戦後初期会議録

組織名
八重山群島議会
開催日
1951年08月25日 
(昭和26年)
会議名
第5回八重山群島議会(定例会)[1]
議事録
第五回八重山群島議会(定例会)会議録

一 会期
  一九五一年八月二十五日から一九五一年九月一日まで八日間

二 出席議員
 議長      潮平 寛保
 副議長     大山 眞整
 一番      石垣 用中
 二番      星   克
 四番      佐久眞長助
 五番      古見 石人
 七番      久部良正三

三 議事参与
 群島知事    安里積千代
 副知事     當銘 正友
 財政部長    崎山 信邦
 経済部長    眞榮田 登
 厚生部長    崎山  毅
 工務部長    花城 永彭
 会計長     宮良 永益
 出納長     中山 正行
 企業免許所長  竹原 孫恭
 法務部次長   野國 昌一
 文教部次長   亀谷 長行
 経済部次長   石垣 英政
 財政部次長   石垣 直文
 厚生部次長   三島 保夫
 地方課長    田盛 正雄
 主計課長    浦崎永八郎
 税務署長    西石垣正行
 農研所長    宮良 長義
 公安委員    大山永太郎

四 書記長及書記
  書記長  眞玉橋長要
  書 記  漢那 用知
  書 記  平得 泰次
一九五一年八月二十五日(土曜日)午前十時三十三分開会

議事日程第一号
  開会 午前十時三十三分
第一 知事の演述

◎議長(潮平寛保君) 第五回八重山群島議会定例議会を開会いたします。(午前十時三十三分)
○書記長(眞玉橋長要君) 出席議員の報告をいたします。議員中七番議員久部良正三は病気のため欠席で、その他は出席であります。
 参与は次のとおりであります。
 総務部長、財政部長、経済部長、厚生部長、法務部長、文教部長、工務部長、会計長、出納長、企業免許所長、法務部次長、経済部次長、財政部次長、厚生部次長、地方課長、主計課長、税務署長、農研所長以上のとおりであります。
○議長(潮平寛保君) 本議会の会期をきめていただきたいと思います。
○石垣用中君 八月三十一日まで一週間としては如何でしょう。
  (「異議なし」の声あり)
◎議長(潮平寛保君) 御異議ないようですから会期を本日から八月三十一日まで七日間といたします。
 議事録署名議員をきめていただきたいと思いますが、一番議員と五番議員にお願いしては如何ですか。
  (異議なし)
◎議長(潮平寛保君) 御異議ないようですから議事録署名議員を一番議員と五番議員にお願いします。
 日程としては、本日は知事の演述をしていただき、演述が終わった後は議案研究のため休会し、明後二十七日月曜日から開議することにして、全議案を一括上程いたしたいのですが御異議ありませんか。
  (「異議なし」の声あり)
◎議長(潮平寛保君) それではただ今申し上げましたように本日は知事の演述後は休会し、明後二十七日開会することにして、全議案一括上程することに決定します。
 これから知事の演述を願います。
◎知事(安里積千代君) 第五回の議会を招集いたしましたところ御多忙の中にも御出席下さいまして有難く感謝いたします。
 前の議会後今までにおける二、三の主要な事務的な問題について御報告申し上げ御挨拶にかえたいと思います。
 前議会の際は四群島知事の会同が沖縄にあったので議会の終了を待たないで上沖し、四群島知事の会同に出席して帰って来たようなわけであります。
 四知事会同の内容については新聞紙上で既に報道されている通りでありますが、その中で我々八重山群島と関係のあることについて申し上げますと、琉球の経済を如何にして、自立経済の線にもっていくか、又、臨時中央政府が樹立され、各種の機構制度が民意によることなく実施されているが、これが果して琉球の政治の前進となっているか、否かが論点で四知事とも同一目的の下に論議が進められたのであります。住民を拘束し、住民に負担をかけるには民意に基く立法機関によってなされるのが民主政治の原理であって、我々として民意による強力な立法機関が規制されることを望んでいるのであります。現在の立法院は、民意によらない組織で、これによって煙草消費税等が立法公布されている。これは消費者たる全群島の負担にかかってくること大で、住民を拘束し、且つ各群島の財政にも影響して来る。