察警備船乗組員旅費支給条例も、適用の期日が迫っているからこの案を第四回目とし、第六十四号議案八重山群島政府職員定数条例の一部改正については、保健所と関係するから第五十五号議案、第五十六号議案とは一緒に上程されたいと希望します。
◎大山眞整君　第五十五号議案以下を逐次上程されてはどうですか。
◎議長（潮平寛保君）　一番の希望により日程を左の順のとおりにきめたいと思います。
　第六十号議案、第五十七号議案、第五十八号議案、第五十九号議案、第六十一号議案、第六十二号議案、第六十三号議案、第六十四号議案、第六十五号議案、第六十六号議案、第六十七号議案、第六十八号議案、第六十九号議案、第五十四号議案、第五十五号議案、第五十六号議案、第五十一号議案、第五十二号議案、第五十三号議案の順序に上程することにします。
　　（「異議なし」の声あり）
◎議長（潮平寛保君）　議案第六十号を上程いたします。
　　（書記長（眞玉橋長要君）議案第六十号警察警備船乗組員旅費支給条例制定についてを朗読す。）
○議長（潮平寛保君）　提案の理由を公安委員の大山永太郎氏にお願いするため、参与にしたいのですが如何ですか。
　　（異議なし）
◎公安委員（大山永太郎君）　警察警備船が配置されて警備のため石垣島近海には常に巡航して来ているのですが、時によっては遠く宮古あるいは沖縄辺までも出かけなければならないので、こういう時には、その乗組員に対し、旅費支給を必要と認めますので、この条例を制定していただきたいと思って提案した次第であります。その他のことは条文のとおりでありますから御審議の上御制定下さるようお願いします。
◎石垣用中君　第二条に群島政府旅費支給条例による三級職員の定額を支給することになっているが、この範囲で割当てられるのですか。
◎星克君　宿泊料とあるが、乗組員が船に宿泊する場合にも旅費、宿泊料を支給することになりますか。
○副知事（當銘正友君）　本件は予算関係もあることですから必ず旅費を支給するということでなく、警備船が石垣島周辺に出かけるならば船内で宿泊する場合もあって、かかる時の宿泊料支給は認めるわけに行かず、ここで認めようとするのは、軍の命により沖縄行、宮古行をしなければならぬときは旅費支給（宿泊料）を認めようではないかとのことであるし、今までは事実としてはないが今後沖縄や宮古辺へ任務を命ぜられたときは宿泊料を認めていただきたいのであります。
◎石垣用中君　本案は原案に賛成します。
　　（全員「異議なし」）
◎議長（潮平寛保君）　全員御異議ありませんから、議案第六十号八重山群島警察警備船乗組員旅費支給条例制定については原案通り可決します。
　議案第五十七号を上程いたします。
　　（書記長（眞玉橋長要君）議案第五十七号八重山群島登記手数料徴収条例制定についてを朗読する。）
◎星克君　原案に賛成しますが、第四条の文句が多いようですから、第四条は登記事項に関する謄本、抄本、証明手数料は一件につき、二〇円としたらどうでしょう。
○知事（安里積千代君）　登記事項に関するものは大ていそういうようになっているので、第四条はそのままにおいた方がわかり易く、懇切、叮嚀でよいと思います。
○星克君　知事さんにお尋ねしますが、第四条に示されてあるその他について証明、申請などは考えられませんか。
○知事（安里積千代君）　登記手数料としてこの外には考えられません。
◎星克君　自分か今先申し上げた第四条の修正案は取消しまして、原案通り賛成します。施行期日はどうですか。
◎佐久眞長助君　一九五一年九月一日から施行するとせばよいと思います。
　　（異議なし）
◎議長（潮平寛保君）　御異議ないようですから議案第五十七号八重山群島登記手数料徴収条例制定については、この条例の施行期日を一九五一年九月一日として原案通り可決いたします。
　休憩します。（午後零時二分）
　午後は一時半から開会します。
◎議長（潮平寛保君）　開会します。（午後一時四十分）
　議案第五十八号を上程します。
　　（書記長（眞玉橋長要君）議案第五十八号企業免許証明並びに企業免許証再交付手数料徴収条例制定についてを朗読する。）
◎企免所長（竹原孫恭君）　提案の理由を申し上げます。