この点について各群島とも恒久的政府の実現まで現行各群島の税種目及び税収入を確保せしめ、中央政府が徴収した群島民の負担にかかる煙草消費税等による収入は、適当に各群島の産業育成面の財源に還元するよう要望をしたのであります。臨時中央政府は恒久的政府への準備を第一義とする機関で四知事会同の結果としては、ルイス覚書によって立法院は基本法の制定を急ぐよう指令されました。その後、この覚書は若干変更され、恒久的中央政府樹立への過程として、立法院参議の選挙が遅くとも来年三月までには行われる模様で、未だ詳細な文書には接しないが、電報によって意見を徴して来ています。それで政府としては群島内各層の意見を求めるべく、本日午後三時立法院参議の選挙について、会議をもつことにしてありますから各位の御出席を煩わしたいのであります。政府としては今日の会の意見をまとめて、全琉的参議選挙に対して意思を表明し、琉球の政治に方向づけたいと思っています。
 次に懸案であった復興予算について軍に折衝したのでありますが、復興予算は本年度から全琉的に前年と姿をかえた立場になりました。前年度は円予算の見通しによって予算が認可されたのであるが、本年は確実な円予算額により認可されるようになったので、前年度のように途中に於て取消或いは凍結等齟齬を生じないようになりました。
 本年は円予算の確実な数字によって予算が計上されるようになり、従って認可された額は各群島とも内わになっています。
 本群島の割当は九九、五〇四、〇〇〇円となっていますが、その中六〇、〇〇〇、〇〇〇円は石垣市上水道の材料費で、残り三千余万円が一般の復興予算となっているのであります。
 石垣市上水道施設費は昨年の資材代三〇、〇〇〇、〇〇〇円であったのがその後資材代値上りのためか、六〇、〇〇〇、〇〇〇円となっています。これは前年度の復興費で支出されるべきであったのが、どういう関係か本年の予算に計上され示達されている次第であります。従来復興費は軍が直接取扱って、その工事の完成後与えられて来たのでありますが本年から改められて群島政府の補助金として令達され、群島政府の金庫から直接支払われ、スムースに行けるようになったことを感謝してよろこんでいるのであります。
 その他の件については議案審議のとき参与をして説明させることにします。
 その次に申し添えたいことは昨年度三月の議会で議決になった追加更正予算についてでありますが、一月から三月までの政府職員の俸給は軍から支出すると財務官の指示があって、感謝して職員費を一月から三月までの分受けて来たのであります。この件は群島政府として、これを陳情したわけでないのですから、予算にゆとりができたと感謝をして、三ヶ月分の職員費を削って他にまわし、予算更正をして執行して来たのでありますが本年六月になって民政官府から、これは間違った支出でしたから三ヶ月分の職員費は返還せよと通知があったのです。それに対し我々としては昨年度既に執行が済んでいるし、本年は予算も既に定まって執行しているのだからその取消方を軍に陳情したのであります。軍としては財務の整理するため返還を取消すわけにいかぬので軍裁判によって没収されたものの代金、罰金等群島政府に交付されていたものを以て、その金額に満つるまで、その返還として納入するようにとのことに結着を見たわけで、現在返還されつつあって、後一、一六〇、〇〇〇円の残金となっています。
 以上前議会から今までの事務につき報告いたします。
 この議会には重要な条例その他が上程されてありますから、御審議の上御協賛をお願いします。
○議長(潮平寛保君) 議案は研究を要するものと認めますから、これで休会したいと思います。
◎石垣用中君 先程全議案を一括上程となったが、逐次上程とされたら如何ですか。
◎議長(潮平寛保君) 一番議員から議案は逐次上程としたいとの御意見がありますが如何ですか。
  (「異議なし」の声あり)
◎議長(潮平寛保君) 御異議ないようですから議案は逐次上程といたします。次は八月二十七日午前十時開議することにします。
 本日はこれで休会いたします。
  (午前十時五十五分閉議)

 本日の会議に付したる事件
一 日程第一 知事の演述
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