　企業免許証明料、企業免許証再交付は従来めったになかったのでありますが、最近になり復金の借入に当り証明の必要があるとのことで、証明を受けにくる者が多くなり、この条例の制定をせねばならぬので提案したのであります。
◎星克君　質問いたします。企業免許証の再交付と証明とは、手数はどちらが多く要しますか。
○企免所長（竹原孫恭君）　手数を要するのは似たようなものであります。
◎星克君　その他の各種の免許手数料とこの手数料とはどうなっていますか。
　　（書記長（眞玉橋長要君）各種の免許手数料を朗読する。）
◎大山眞整君　本案は原案通り賛成するものであります。
　　（「異議なし」の声あり）
◎星克君　すべて政府の発行する証明の手数料は交渉（公証カ）するものですから、そのまま二〇円としてよいが、免許証再交付は、汚損か紛失か、本人の不注意により交付を受けるのであるから、三〇円に訂正した方がよいと思います。
○議長（潮平寛保君）　二番議員の御意見に対して御異議ありませんか。
◎石垣用中君　企業免許手数料の最低はいくらでありますか。
○企免所長（竹原孫恭君）　一律に二〇〇円となっているのでこれを改正したいため議案第六十九号を提案してあります。
◎石垣用中君　改正案の最低はいくらになっていますか。
○企免所長（竹原孫恭君）　五〇円になっています。
○議長（潮平寛保君）　企業免許証再交付手数料は三〇円に訂正してはどうでしょう。
◎石垣用中君　二番議員の意見通り修正に賛成します。
◎佐久眞長助君　自分は原案通りに賛成します。野菜売り、豆腐売りのような零細なもののことを考慮して手数料の値上げせずに原案通りでよいと思います。
　　（「賛成」の声多し）
◎議長（潮平寛保君）　原案賛成が多いから、原案可決してよろしいですか。
　　（異議なし）
◎議長（潮平寛保君）　議案第五十八号企業免許証明並びに企業免許証再交付手数料徴収条例制定については、原案可決いたします。
　議案第五十九号を上程いたします。
　　（書記長（眞玉橋長要君）議案第五十九号八重山群島選挙管理委員報酬及び費用弁償支給条例制定についてを朗読す。）
○知事（安里積千代君）　条例の字句を統一したいから第一条中の（以下単に委員と称す）を（以下委員という。）に訂正をしてください。
◎大山眞整君　報酬と費用弁償との区別をお聞きしたい。
　日当は費用弁償に含まれると思うがどうでしょう。
○副知事（當銘正友君）　報酬は日当で、その人の勤務のための日数に応じて支給されるもので、従来の日本の法規では、報酬は日当、月手当、年手当いくらとして支給されて居り、費用弁償は旅費等に解されていたのであります。
◎大山眞整君　選挙管理委員の執務日数に対して日当を支給されるのですか。
◎佐久眞長助君　群島組織法で選挙管理委員、その他の委員の報酬、費用弁償に関しての規定はどうなっていますか。
　　（書記長（眞玉橋長要君）群島組織法に定められた委員の報酬、旅費に関する条項として第一五二条、第一五四条を朗読する。）
◎古見石人君　本案は自分は原案通りに賛成します。
◎星克君　自分は修正したいと思います。
　標題を群島選挙管理委員報酬及び旅費支給条例とかえたい。本案中の費用弁償するのは旅費を意味しているので、群島組織法にも委員に対しては旅費を支給するとあって、費用弁償とはないから旅費として訂正したいのであります。
○書記長（眞玉橋長要君）　群島組織法には費用弁償とはないが市町村制にはあるのです。
○議長（潮平寛保君）　休憩します。（午後二時十分）
　　（休会中に群島選挙管理委員報酬及び費用弁償支給条例について話合いをなし次のように訂正することにした。「日当」とあるのを「一日」に訂正、第三条中の「報酬及び」と「給料及び」を削除する。）
◎議長（潮平寛保君）　開会します。（午後二時四十分）
　議案第五十九号八重山群島選挙管理委員報酬及び費用弁償支給条例制定については、原案可決してよいでしょうか。
　　（「異議なし」の声多し）
◎議長（潮平寛保君）　議案第五十九号は条例案中の「日当」を「一日」に訂正、第三条中の「報酬及び」と「給料及び」を削除して修正されたものを原案として可決いたします。
　議案第六十一号を上程いたします。
　　（書記長（眞玉橋長要君）議案第六十一号漁業監督吏員に関する条例制定についてを朗読する。）
◎経済部長（眞榮田登君）　第六十一号議案提出について説明いたします。
　現在の八重山水産業においてはマイト使用による漁場の荒廃や稚魚根源の滅亡を来たしつつある現状で、その対策として、この条例の制定が最も必要であると認め、元沖縄県漁業取締法等の規定を参照して、この条例案を作って提案した次第であります。
○議長（潮平寛保君）　漁業監督吏員にはどんな人を任ずるのか。取締りは警察官を任ずるのですか。
○経済部長（眞榮田登君）　第二条の一、二を指しています。
◎古見石人君　漁業監督吏員に定数がありますか。
○経済部長（眞榮田登君）　定数はありません。
◎大山眞整君　漁業監督取締りについては警察で、いろいろ当っていただいて感謝しているが、その以外に水産課として取締る必要がありますか。
○経済部長（眞榮田登君）　水産課では今まで定期的に警察にお願いして一緒に監督取締りをして来ましたが、法で監督取締りの権能が与えられなかったので、取締りに困難を感じつつ来たのであります。その権能を持てば取締り上にも大きな効果があがるものと考えられます。
　外海に出て取りしまるよりも陸揚げの漁獲物を収去し、マイトによるものであるかを鑑定し、取締る方が効果的であるのです。
○大山眞整君　今まで警察の方の取締りで人員が不足なので経済部水産課でもやるのですか。
○経済部長（眞榮田登君）　警察以外にも水産関係の職員が共に出て取締りに当り、漁民の自主的方法も考えて取締るということにしたいのであります。
◎佐久眞長助君　漁業法や漁業取締りに関しては、布告で定められていますか。
○経済部長（眞榮田登君）　布告で定められてありません。
○議長（潮平寛保君）　休憩します。（午後二時五十分）
　　（休会中漁業監督吏員に関する条例案について話合いをなし、修正意見をまとめた。）
◎議長（潮平寛保君）　開会いたします。（午後三時五分）
　第六十一号議案の漁業監督吏員に関する条例案は、第十条中の「第八条の命に従わないもの」の次に「もしくは第九条の収去をこばんだもの」を挿入し、第二条中「左にかかげるものは」を「左にかかげるものの中から」とし、「漁業監督吏員は」を「漁業監督吏員を」に修正し、施行期日を一九五一年十月一日として可決したいが如何ですか。
　　（異議なし）
◎議長（潮平寛保君）　議案第六十一号漁業監督吏員に関する条例制定については、ただ今修正の通り可決いたします。
○石垣用中君　現在の状況からしてこの条例による取締りは最も必要なことで、急いでなさなければならないのでありますが、本条例を施行するにつきましては、その適用をよく考慮していただきたいと希望します。
○経済部長（眞榮田登君）　一番議員のいわれる本条例の適用につきましては御説に副うよう適正を期するつもりであります。
◎議長（潮平寛保君）　当局の希望があって、第六十五号、第六十六号議案を先にしてくれとのことですが如何しますか。
　　（異議なし）
◎議長（潮平寛保君）　議案第六十五号を上程します。
　　（書記長（眞玉橋長要君）議案第六十五号家畜検疫条例の一部改正についてを朗読する。）
◎石垣用中君　第一条をこの条例で家畜とは牛（黄牛、水牛を含む）、馬、豚、山羊及び犬をいうと修正したいがどうですか。
◎議長（潮平寛保君）　ただ今の御意見のように、第一条この条例で家畜とは、牛（黄牛、水牛を含む）、馬、豚、山羊及び犬をいうと修正し、「　」を削除したいが如何ですか。
　　（異議なし）
◎議長（潮平寛保君）　御異議ありませんから議案第六十五号家畜検疫条例の一部改正については修正可決いたします。
　議案第六十六号八重山群島政府手数料徴収条例の一部改正についてを上程します。
　　（書記長（眞玉橋長要君）議案第六十六号八重山群島政府手数料徴収条例の一部改正についてを朗読する。）
○経済部長（眞榮田登君）　第九条の四項の行の下にある「更に但し書」を削除してください。
◎大山眞整君　第九条の項に但し書を加えるが、その但し書の御説明を願います。
○経済部長（眞榮田登君）　種畜とは牛、馬、豚、山羊の四つをいっています。
　議員各位の協賛を得て豚の品種改良品評会をやろうとも考えています。そこで奨励の意味で政府及び市町村が購入し、又は購入斡旋をした種畜は手数料を免除することができるとしたのであります。
◎星克君　この条例は次のように修正可決したいと思います。
　「第九条を次のように改める」を削除して、「第九条の四項に」とあるを「第九条中第四項に」と修正したいのです。
○議長（潮平寛保君）　休憩します。（午後三時四十分）
　　（休会中に議案第六十六号八重山群島手数料徴収条例の一部改正について、修正案の話合をなした。）
◎議長（潮平寛保君）　開会します。（午後三時四十四分）
　この改正条例案は次のように修正したいと思います。
　「第九条を次のように改める」を削除し、第九条中第三号の次に、「四、犬一頭につき一〇円」を加え、第二項として「政府及び市町村が購入し、又は購入斡旋をした種畜は手数料を免除することができる。」を加えると修正可決しては如何ですか。
　　（異議なし）
◎議長（潮平寛保君）　御異議ないようですから、議案第六十六号八重山群島政府手数料徴収条例の一部改正については修正可決いたします。
　議案第六十二号を上程いたします。
　　（書記長（眞玉橋長要君）議案第六十二号マラリア撲滅に関する取締条例の一部改正についてを朗読する。）
◎厚生部次長（三島保夫君）　議案の説明をいたします。
　従来この条例の第二条マラリアの無病地域、有病地域については、一項を有病地域、二項を無病地域としてあったのを、一項を無病地域、二項を有病地域と取りかえたのであります。今後地域に変更があっても無病地域さへ列記明記して、有病地域は前項の無病地域を除く地域としておけば今後条例改正は一項のみで便宜にいくようになるのであります。例えば宮良は無病地域、有病地域もあるので、今後移民が部落以外の地帯へ来た場合、条例を改正しなくともよいことになります。
◎石垣用中君　与那国は無病地域に編入できる地域はありませんか。
○厚生部次長（三島保夫君）　来年から無病地域に入れたいと思っております。
◎星克君　たびたびこの条例を改正するという煩を避けるために有病地域を知事が指定するとしておいたら如何でしょうか。
○厚生部次長（三島保夫君）　有病地域を知事が指定するということにしていただけば結構と思います。
○議長（潮平寛保君）　休憩します。（午後三時五十分）
　　（休会中にマラリア撲滅に関する取締条例を一部改正する条例案について修正の話合いが行われた。）
◎議長（潮平寛保君）　開会いたします。（午後三時五十八分）
　マラリア撲滅に関する取締条例の一部改正する条例案は、「第五条第四項中、」とあるを「第五条第四号中、」に改め、「第五条第七項に次の一項を加える、」とあるを「第五条中次の一号を加える、」に改め、附則をこの条例は公布の日から施行するとして可決したいと思います。
　　（異議なし）
◎議長（潮平寛保君）　議案第六十二号マラリア撲滅に関する取締条例の一部改正については、右のように修正可決いたします。
　本日の会議はこれで休会します。（午後四時）
　明日は午前十時開会し、残った議案を審議いたします。

　本日の会議に付したる事件
一　日程第一　議案第五十号　蚕業技術員設置助成に関する条例制定について
一　日程第二　議案第五十四号　八重山群島医師介輔及び歯科医師介輔配置に関する条例制定について
一　日程第三　議案第六十号　八重山群島警察警備船乗組員旅費支給条例制定について
一　日程第四　議案第五十七号　八重山群島登記手数料徴収条例制定について
一　日程第五　議案第五十八号　企業免許証明並びに企業免許証再交付手数料徴収条例制定について
一　日程第六　議案第五十九号　八重山群島選挙管理委員報酬並びに費用弁償支給条例制定について
一　日程第七　議案第六十一号　漁業監督吏員に関する条例制定について
一　日程第八　議案第六十五号　家畜検疫条例の一部改正について
一　日程第九　議案第六十六号　八重山群島政府手数料徴収条例の一部改正について
一　日程第十　議案第六十二号　マラリア撲滅に関する取締条例の一部改正について